第953話、わたくし、周辺諸国がカスばかりのお陰で、大手を振って『レールガン』を開発できますの♡

メリーさん太「──聞きましたか、何と日本国が前回の『月面有人探査』に引き続いて、『レールガン』というSF界隈において超人気のガジェットを、防衛省の『専守防衛体制強化対策』の一環として、全力で開発していくことを決定いたしましたよ!」




ちょい悪令嬢「……へえ、そうなんですか? ふうん、そいつは豪気なことで」




メリーさん太「──反応、薄っ! おいおいおいおい、一体どうしたんだよ⁉」




ちょい悪令嬢「どうした、とは?」


メリーさん太「あんたこの前岸○文雄首相が、『月面有人探査』を始めとして、『アルテミス計画』を全力で推し進めていくことを宣言した時には、真に理想的な『敵基地攻撃』だって実現できるようになると、諸手を挙げて大喜びしていたじゃんか⁉」


ちょい悪令嬢「ええ、そうですけど?」


メリーさん太「──だったら、『レールガン』だって同じようなものだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「はあ? 全然違いますよ!」


メリーさん太「どこがだよ、確かあんたって、仮に日本が月面着陸に成功することによって、月そのものの領有権を主張して、巨大軍事衛星『日本版デ○・スター』に仕立て上げれば、地球のいかなる国家や地域も攻撃し放題だって言っていたじゃ無いか⁉ そんな完全な『SF脳』からすれば、『レールガン』も喜んで受け容れるべきだろう⁉」




ちょい悪令嬢「……あのですねえ、同じ『防衛兵器』とはいえ、『レールガン』のほうが、攻撃を迎撃するためのものであるのに対して、『月の軍事衛星化』のほうは、敵の攻撃行動自体をためのものなのです」




メリーさん太「攻撃自体を、未然に防ぐって……」




ちょい悪令嬢「いわゆる『核による抑止力』の、超特大軍事衛星版ですよ。相手からはけして手の届かない遙か彼方の宇宙空間にいながら、最新の衛星技術により正確極まりない超精密攻撃を実行して、地上のあらゆる都市を灰燼に帰することができるとしたら、日本に手出ししようと考える愚か者なんて、一匹残らずいなくなることでしょう」




メリーさん太「──なっ⁉」




ちょい悪令嬢「それに対して『レールガン』は、確かに現時点では近未来的な超高性能が期待できますが、開発に成功し実際に使用した際に、すでに発射された敵の超高速ミサイルをすべてたたき落とせる保証なんてどこにも無く、その『撃ち漏らした一発の核ミサイル』によってこそ、日本が致命的な被害を受けるかも知れないし、仮にその時点では完璧な防御力を誇ろうとも、兵器開発というものは永遠の『イタチごっこ』なので、すぐにレールガンでは捕捉できない超高性能ミサイルが配備されることも予想されて、むしろ本作のイチオシである『無数の人工衛星ネットワークによる、完璧なる抑止力の実現』に比べれば、巨額の資金を投入する必要のある割には、『不安点だらけ』とも申せましょう」




メリーさん太「──うっ⁉ た、確かに……」




ちょい悪令嬢「つまり一言で申せば、『相手が攻撃してから慌てて対応するのでは無く、相手に攻撃自体を思い止まらせるようにする』ことこそが、最も理想的なのですよ」


メリーさん太「……それじゃ、今回の政府防衛省の決定は、完全に間違いと言うことなのか?」




ちょい悪令嬢「──いいえ、そんなことはありませんよ! これはうちの作者の『素人考え』に過ぎず、『レールガン』の運用が実際には大成功を遂げるかも知れませんし、たとえ敵の攻撃兵器との『イタチごっこ』に陥ることになろうとも、むしろそれによってこそ、日本の最先端技術の劇的向上や、大幅な雇用創出効果なんかが、大いに期待できますしね!」




