第1063話、わたくし、実は『トラックボール』こそが、『林檎教』入信の切っ掛けだったりしますの⁉(前編)

ちょい悪令嬢「──さて、今年のGWも序盤が終了し、最初の中休みの5月2日となりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 生憎これまでは天候に恵まれませんでしたが、明日からは全国的に好天に覆われるとのことですので、心機一転、休日を満喫してください!」




メリーさん太「なっ⁉ 悪役令嬢であるこいつが、まともに時候の挨拶ができているだと⁉」




ちょい悪令嬢「いやいやいや、わたくしだって時候の挨拶くらい、普通にできますわよ⁉」


メリーさん太「よく言うよ、今回のGWについては、完全にカレンダーを無視したテーマで連載を続けているくせに」


ちょい悪令嬢「いいんですかあ、そんなことおっしゃって? でしたら昨日の5月1日は『メーデー』だったことにちなんで、現在における日本国の労働組合について、その『最大の争点』を詳細に語って差し上げましょうか?」


メリーさん太「うっ⁉………………………いやいやいや、たかがWeb小説家ふぜいが、そんなことができるはずがあるものか!」


ちょい悪令嬢「いえいえ、そんなことはありませんよ?…………そうですねえ、例えば、どうして突然『連合』──すなわち、日本国を代表する最大の労働組合の連合体たる『日本労働組合総連合会』が、保守派の総本山である自民党に接近し始めたのか、日本の労働組合運動の歴史に則って、微に入り細に入りご説明申し上げましょう!」


メリーさん太「ははっ、そんな専門家でもまともに語れないことを、素人ごときが──」




ちょい悪令嬢「実は日本における労働組合なるものは、『旧社会党系』と『共産党系』とに大きく二つに分かれていて、『旧社会党系』は更に、大企業系と中小企業系とに分かれており、特に『御用組合』とも呼ばれている大企業系は『旧民社党系』に分類されておりました。まさにその『旧社会党系』と『旧民社党系』の流れを引き継ぐ『連合』は、言うまでも無く『共産党系』とは不倶戴天の敵対関係にあって、三十数年前の『連合結成』に際して、これまで一つであった公務員系の労組が、連合系の『自治労』と共産党系の『自治労連』に分裂したことにより、その対立構造が決定的となり、最近では、連合内の旧社会党系が立憲民主党や社会民主党を、旧民社党系が国民民主党を、全面的に支持して選挙協力を行っていたのですが、事もあろうに立憲民主党が共産党との連立などという、『……おまえ、日本における労働運動の歴史も知らないのか、この毒亜ドクーア工作員どものふきだまりが⁉』と言われても仕方ないような致命的暴挙を行ったために、ついに連合首脳部が堪忍袋の緒を切らしたのでございます。──そもそも、立憲民主党や社会民主党などと言った超弱小の木っ端政党など支持していても、もはや労働者の要望を国政に反映させることなぞ不可能になっていたので、それならいっそのこと政権与党である自民党と協力関係になって、自分たちの意思を直接国政に届けようと思うのも、けしておかしな話では無いでしょう」




メリーさん太「……え、連合の自民党への接近て、そんな複雑な裏事情が有ったわけ?」


ちょい悪令嬢「わたくし何か、論理的におかしなことでも申しましたかしら?」


メリーさん太「いえ、理路整然としていて、むちゃくちゃ納得しましたけど……」


ちょい悪令嬢「そうでしょうそうでしょう、こんなの大手新聞のコラムを読んでも書いてはいない、『現場の人間ならでは』のリアルな意見なぞ、滅多にお目にかかれませんからね★」


メリーさん太「──ホント、うちの作者って、一体何者なの⁉」


ちょい悪令嬢「まあまあ、今回のテーマはこのような『政治的問題』などではございませんので、さっさと本題に入りましょうよ♫」


メリーさん太「ここまで読んでいる方のご興味を惹いておいて、それは無いだろう⁉」


ちょい悪令嬢「おや、いいんですかあ?(二回目) これ以上述べると、『労働組合運動史の闇』まで突っ込まなければならなくなりますけど、それを聞いたらもう二度と後戻りできなくなりますよお?」


メリーさん太「うぐっ⁉………………………う、うん、そういうことなら、もうこれで十分かな。──それで、今回は何について語るつもりなんだ?(いつになく早口で焦りながらw)」




ちょい悪令嬢「久方振りの【Web小説作成知恵袋】シリーズとして、『トラックボールの有用性』について、徹底検証したいかと存じます♡」




メリーさん太「──落差がすごい! 『三段ドロップ』かよ⁉」




ちょい悪令嬢「おお、『沢村栄治投手』ですね? これはまた、マニアックなネタをw」


メリーさん太「ある一定の世代オッサンたちにおいては、『アスト○球団』を思い浮かべる方も多いかもな」


ちょい悪令嬢「そもそも現在は、『ドロップ』って言わないらしいですよ?」


メリーさん太「『縦のカーブ』だっけ? 時代は変わったな……」


ちょい悪令嬢「ボールを使うと言う意味では、今回のテーマに即していますよね」


メリーさん太「おっとそうだった、また話が逸れるところだったよ。──それで、どうして突然『トラックボール』の話なんかをすることにしたんだよ?」


ちょい悪令嬢「突然も何も、先日BDプレイヤーやUSBメモリと同時に購入していながら、今一つ使いこなせなくて、検証をほっぽっていただけでは無いですか?」


メリーさん太「そういえば、そうだったな……」


ちょい悪令嬢「確かに最初はまったく手に馴染まなくて、こりゃあ買って失敗したかと思ったものの、暇を見てちょこちょこ使っていくうちに、どうにか実用レベルまで使いこなせるようになりましたの」


