第1120話、【Fa○e】わたくし、『さ○らルート』を徹底的に検証いたしますの♡(その9)

ちょい悪令嬢「──こういった、声優キャストや制作関係者へのインタビューや、先日検証したスペシャルブックレット等で得られる情報って、基本的に本作の作者のような『にわかファン』にとっては、『初耳』のものが多いと思われるのですよ」


メリーさん太「……まあ、そりゃあそうだよな、うちの作者は『Fa○e』シリーズに関しては、最近アニメ版に触れ始めたばかりであり、原作ゲーム版にはまったくのノータッチだから、アニメ制作スタッフや声優さんたちはもとより、長年のファンに比べれば、情報量は非常に限られているわけだ」




ちょい悪令嬢「もろちん、本作の作者もそのように心得ておりました。──しかし何と、『逆のパターン』が発生したのです!」




メリーさん太「逆のパターン、って?(『もろちん』に関しては『もちろん』スルー)」




ちょい悪令嬢「(くそっ、また『既読スルー』かよ⁉)つまり本作の作者が先刻承知なことを、声優の皆様があたかもご存じ無いかのような発言をなされたのです!」


メリーさん太「うちの作者のほうが、現場の声優さんよりも、作品に関する知識が上だっただと? そんな馬鹿な⁉」


ちょい悪令嬢「あ、いえ、単純なる知識の優劣ではございませんよ? あくまでも『アニメ版』──特に声優さんたちにとっては、『stay night』シリーズに限定した話であり、そもそも自発的に原作ゲームをやり込んでおられる声優さんたちにおかれましては、当然のごとく『いまだアニメ化されていない情報』さえも、豊富にお持ちなんですから」


メリーさん太「……アニメ版(の『stay night』)に限定した話って、具体的には何だよ?」




ちょい悪令嬢「特典DVDの中で声優さんたちがハッキリと、『間桐臓○さんがアニメ版に登場されたのも、間桐サ○ラ嬢の過去が明かされたのも、今回の【Heavens Feel】が初めてだよね』とおっしゃったのです」




メリーさん太「……え、『臓○さん』や『サ○ラちゃんの過去』が、今回初登場って、そんな馬鹿な⁉ あたしその二つ共、前にちゃんとアニメで見たことが有るぞ?」


ちょい悪令嬢「そうでしょう、そうでしょう。──ちなみに、『Fa○e』シリーズ内の『どの作品』で、ご覧になりました?」


メリーさん太「どの作品て…………あ、そういえばどっち共、確か『Zero』だったっけ」




ちょい悪令嬢「そう、かの超問題作『Fa○e Zero』であることこそが、今回の【座談会】における最大のテーマと申せるのです!」




メリーさん太「『Zero』が最大のテーマって、どういうことだ?」




ちょい悪令嬢「その二つって、どちらとも『間桐家』──つまりは、【Heavens Feel】における『メインヒロイン』関係者で統一されおりますけど、先の第1115話の結論として、【Heavens Feel】の──すなわち、間桐家の最大の魅力って、何でしたっけ?」




メリーさん太「え、ええと確か、『伝奇ホラー』だか『伝奇ロマン』だかだったっけ?」




ちょい悪令嬢「そして『Fa○e Zero』の原作者様は、どなた様で、どういった作風を得意になされていますでしょうか?」


メリーさん太「『Zero』の原作者と言えば、もちろんかの超鬼才虚○玄氏であり、彼の作風と言えば────ああ、そうか、そう言うことか⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、虚○玄氏の初期のゲーム脚本作品と言えば、2010年代以前においては『沙○の唄』に代表される、伝奇的あるいはカルト的なホラー作品ばかりであり、そしてそれは『Fa○e Zero』の、特に間桐家関連キャラやイベントへと、如実に受け継がれているのでございます!」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「ただ、ここで勘違いされては困るのですが、虚○氏ご自身は【Heavens Feel】に参加されていないことからわかるように、【Heavens Feel】を始めとする『Fa○e』アニメ版における伝奇ホラーテイストは、あくまでもユーフ○ーテーブルのスタッフの皆様や、ゲーム版原作者であられる奈須き○こ先生によるものなのです」




