第1080話、わたくし、『オキナワの少年』は何よりも『自由』であるべきだと思いますの!(解説編)

メリーさん太「……おいおい、ホント大丈夫なのか? 前回の【突発短編】ときたら、これまで以上のヤバさだったじゃんか?」




ちょい悪令嬢「……それがですねえ、今回の【沖縄本土復帰50周年】記念の式典の実況放送や、それに対する様々な論評を見聞きしていて、何だかえも言われぬ『違和感』を覚えたのですよ」




メリーさん太「式典に違和感だと? 何だそりゃあ」


ちょい悪令嬢「本作の作者自身もどうにも気になって、まさしくかつて本作内において連載していた『オキナワの少年』シリーズを、この機会に読み直すことにしたのです」


メリーさん太「ああ、そういえば、それが有ったな。あれには現在における作者の『沖縄観』がすべて投入されていると言っても過言では無いから、『違和感』とやらの原因を探るには打ってつけかもな」


ちょい悪令嬢「そこで、再確認したのです!」


メリーさん太「ほう、何をかね?」




ちょい悪令嬢「──本作の作者が、『比類無き天才』であることでございます!」




メリーさん太「………………………………は?」




ちょい悪令嬢「いやあ、作者自身すっかり内容を忘れていて、久し振りに読み返してみると、まさか『軍艦擬人化少女』にあんな『属性』を付け加えていたなんて。やはり『艦○れ』の新アニメは、本作の作者に『脚本』を依頼すべきだったのでは?」




メリーさん太「いやいやいや、開幕早々から、何を血迷っているの⁉ 何なんだよその、何の根拠も無い自画自賛の嵐は⁉ 本作の作者のようなド素人に、『艦○れ』の新作アニメの脚本なんか任せられるかよ!」




ちょい悪令嬢「いえいえ、『発想の突飛さ』においては、先日視聴したばかりの、『艦○れ』の劇場版アニメよりは、完全に勝っているかと思いますけど?」


メリーさん太「だからその自信は、一体どこから来るんだよ⁉ ──『属性』とか言ったところで、どうせいつもの、『軍艦擬人化少女に異世界転生をさせる』とか言ったところだろ?」


ちょい悪令嬢「ふっふっふっ、何とそれどころでは無かったのです」


メリーさん太「え、異世界転生どころじゃないって……」


ちょい悪令嬢「……飛んでしまったのですよ」


メリーさん太「飛んだって、何がよ?」




ちょい悪令嬢「もちろん、軍艦擬人化少女の、皆様です!」





メリーさん太「──はああああああああああああああああ⁉」




ちょい悪令嬢「すごいですよね、これって軍艦に羽を生やして空を飛ばせるようなものですからね。しかもそれが軍艦擬人化少女だったら、更に威力抜群! 言うなれば、戦闘機やスーパーマンのような極小の存在に、軍艦並みの破壊力を与えるようなものですよ! しかも何と言ってもビジュアル的には、絶世の美少女が羽を生やして空を飛ぶなんて、まさしく『天使』そのもの! そんな彼女たちが冷酷な表情をして、問答無用で地上を攻撃しまくるのだから、まさしく『終わりのセ○フ』のクライマックスの先取りじゃん⁉ ホントこの作者ってば、その時点では『終わりのセ○フ』を一切見たことが無かったくせに、どうしてこんな作品創れるの⁉」




メリーさん太「た、確かに、無垢な『少女兵器』が、全人類の『裁定者』として、『最後の審判』を下すなんて、本作の作者の好みのどストライクだよな。あれだけネット上で総スカンを食らっていた、『終わりのセ○フ』にゾッコンになるわけだわ。とはいえ、まさか自分自身もすでに、同じような作品を創っていたとはな」


ちょい悪令嬢「一応以前もこの座談会において、詳しく言及しているのですけどね。実はこのアイディアって、『戦翼のシグルドリ○ヴァ』において、飛行機に鳥の羽を生やすという、『斬新極まるw』設定を見て閃いたのですよ」


メリーさん太「そういや、そんなこともあったっけ? あたしもすっかり忘れていたよ!」


ちょい悪令嬢「『戦翼のシグルドリ○ヴァ』に関しては、『飛行機に翼を付けるなんて意味無いじゃんw』て非難囂々でしたが、うちの作者は頭ごなしに否定したりせずに、まずは『それなら軍艦に翼を付けたらどうか?』、『──いやそれだと無理があるから、いっそ軍艦擬人化少女に翼を付けて空を飛ばさせてはどうか?』と、見事な『発想の転換』を成し遂げているんですよねえ」


メリーさん太「うんまあ、元々『海』の覇者である軍艦を、少女にすることで『陸』でも戦えるようにしたこと自体、気づく者がほとんどいない中で、何と『空』までも制させようとするなんて、そんな発想が出るのは本作の作者くらいなものだろうな」


ちょい悪令嬢「作者自身も、今回改めて連載を読み直していて、これは【沖縄本土復帰50周年】に絡めて、新作づくりに役立てなければならないと思い立ちまして、前回の【突発短編】の公開となった次第でありますの☆」


メリーさん太「──いやいや、ちょっと待った!」


ちょい悪令嬢「おや、メリーさん、何かご不審な点でも?」


メリーさん太「むしろ、不審な点ばかりだよ!」


ちょい悪令嬢「ほう、ちなみにどのような点でしょうか?」




メリーさん太「軍艦擬人化少女が空を飛んで、沖縄県人にとっては侵略者である中つ国や、最大の邪魔者である米軍基地を、実力で排除するのは一応理解できないことも無いけど、何で当の沖縄の人たちが多数参加している、【本土復帰50周年記念式典】が行われている会場までも、瓦礫の山に変えてしまっているんだよ⁉」