メリーさん太「おお、それは良かったじゃないか!」


ちょい悪令嬢「それでですねえ、『全体的な評価』についてなんですけど……」


メリーさん太「うんうん、長年の念願をついに叶えたんだから、得るものも多かったことだろう!」




ちょい悪令嬢「ぶっちゃけ、マウスと基本的に変わらず、『トラックボールならではの有用性メリット』なんて、ほとんどありませんでした☆」




メリーさん太「──はああ⁉ 何じゃそりゃ! それじゃわざわざ買った意味無いじゃん!」




ちょい悪令嬢「おっしゃる通りでございます」




メリーさん太「ホント、何なんだよ⁉ 特売品だったとはいえ、二千円以上したんだろ⁉ ちょっとしたマウスなら、三個くらい買えたじゃないか⁉」


ちょい悪令嬢「本作の作者としては、きっとマウスには無い特別な機能があるものと、期待していたのですよ」


メリーさん太「マウスに無い機能、って?」


ちょい悪令嬢「ほら、トラックボールって『基本形』としては、ど真ん中にどでかいボールが鎮座しているじゃないですか? あれってマウスでは『スクロールホイール』の位置だから、Webサイトを閲覧中なんかにあのボールを転がすことによって、縦でも横でも思うがままに移動できるものと思ったのですよ」


メリーさん太「ああ、確かア○プルの『Mighty M○use』の『スクロールボタン』が、そんな感じの機能をしていたよな」


ちょい悪令嬢「でも実際には、マウスのカーソルが移動するだけで、画面そのものをスクロールできるわけでは無かったのです」


メリーさん太「ええっ? 特殊なやつとはいえア○プル公式のマウスでもできることが、できなかったわけか⁉」


ちょい悪令嬢「考えてみればトラックボールって、ただ単にマウスをひっくり返しただけに過ぎず、あのボール自体も、かつてマウスの下部に付いていたボールそのままに、カーソルのみを動かすパーツであることは、わかりきったことだったんですけどね」


メリーさん太「は? マウスにボールが付いていたって……」


ちょい悪令嬢「現在の光学式マウスはセンサーで座標の変化を読み、パソコン画面上のカーソルを移動させていますが、遙か過去においてはマウスの底面に存在していたボールの物理的な座標の変化によって、カーソルを移動させていたのですよ」


メリーさん太「へえ、そうだったんだあ」


ちょい悪令嬢「実はトラックボールは、それを逆さまにしたようなものなのです」


メリーさん太「それなら機能的にほとんど変わらないのは仕方ないと思うけど、どうしてわざわざマウスをひっくり返したりしたんだ?」


ちょい悪令嬢「これについては、簡単です。『必要に迫られた』からなんですよ」


メリーさん太「マウスでは無く、あえてトラックボールを使わざるを得ない、必要性って……」


ちょい悪令嬢「まさにそれこそは、かのア○プル社が、世界初の『可搬型パソコン』を実用化したことに、端を発するのです!」


メリーさん太「またア○プルかよ、この『狂信的林檎信者エバンジェリスト』が…………それにしても、『可搬型』だと? それってノート型パソコンのことか?」


ちょい悪令嬢「ノート型と言うより、『ラップトップ型』ですね」


メリーさん太「……どう違うんだよ?」


ちょい悪令嬢「ノート型に関しては、特に最近においては『持ち運ぶことが苦にならない』パソコンのことを指しますが、ラップトップ型のほうは、『一応は持ち運ぶことが可能』なパソコンであるのですw」


メリーさん太「……ああ、大体わかってきたぞ。ア○プルのことだから、性能はまずまずだけどむちゃくちゃ重くて、あくまでも『名前だけの可搬型』ってところだろう?」


ちょい悪令嬢「正解です。その名も『マッキント○シュポータブル』と言うのですが、総重量が7㎏以上もあって、購入者全員から『──どこがポータブルだよ⁉』と総ツッコミを受けたそうですわw」


メリーさん太「7キロ以上って、下手すると現行の『M○cBook Air』の、7台分くらいあるじゃ無いか⁉」


ちょい悪令嬢「あの会社ってば昔から、パソコンの性能に妥協を許しませんからね。しかしその結果『ポータブルでは無いポータブル』になってしまったんじゃ、本末転倒でしょうwww」


メリーさん太「……それで、その『ポータブル』とやらに、史上初めてトラックボールが採用されたってわけか?」


ちょい悪令嬢「一般のパソコン用では、間違いなく世界初でしょう」


メリーさん太「どうしてわざわざ、これまでにまったく無かった可搬型のパソコンに、マウス以外の入力ポインティン装置グデバイスを投入したんだ? 当時も『マ○クと言えばマウス』と言われるほどに、マウスこそがア○プルの代名詞のようなものだったのでは?」




ちょい悪令嬢「──実はそこにこそ、現在のスマホ&タブレットPC時代にも通じる、『トラックボールならではの唯一メリット』が秘められていたのですよ!」




メリーさん太「なっ⁉」







(※後編に続きます)

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