メリーさん太「……だったらどうして、わざわざ虚○氏の話なんかしたんだよ?」




ちょい悪令嬢「ですから虚○氏は、『Fa○e』の本質──とまで行かないにしても、『メインテイスト』の一つが間違い無く、『伝奇ホラー』であることをちゃんと見抜いて、自著の『Fa○e Zero』においては、シリーズ屈指の伝奇ホラーヴァージョンである【Heavens Feel】のメインを張る、間桐家当主の臓○さんとメインヒロインのサ○ラちゃんを中心に、しっかりと伝奇ホラーテイストをアピールなされたわけなのですよ」




メリーさん太「ちょっと待て、『Zero』視聴時にまさにその部分──特に、いまだロリ美少女に過ぎなかったサ○ラちゃんに、一目で惚れ込んでしまった、うちの作者って⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、『Fa○e』シリーズの最大の魅力が『伝奇ホラー』であることを、初見で本能的に見抜いて、すっかり魅せられてしまったのですよ」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「そういう意味では『Fa○e』シリーズは、あの『ま○か☆マギカ』にさえ勝るとも劣らずに、虚○氏の持ち味でもある『伝奇ホラー』の魅力を遺憾なく発揮した、超傑作と呼び得るでしょう。──そしてこの点に関しては、わたくしほんのチョッピリ、『マギ○コアンチ』の皆様のお気持ちも、わかったような気がいたしますの」


メリーさん太「……何でここで、『マギ○コ』の話が出るんだよ?」


ちょい悪令嬢「『マギ○コ』は脚本が虚○さんでは無いから駄目だとか言う、いかにも『頭ごなしの極論』を結構目にしたり耳にしたりするでは無いですか?」


メリーさん太「うん、制作スタッフにはそれぞれの魅力が有るんだから、特定の個人が参加しなかったからって、作品そのものを否定するのは間違いだよな」


ちょい悪令嬢「でもですねえ、確かに虚○さんが参加しないことで、『欠けてしまう』ことが有るわけなのですよ」


メリーさん太「それが、『伝奇ホラー』テイストってことか?」




ちょい悪令嬢「ええ、確かに『マギ○コ』は『ま○マギ』の後継作として、最大の悲願である『魔法少女の過酷なる運命からの解放』をテーマにして、『ま○マギ』同様に非常にショッキングなシーンや絶望的展開を見せてくれましたが、残念ながらそこには『ま○マギ』には確かに存在していた、『伝奇的あるいはカルト的ホラー』テイストが欠けていたのです」




メリーさん太「な、なるほど。一応『イ○カレー空間』は存在していたものの、(視聴者側が見慣れたこともあり)『ま○マギ』の『魔女結界』に比べれば、不気味さや絶望感を強調するよりも、『バトル』描写のほうを主体にしていたよな」




ちょい悪令嬢「すごくわかりやすく言い換えれば、『ま○マギ』における魔法少女たちは、あくまでも『ストーリーを動かすための操り人形』のようなものに過ぎなかったのに対して、『マギ○コ』のほうは、一人一人のキャラにちゃんと個性を与えて大切に描かれていて、終盤メインキャラたちが結構お亡くなりになりましたが、『伝奇的あるいはカルト的ホラー』テイストが無い分、『ま○マギ』のような絶望感や無常感はほとんど感じられませんでしたよね」




メリーさん太「『ま○マギ』が、『伝奇的あるいはカルト的ホラー』、か。──うん、『キュ○べえ』の設定なんて、もろ『クトゥルフ神話』そのものだし、その見解は間違っていないかもな」




ちょい悪令嬢「もちろんこれについては、『Fa○e』のほうにこそ、より顕著に現れていて、この点を鑑みれば、『stay night』シリーズでは無く、そもそも原作者自体が違う『Zero』が、【Heavens Feel】と似たようなテイストとなったのは、当然の仕儀とも申せましょう! ──つまり、本作の作者が提唱するところの、『Fa○eの真の魅力は伝奇ホラーであること』と言うのは、完璧に的を射ていたのですわ♡」













メリーさん太「……うわあ、出たよ、得意の自画自賛。そう言ったのは、これまでの検証を自作づくりに役立てて、『真に理想的な革新作』を生み出してから言えってんだ」

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