ちょい悪令嬢「それはもちろん、今回の冒頭で申しました、『違和感』を根底から撲滅するためですよ!」




メリーさん太「……何だと? するってえと、その『違和感の正体』とやらが、何であるかわかったわけか?」




ちょい悪令嬢「ええ、すでに前回の短編中にて述べましたけど、文字通り【本土復帰50周年】のめでたい席だと言うのに、肝心の沖縄の皆様が、ほとんど喜びや感謝の念を表していないことに、大いに疑問を覚えたのですよ!」




メリーさん太「──ああっ、そういえば⁉」




ちょい悪令嬢「確かに米軍基地はいまだに重大な影響を及ぼしているし、本作の作者も米軍による凶悪犯罪を許すつもりは毛頭ございませんが、せっかくの50周年の記念の席なのだから、そんなことなんて忘れて、喜び一色に染まるべきではないでしょうか? それなのに口を開けば、年寄りたちは『不満たらたら』ばかりで。そんなんじゃ、『沖縄県人の先達』として、若き世代を正しく導いていくことなぞ、到底不可能でしょう」


メリーさん太「いやでも、沖縄に米軍基地が集中していることも、本土とは経済格差が有ることも、厳然たる事実じゃないか?」


ちょい悪令嬢「ほう、まさかメリーさんも、沖縄が本土に復帰したところで、何ら得るところが無かったとでも言うおつもりですの?」


メリーさん太「も、もちろん、経済的には豊かになったし、日本国の地方自治法のもとで、一定の自主独立がはかられるようになったのは認めるけど、米軍基地問題はいまだに無視できるレベルじゃ無いだろうが?」


ちょい悪令嬢「いえいえ、完全に無視できますよ? 何よりも、現在まさしく『日本に属している』ことによってね☆」


メリーさん太「なっ⁉ 沖縄県人が、基地問題を完全に無視できるだと⁉」


ちょい悪令嬢「『沖縄県人』ではありません、あくまでも『日本人』としてです!」


メリーさん太「……どう違うんだよ?」




ちょい悪令嬢「何よりも日本においては、『平和憲法』によって、あらゆる自由が保障されており、『象徴天皇制』によって、いかなる権力の支配に服する必要もございませんからね! 今回の50周年にかこつけたクソ反日勢力どもの論評では、何と沖縄は、『あのまま米軍の統治下のままだったほうが』──『琉球王国として独立したほうが』──『いっそのこと完全に平等なる共産主義国の支配下に服したほうが』、日本に復帰するよりも幸せじゃないのか?──などと、世迷い言をほざいていましたが、それはつまり、米軍は言うまでも無く、琉球王家やその腰巾着の特権階級どもや、国家主席を名乗る独裁者率いる共産党等々の、専制的支配に服して、何の権限も無くなり、人間としての『自由』さえもすべて奪われることを、甘んじて受け容れることに他ならないのです!」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「それに比べて、現在の沖縄は、何と幸せなことでしょう! 米軍基地が集中して存在していることくらい、何ですか⁉ 『平和憲法』と『象徴天皇制』のもとで、世界で最も『自由』を謳歌することができるのですよ! これ以上の幸せなことがありますか⁉ 言うなれば、台湾や香港やウクライナや北方領土を含む極東ロシア等々、現在共産主義的専制国家から、付け狙われたり抑圧されている人々が、望んで止まない『真の自由』を、すでに手に入れているようなものなのですよ! ──それも優に『50年』も! どうしてこの50周年の記念の時に、それを感謝しようとはしないのですか⁉」




メリーさん太「──言われてみれば、まったくその通りじゃん⁉ 沖縄の人たちってば、自分たちがどんなに幸せなのか、全然理解していないじゃん⁉」




ちょい悪令嬢「世界に冠たる『平和憲法』のありがたさを本当に理解していなかったのは、実は反日左翼勢力のほうだったりしてねwww」


メリーさん太「……じゃあ、あたかもかの『青い鳥』の寓話そのままに、自分たちがどんなに幸せであるのか全然理解できていないままに、文句ばっかり言ってて、けして自ら幸せになろうとはしない、沖縄の人たちって、このまま自分のことを『自分はあくまでも不幸であるのだ!』と呪い続けると言う、馬鹿げた人生を送るしか無いのか⁉ ──何て哀れなんだ! 特に親を選ぶことができなくて、これから沖縄に生まれて、馬鹿な親たちからネガティブな感情を植えつけられる、子供たちが可哀想過ぎる!」




ちょい悪令嬢「──大丈夫です、すでに『オキナワの少年』たちは、行動を起こしておられますから♫」




メリーさん太「へ? それって一体……」




ちょい悪令嬢「ですから、まさしく作中シリーズの『オキナワの少年』の結論として、明言したではありませんか? ──何よりも『日本の素晴らしさ』とは、少年たちが政治的なことを一切考える必要無く、手放しに『自由』に暮らせることだって。現在沖縄で暮らしているごく普通の少年少女たちだって、スマホを通して東京を始めとする日本全国の情報を手に入れられるんだから、大人たちの『被害者根性』ばかりに毒されること無く、あくまでも『日本の若者』として、『沖縄の呪い』なぞうっちゃって、自分自身の夢に向かって、全力出駆け出していることでしょう。──このように、情報通信の自由を始めとして、『若者にとっての自由』を押しとどめることなぞ、沖縄はおろか、共産主義等を標榜する全体主義的専制国家でも不可能なのです。きっと近い将来、全世界の若者たちの手によって、真に理想的で真に自由な『ネットワーク型連合国家体コスモポリス』が、実現されることでしょう! ──そこにはもはや、過去の痛ましい戦争や植民地の記憶ノロイなんて、まったく必要無いのです!」

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