第922話、わたくし、『進○の巨人』のOVAは『集合的無意識』的に見所満載ですの⁉(中編)
ちょい悪令嬢「──それでは、前回に引き続きまして、『進○の巨人』のOAD無料配信第一弾の『イ○ゼの手帳 ーある調査兵団員の手記ー』における、集合的無意識論や量子論との関連性について、詳細に語って参りましょう!」
メリーさん太「……あの内容的には見所満載だけど、あまり難しい理屈はお呼びでないような番外編が、集合的無意識論や量子論に関連しているって、本当なのか?」
ちょい悪令嬢「ええ、それも、これまでの常識を覆しかねないレベルでね!」
メリーさん太「常識を覆す、って……」
ちょい悪令嬢「それについては順を追って説明して行きましょう。──まず最初は、『どうして「無垢○巨人」が言葉を発し、意思の疎通を実現して見せたか』についてです!」
メリーさん太「──そうだ! それって原作の『設定』的に、絶対あり得ないはずなんだよな⁉」
ちょい悪令嬢「『無垢○巨人』とは、知性を有する『九つ○巨人』
メリーさん太「一応、『始祖○巨人』とか『王家の血を引く巨人』とかの言うことを聞いているシーンはあるけど、別にお互いに意思の疎通をはかっているわけでは無く、一方的に『操られている』だけだしな」
ちょい悪令嬢「この場合本作のセオリーに則れば、『ユ○ルの民』は最初に巨人となった際に、『集合的無意識』とのアクセスを遮断されて、いかなる『思考情報』も得ることができなくなり、いわゆる『無垢の状態』になるものと見なすところですけどね」
メリーさん太「なるほど、その状態から(捕食行為を経て)『九つ○巨人』になって初めて、集合的無意識とのアクセス
ちょい悪令嬢「おや、どうかなされましたか、メリーさん?」
メリーさん太「『進○の巨人』の作品世界における『集合的無意識』って、いわゆるすべての『道』が交差するポイントである、『死さえ存在しない世界』──いわゆる『座標』のことであり、『ユ○ルの民』であれば、人間形態であろうが巨人形態であろうがアクセス可能で、特に『巨人』や『巨人化能力を持つ人間』は、常にアクセスすることによって、もはや『不死』とも言うべき超高度の『身体修復能力』を発揮できるんじゃ無かったっけ?」
ちょい悪令嬢「はい、その通りですが?」
メリーさん太「それじゃ、『ユ○ルの民』のうち、『無垢○巨人』のみ知性が無いことの説明がつかなくなるじゃないか⁉ ………ひょっとして、彼らは『思考情報』のみ、集合的無意識とのアクセス権を遮断されているとか?」
ちょい悪令嬢「本作においては便宜上、知性を有する人類等を形成する情報を『形態情報』と『思考情報』とに分けておりますが、これらに明確な境界線なぞ無いのです。そもそも『思考情報』をインストールすると言うことが、対象の脳みそに刺激を与えて各部位の形態を変質させることで、思考パターンや記憶等を改竄するものであれば、それはもう『形態情報』の類いとも言い得るでしょう」
メリーさん太「……つまり、『思考情報』だけ都合良く遮断することは不可能ってことだな?」
ちょい悪令嬢「もしも本当に『無垢○巨人』に対してのみ、そんな限定仕様が施されているとしたら、先ほど『例外』として挙げたように、『始祖○巨人』等の言うことを聞かせることが不可能になるのはもちろん、そもそも今回の肝心要のテーマの一つである、『なぜこの番外編において「垢○巨人」と意思の疎通がはかれたのか』の説明が、続行不能になってしまいますからね」
メリーさん太「あ、そういえば、そうでした」
ちょい悪令嬢「……実はですね、これってひょっとして、『全知』というものに対するこれまでの概念そのものを、完全に覆すことになりかねないとも思われるのですよ」
メリーさん太「──出たあ、これぞ今回の座談会の超
ちょい悪令嬢「つまり、『無垢○巨人』が無垢なのは、知性が無いどころかむしろ、『全知』であるからでは無いでしょうか?」
メリーさん太「は?………………………いやいやいやいや、『無垢○巨人』が『全知』って、そんな馬鹿な⁉」
ちょい悪令嬢「『馬鹿な』ですって? それならメリーさんにとっての『全知』って、一体どういうものだと思われているのです?」
メリーさん太「……『全知』ってそりゃあ、『すべてを知っている』ことだろう?」
ちょい悪令嬢「具体的には?」
メリーさん太「むちゃくちゃ賢くて、例えばファンタジー作品の大賢者とか、コンピュータをそのまま人間にした感じのキャラとか、いっそ文字通りに『全知全能』の神様を(人間等として)具象化したやつとかで、少なくとも『無垢○巨人』なんかとは、対極の存在じゃないのか?」
ちょい悪令嬢「そんなことはありませんよ? 神様とはあくまでも『抽象的』存在であり、具体的な形は無いと思いますが、強いて具象化するとしたら、むしろまさしく『無垢○巨人』みたいになるのではないですか?」
メリーさん太「──だからどうして、あんな『何も考えていない』ようなのが、『全知』で、しかも『神の具象化』なんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「もちろん、実は『全知』や『神』とは、『何も考えていない』ことそのものだからですよ!」
メリーさん太「なっ⁉」
ちょい悪令嬢「そもそもですねえ、いかにも何でも知っているふうに、聞かれたことにはペラペラしゃべりまくって答えを返してくるなんて者がいて、そいつのことを『全知なる神様』として、尊敬できますか?」
メリーさん太「──うっ、確かに超優秀なコンピュータの代わりに使えて便利だけど、こっちの言うことに何でも答えてくれるなんて、
ちょい悪令嬢「それに対して、まさしく『目して何も語らず』を地で行く『無垢○巨人』たちの、いかにも『達観』した有り様はどうです! まさに『全知なる神』が実在したとしたら、彼らのようであるべきとは思いませんか?」
メリーさん太「──ううっ、そう言われれば、そんな気もしてきたぞ? 『無垢○巨人』たちの『何も考えていない』ふうなご尊顔が、どことなく『神々しく』感じられてきたような……」
ちょい悪令嬢「つまりですね、いかにも『何も考えていない』ふうな『無垢○巨人』たちは、一見知性が無いようにも見えますが、実はむしろ『全知』だからこそ、『何も考えなくてもいい』だけの話なのですよ!」
メリーさん太「──おお、なるほど! やっと心から納得できたぜ!」
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