メリーさん太「ああ、そこのところは、『月面有人探査』と同じ評価なんだ?」




ちょい悪令嬢「──この世に無駄なことなんて、何一つ無いのですよ!」




メリーさん太「うおっ、いつになくデカく出たな⁉ 毎度お馴染みの『この世に見る価値の無いアニメなぞ存在しない』レベルなら、どうにか理解できるけど、今回のは少々抽象的過ぎるんじゃないのか? それに、この世に『何の価値も無い無駄なもの』なんて、ごまんと有るだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「……一応最初に確認しておきますが、あるものの『価値』の有無──すなわち、『有用か無用か』を判断するのは、個々の人間で間違いありませんよね? 神様とか超未来的AIとかじゃ無いですよね?」


メリーさん太「……まあな、そりゃあ神様とか正確無比なAIとか言った、真に公正かつ客観的な判断装置こそ理想的だけど、そんなもの存在するわけ無いから、結局人間の判断に頼らざるを得ないよな」




ちょい悪令嬢「でしたらその判断基準は、個々人の立場に立脚することになり、ある者にとっては価値が有るものでも、別の誰かには価値が無くなることなんて、普通に有り得るのでは無いでしょう?」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「例えば、今更日本でオリンピックを開催することなんて、本作の作者さえも含めてほとんどの人々が、『百害あって一利無し』と思っておりますが、すでに本作において述べましたように、『ゼネコン』やその利権に与る権力者にとっては、実際にオリンピックを開催する以前に、新設のメイン競技場を始めとする多数の大規模建築物の新設や改築によって、巨万の富をゲットできるわけであり、前回の『東京オリンピック』のようにまったく運の無いことに、『新型コロナウイルス騒動』なんかのために無観客開催を強いられ、世間一般から非難囂々で、オリンピック自体の収益が大赤字だったとしても、非常に『価値ある』イベントだったわけなのですよ☆」




メリーさん太「──そういやそういうことも、言っていたっけ⁉」


ちょい悪令嬢「……くくく、例の『セクハラオバハン国会議員』が性懲りもなく、『次のオリンピック』開催のためにすでにうごめき始めているのも、当然の仕儀に過ぎないのです」


メリーさん太「国会議員でありながら、結局は『私利私欲』かよ⁉」




ちょい悪令嬢「当たり前でしょ? むしろこれをお読みの皆さんにお伺いしたいのですけど、『私利私欲』で動いていない人間なんて、果たしてこの世に存在しているのでしょうか?」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「だからこそ、『この世に価値の無いものなんて、けしてあり得ない』と、断言できるのです。まさに当の『コロナウイルス』だって、どこかの全体主義国家の中央政治局の高級幹部どもの『私利私欲』で生み出されたかも知れないし、自分の国を滅亡へと導きかねないというのにけしてやめようとしない頭K印人どもの『反日活動』だって、かの国の一部権力者の『私利私欲』のために扇動されているかも知れないのですからね」




メリーさん太「……おいおい、いかにももっともらしいことばかり言っているけど、『真の愛国者』である本作の作者としては、いろいろと批判が多く巨額の予算を必要とする『防衛費』に対して、『これもけして無駄では無いのだ!』と力説して、偏向著しい一部の世評をかわそうとしているだけじゃ無いのか?」




ちょい悪令嬢「そんなことはありませんよ、わたくしは反国家的な野党や活動家はもちろん、つい最近事実上の『ゲーム禁止令』を出した某国党中央の弾圧者どもですら、十分に存在価値が有ると思っていますから」




メリーさん太「──はあ⁉ 反日工作員どもはともかく、本作の作者が何よりも忌み嫌う『表現の自由の規制』を断行した、某国ゴミュニズム党の存在を認めるだと⁉」




ちょい悪令嬢「だってこいつらが馬鹿みたいなことをしでかして、人民を弾圧し、国家経済等が行き詰まれば行き詰まるほど、何よりも自由で人権意識の高い日本の素晴らしさが、より強調されるではありませんか?」




メリーさん太「……あ」




ちょい悪令嬢「そうなのです、むしろ日本は、周辺諸国に『恵まれている』とも言えるのです。あいつらが愚かなことをすればするほど、日本こそが世界から高評価を得て、日本人の誰もが、日本において日本人として生まれて良かったという幸運を、しみじみと噛みしめることができるのですよ♡」

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