第923話、わたくし、『進○の巨人』のOVAは『集合的無意識』的に見所満載ですの⁉(後編)

ちょい悪令嬢「──そもそも、集合的無意識に存在している無限の情報を一度にすべて、人間のちっぽけな脳みそで処理しようだなんて、どだい無理な話に決まっており、常に集合的無意識とのアクセス権を有していて、必要な情報が生じればそのつどアクセスすると言った、『厳密には全知では無いけれど、どんな情報であろうと即座に手に入れることができる』と言うのが、本作において最も理想的な『全知』の在り方だと思われてきました。──しかし、何と『無垢○巨人』たちときたら、集合的無意識とのアクセス回路を常にフルオープンしながらも、ただ『あるがままに』受け容れて、無限の情報の海に身を委ねることによって、まったく負荷を感じずに済んでいるのです」




メリーさん太「それってつまり、いつでもどんな情報でも手に入れられるというのに、あえてそうしないことによって、むしろ『心の平穏』を保っているってことか?」


ちょい悪令嬢「とはいえ、アクセス回路が開きっぱなしなのは間違いなく、今回のOADのように、何の脈絡も無く過去の記憶が甦ることによって、人間と意思疎通をはかったりもできるのですよ」


メリーさん太「……うん、確かにつじつまが合っているし、イメージ的にも『何も考えていない』ように見えるほうが、いかにも『全知状態』っぽいと言うのも、何となくわかったけど、いくら人間の脳みそよりも巨大な容量を誇っているからって、どうして『無垢○巨人』だったら、常にフルオープンに集合的無意識とアクセスしていても、まったく平気でいられるんだ?」


ちょい悪令嬢「その答えはまさしく、『進○の巨人』本編にございます。──さて、調査兵団のユ○ルさん(ヒスト○アちゃんラブ)は、『無垢○巨人』であった数年間を、どんなふうに表現なされていたでしょうか?」


メリーさん太「確か、ずっと長い間『悪夢を見ていた』ようなって…………ああっ! そうか、そう言うことか⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、もしも本当に『神様』と呼び得る者がいたとしたら、すべての世界の外側でありとあらゆる世界を夢として見ている存在であるべきであり、まさしく無数の『無垢○巨人』は、総体として『無数の夢』を見ている、神様に相当する存在と申せましょう」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「そして、このように『進○の巨人』ならではの描写に基づいてこそ、何とこれまでの集合的無意識論や量子論を更なる新境地に至らしめる、新たなる『真理』にたどり着くことができたのです!」


メリーさん太「……つまりそれが、『これまでの常識を覆す』の第二弾てわけだな?」




ちょい悪令嬢「ええ、先ほど神様は世界そのものを夢見ていると申しましたが、そもそもそんな『トンデモ理論』なんかに関わりなく、『未来には無限の可能性があり得る』ことを根本原理とする量子論に則れば、この現実世界が何者かが見ている夢である可能性は、けして否定できないのですよ。──ただし、『ある世界から目覚めたら、またそこには新たなる世界が存在していた』といったふうに、多重的に世界が連続していくの、実は概念的には一つ限りの大枠的な存在に過ぎない『世界』の中で、無数の人々の夢という名の『世界観』がひしめき合っていると言うのが、最も現実的であるのは、つい最近藤○剛志先生の『即死チート○最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』の徹底的考証に絡めて、ご説明したところであります」




メリーさん太「……それが『進○の巨人』と、どう関わってくるって言うんだよ?」


ちょい悪令嬢「特に、『無垢○巨人』と知性の有る『九つ○巨人』との間における、『力の継承』において、大いに関わってくるのですよ」


メリーさん太「はあ? 力の継承って……」




ちょい悪令嬢「夢を見ているような状態でいた『無垢○巨人』が、『九つ○巨人』の脊髄部分を食らったその瞬間、文字通り知性に『覚醒』するのですよ? これっても、同然だと思いません?」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「もっとわかりやすくなるように、逆に『九つ○巨人』の立場から言い直せば、これまでてっきり現実の世界の中において、自分こそがその『九つ○巨人』の『主観者』だと思っていたら、『無垢○巨人』に食べられたその瞬間に、『無垢○巨人』の人間だった時の人格に『九つ○巨人』の主観を奪われてしまうなんて、まるで『元の人格を主観とする夢』を見ていたら、目が覚めてみれば夢を見ていたのは『別の人格』だったと言う、まさしく『世界そのものが別人が見ていた夢だった』そのものではございませんか?」




メリーさん太「……た、確かに」




ちょい悪令嬢「更に申せば、新たな『九つ○巨人』の主観者は、おぼろげながらも前の人格の記憶を受け継ぐことになりますので、まさにその者にとっての現実世界を、『夢の記憶』のようなものと見なすことにもなるのです」




メリーさん太「ええっ、そこまで『無垢○巨人』による『九つ○巨人』の捕食って、本作における『世界は何者かが見ている夢かも知れない』論を、実証化したようなものだったのか⁉」




ちょい悪令嬢「それどころではありません、この『負けたほうの世界が夢のようなものになってしまう』という巨人同士の『捕食関係』は、まさしく『即死チート○最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。』を考証した際に述べた、『世界観同士の潰し合い』そのものであり、今回の例で申せば、『九つ○巨人』の世界は、『無垢○巨人』の世界にのですよ」




メリーさん太「……何と、『進○の巨人』は、『世界同士の争い』までも暗喩メタファしていたのか⁉」




ちょい悪令嬢「このように、いかにも単なる【番外編】であるかのようにも見える、『進○の巨人』のOADシリーズですが、いろいろと考証しようと思えば、いくらでも掘り下げることができますので、皆様も今回の無料配信の機会を逃さずに、是非ともこぞってご視聴なさってみてください♡」













メリーさん太「……とか何とか言っていたら、引き続き無料配信が始まったOAD第二弾の『突然○来訪者 ー苛まれる青春の呪いー』は、完全なギャグ回だったじゃないか? 一体これをどう検証しろって言うんだよ?」




ちょい悪令嬢「いいんですよ、あれは『進○の巨人』最大の『ネタ』の一つである、原作漫画版単行本第8巻の巻末コーナーの、毎度お馴染み『嘘予告』における、『特に理由のない暴力がラ○ナーを襲う──‼』が晴れてアニメ化されたことを、心から言祝げばいいのですからw」




メリーさん太「そういえば、OP自体も、いかにもジ○ン君が主役に見えるように、微妙に改変されていて、無駄に芸が細かいよなw」

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