第1064話、わたくし、実は『トラックボール』こそが、『林檎教』入信の切っ掛けだったりしますの⁉(後編)
ちょい悪令嬢「──実はですねえ、メリーさん、本作の作者が『トラックボール』を使用するのは、今回が初めてでは無かったのですよ」
メリーさん太「へ?………………………って、えええええええええ⁉」
ちょい悪令嬢「それどころか、最初に手に入れたパソコンの入力装置が、当時も今も最も一般的なマウスでは無くて、トラックボールだったりしてね☆」
メリーさん太「──いやいやいや、急に何を言い出すの⁉ いかにも『トラックボール初心者』であることを散々アピールしておきながら、今更『ちゃぶ台返し』かよ⁉」
ちょい悪令嬢「……お恥ずかしながら、本作の作者自身思い出したのが、この作品(の前編)を書く直前だったのですよ」
メリーさん太「つまり、それまでずっと忘れていたとでも言うのか? そんなこと有り得るかよ⁉ ちょっと変わったマウスとかならともかく、トラックボールというパソコンの入力装置としては、現在においては『ガラパゴスツール』もいいところのやつを使っていながら、それを忘れ去るなんてことがあるものか!」
ちょい悪令嬢「当時は『ガラパゴス』どころか、むしろ『
メリーさん太「トラックボールがパソコンの入力装置として、
ちょい悪令嬢「それこそ、トラックボールの唯一と言ってもいい『メリット』が、認められていたからなのですよ!」
メリーさん太「トラックボールならではのメリットが有ったからこそ、マウスを押しのけて、パソコンの入力装置の座を勝ち取っていたって、一体いつの話なんだ⁉」
ちょい悪令嬢「先ほど(前編において)、トラックボールが史上初の可搬型パソコンの入力装置として、採用されたと申しましたよね?」
メリーさん太「……ああ、でも、それって可搬型と言っても重量が7キロ以上もあって、製品名の『ポータブル』としては、完全な失敗作じゃ無かったのか?」
ちょい悪令嬢「製品そのものは、確かに成功したとは言えませんが、『トラックボール』の採用自体は、けして失敗だったとは言えないのですよ」
メリーさん太「へ?」
ちょい悪令嬢「おやおや、
メリーさん太「あ、あれ?」
ちょい悪令嬢「そもそもトラックボールが、どうして可搬型パソコンに採用されたとお思いで?」
メリーさん太「それこそが、トラックボールの数少ない『メリット』ってことだろ? …………う〜ん、ラップトップ型パソコンでトラックボールを使う
ちょい悪令嬢「そこは、
メリーさん太「──出た、『逆に考えろ』! あんたって、そればっかりだな⁉」
ちょい悪令嬢「例えば現行の超軽量ノートパソコンを持ち歩いているとして、どうして一緒にマウスを持っていかないのでしょうか?」
メリーさん太「そんなもの、当然だろ⁉ ノーパソには必ず、マウスと同等の機能を有するばかりか、スペースをまったく取らない、『トラックパッド』が内蔵されているんだから…………って、そうか、そう言うことか⁉」
ちょい悪令嬢「そうです、実はトラックボールこそが、現在のトラックパッドの『御先祖様』に当たり、特にア○プル社の最初のノーパソである『P○werB○○k』シリーズにおいては、例の『ポータブル』の後継機であったこともあって、初製品化から当然のようにして、トラックボールを内蔵していたのです」
メリーさん太「……なるほどねえ、ノーパソ本体にマウスの機能を組み込もうと思うのなら、基本的にマウスを上下逆さまにしただけで、性能がほぼ同等でしかもスペースを取らない、『トラックボール』こそが最も理想的だったわけか」
ちょい悪令嬢「実は本作の作者が最初に買ったパソコンは、当時のマ○クのノート型の
メリーさん太「ええーっ、それじゃ『トラックボール初心者』どころか、『超ベテラン』じゃんか⁉ この前の話では、『まだまだ使い慣れていない』とか『指に馴染まない』とか言っていたのは、何なんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「言ってみれば、同じトラックボールといえども、『内蔵型』と『外付け型』との違いですわね」
メリーさん太「それって、そんなに違いが有るのか?」
ちょい悪令嬢「実は当時のP○werB○○kは、現在のノートブックでは極標準的な、キーボードの下に手のひらを休める場所──いわゆる『パームレスト』が初めて設けられて、その真ん中にトラックボールが配置されていて、キーボードと一体的に操作できて、極論すれば『トラックボールを操作している』ことすらも意識せずに、パソコンを使えたのですよ」
メリーさん太「え、昔のノートパソコンて、ア○プル製品以外は、『パームレスト』は無かったの?」
ちょい悪令嬢「ええ、ディスプレイ以外は、キーボードだけでした」
メリーさん太「……し、信じられない、そんなのでどうやってパソコンを操作するんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「昔のパソコンのうち、いわゆる『マルチウィンドウ型』のパソコンはマ○クだけで、他の世界中のパソコンは『MSーD○S』や、その変わり種の日本独自の『キュ○ハチ』のように、マウスを使わずキーボードでテキストだけを入力してパソコンを操作する、『コマンド入力式』という、『まったく使い物にならない』やつしか存在していなかったのです」
メリーさん太「『マルチウィンドウ型』のパソコンがマ○クしか無かったって、何その矛盾した状況は⁉」
ちょい悪令嬢「歴史的事実ですから」
メリーさん太「……まあいい、いい加減話を戻そう。つまりマ○クのノート型に搭載されていたトラックボールは、操作していることすらも意識しないで済むような、下手するとマウス以上の優れ物で、しかも省スペースと言う意味では完全に
ちょい悪令嬢「主戦場であるノート型において、ア○プル社を始めとして、『トラックパッド』に取って代わられたからですよ」
メリーさん太「と言うことは、トラックパッドこそが、トラックボールはおろか、マウスすらもしのぐ、最も優秀な入力装置ってことなのか?」
ちょい悪令嬢「いえいえ、現在主流のマウスに太刀打ちできるどころか、(あくまでも本作の作者の個人的感想ですが)トラックボールに対しても、『使い心地』という点においては、かなり劣っているのでは無いでしょうか?」
メリーさん太「──だったらどうして、トラックボールに取って代わることができたんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「一つには、『メンテナンスの省力化』であり、一つには、『結局パソコンの入力装置は消耗品』だからですわ」
メリーさん太「は? それってつまりは、トラックボールのほうが『メンテナンスに手間のかかる消耗品』だったと言うことか? 『消耗品なのにメンテナンス』って、それこそ矛盾しているんじゃ無いのか?」
ちょい悪令嬢「前回(前編)においてもちらっと述べましたが、昔のマウスって底面に物理的に『ボール』が装着されていて、その回転の方向や距離によってカーソルを移動させていたのですが、使用しているうちにボールと本体の間に埃等が溜まっていき、読み取り精度が悪くなるので、定期的にボール部分を清掃しなければならなかったのですが、ご存じのように現在は『光学読み取り方式』に切り替わったことで、メンテナンスフリーを成し遂げるとともに、ノートパソコンにおいてはもっと先進的に、使用者の指の動きや圧力を感知する方式であるトラックパッドを採用することで、トラックボールを全廃することにしたのです」
メリーさん太「え、何で? マウスができるんなら同じように、トラックボールも光学読み取り方式を採用すれば、それでいいんじゃ無いの?」
ちょい悪令嬢「一応現在においては、トラックボールも光学読み取り方式となっておりますが、基本的にノート型は入力装置を『内蔵』しなければなりませんので、できるだけ『故障しにくい』ものが求められており、そうなるとトラックバッドのほうが望ましくなるのです」
メリーさん太「……トラックパッドとトラックボールとの、どこが違うって言うんだよ? あんたの言う通り操作性においては、トラックボールのほうがましなんじゃないのか?」
ちょい悪令嬢「メリーさんは、マウスにおいて『故障する部分』て、どこが最も多いと思いますか?」
メリーさん太「またいきなり話を変えてきたな?…………そりゃあ、昔だったらあんたの言うように、底面部のボールとかだろうけど、今じゃ光学読み取り方式になっているんだから、強いて言えば、左右の『クリック』部分かなあ?」
ちょい悪令嬢「まあ、そうですね、やはり故障しやすいのは、特に使用頻度の多い物理的な可動部分でしょう。──それで、実際に故障したら、どうなされます?」
メリーさん太「マウスなんて、結構ちゃんとした性能のやつでも、今は千円以内で買えるんだろ? だったらいちいち修理なんかせずに、新しいのに買い換えるよな?」
ちょい悪令嬢「でしょうね、まさしくこれこそが先ほど申しました、『パソコンの外部入力装置は消耗品に過ぎない』と言うことなのですが、もしもこれがパソコン本体に内蔵されていたら、どうでしょうね?」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「そうなのです、たとえ一番肝心な『ボール部分』を光学読み取り方式にしようが、マウスにしろトラックボールにしろ、左右の『クリック部分』は相変わらず物理的な機構となっており、何かと故障しがちなので、外部装置ならともかく、パソコン本体への内蔵用としてはふさわしくないのですよ」
メリーさん太「……そういえば、最近のノーパソのトラックパッドって、クリックボタンを撤廃して、パッド部分に機能を兼用させているよな。あれって利便性だけでは無く、故障対策でもあったわけか」
ちょい悪令嬢「そしてその延長線上にあるのが言うまでも無く、画面
メリーさん太「つまり、モバイル機器の入力装置としては、ちゃんと妥当な進化を遂げており、トラックボールはすでに『お役御免』になっているってことなのか」
ちょい悪令嬢「──あくまでも、『本体の内蔵型』としてはね」
メリーさん太「何だ、そのいかにも含みの有る言い方は?」
ちょい悪令嬢「世の中が『モバイル至上主義』へと移り変わったからこそ、トラックボールの唯一最大の利点である、『場所を取らずにマウス同等の利便性を発揮できる』ことが、再び注目を浴び始めたのですよ。物理的にはマウスやキーボードを廃したスマホやタブレットPCは、長年パソコンになれきっている身としては、やはり使いにくくて仕方ないのですが、かといって物理的にマウスやキーボードを繋いだら場所を取るので、せっかくの携帯性が損なわれることになるし、最も理想的なのはマウスの代わりにトラックボールを繋いで、本体内蔵のソフトキーボードを使用するといったやり方こそが、パソコンユーザーと親和性が高いかと思われます」
メリーさん太「え、スマホやタブレットPCでも、トラックボールは使えるの⁉」
ちょい悪令嬢「以前、最新のマ○クとiP○dなら、マウスとキーボードを兼用できることをご紹介したように、マウスが使えるのですから、トラックボールだって使えますよ。──実際にも、スマホやタブレットPCでの使用を前提にした製品が、いくつか出ておりますし」
メリーさん太「……うん、ケーブル接続でもBluetooth接続でも、『場所を選ぶわスペースを取るわ』のマウスよりも、トラックボールのほうが俄然使いやすいよな。それに外部入力装置として使う分には、クリック部分等が故障しても、マウス同様に買い換えればいいだけだし」
ちょい悪令嬢「──と言うわけで、ノートパソコンはもちろん、スマホやタブレットPCをご利用の方で、マウス等の外部入力装置をお求めの方は、トラックボールについても御一考なされることをお勧めいたしますわ♡」
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