第918話、わたくし、某水族館アニメが『サイコ百合』っぽいのは気のせいだと思いますの⁉

ちょい悪令嬢「──さあて、今回も現在絶賛配信中の傑作アニメ作品をご紹介したいかと思いますが、特に前々回に引き続いての、今期の『秋アニメ』を中心に語っていく所存であります!」




メリーさん太「……ああ、そういえば、前回は主に『エウ○レカセブン』シリーズについて語ったんだったな」


ちょい悪令嬢「一応現在最新作が劇場公開されていますが、基本的にテレビ放映作品を対象とする『秋アニメ』には該当しませんからね」


メリーさん太「この秋からテレビ放映と配信が始まったやつなら、前々回に『マブ○ヴ』シリーズ全般について語ったじゃ無いか?」


ちょい悪令嬢「『マブ○ヴ』に関しては以前も申しましたけど、別に今期の『推しアニメ』というわけでは無く、前々回はいわゆる【番外編】のようなもので、むしろ今回からが本番なのです!」


メリーさん太「……おいおい、作品のモチーフとして使っていながら、ちょっと失礼過ぎるんじゃ無いのか、その言い草は?」


ちょい悪令嬢「いいのです! 本作の作者が『マブ○ヴ』シリーズに対して心からリスペクトしているのは、前々回までにおいて明確に示しておりますから!」


メリーさん太「まあ確かに、自分が気に入った作品と、他人に推すべき作品とが違っていることなんて、普通にあり得るしな」


ちょい悪令嬢「とはいえ、今期の『推し作品』に関しては、以前当【座談会】で述べたものと、一切変わっていないんですけどね」


メリーさん太「ほう、つまりそれぞれの作品共に、期待通りの『クライマックス』を迎えていると言うことか?」


ちょい悪令嬢「それについては、各作品ごとに言及したいかと存じます! ──と言うことでまず最初は、前期の『夏アニメ』として始まりました、『白い砂のアクアト○プ』です!」


メリーさん太「ふむ、無難なやつから行くわけか。これって第2クールに入ってから、結構評価が上がったよな」


ちょい悪令嬢「第1クールでは『ウザキャラ』として悪評をほしいままにしていたく○るちゃんですけど、第2クールからは彼女の『成長物語』となり、単に『水族館員』としてだけでは無く『社会人』としても、どんどんと磨き抜かれていってますしね」


メリーさん太「それってやはり、『ティン柱副館長』さんの、パワハラ………もとい、『スパルタ教育』のお陰なわけかな?」


ちょい悪令嬢「そうそうそういえば、最新作において、副館長さんてば、ついにく○るちゃんのことを認めてくれて、飼育員としての配置換えも検討してくださることになったのですよ!」


メリーさん太「──ええっ、何で急に⁉ く○るちゃんてば前回仕事を無断でさぼって、離れ小島に逃避していたじゃんか? それがどうして⁉」


ちょい悪令嬢「……おそらくは、海亀の産卵シーンを目の当たりにして、『産みの苦しみ』の大切さを思い知り、心機一転『企画書づくり』に全力で取り組み、見事プレゼンを成功させたからでしょう!」


メリーさん太「すごいな海亀⁉………………………って、いやいや、前回のやつは『産卵シーン』では無く、すでに砂浜に産みつけられていた無数の卵の、『孵化シーン』だろが⁉」


ちょい悪令嬢「ちなみにボクの名前の『キュ○べえ』は、『孵化器』の英訳『インキュベーター』から来ているんだよ☆」


メリーさん太「──誰だよ、おまえ⁉」


ちょい悪令嬢「冗談はともかくとして、やはりく○るちゃんの頑張りが、周囲の人たちの理解を促したのですよ!」


メリーさん太「う、うん、そういう意味では、前回のサボタージュも、けして無駄では無かったってことか」


ちょい悪令嬢「最新作においては、一回りも二回りも大きくなった、く○るちゃんを見ることができますよ!」


メリーさん太「……最近『白い砂のアクアト○プ』の評価が上がってきたのは、やはりく○るちゃんが自分の至らなさを反省して、ウザさを払拭していったからか?」




ちょい悪令嬢「──いいえ、むしろすべては、もう一人の主人公ヒロインである、風○ちゃんの卓越なる『キャラ設定』のお陰なのです!」




メリーさん太「うおいっ、散々く○るちゃんを持ち上げておいて、それは無いだろう⁉」




ちょい悪令嬢「……おや、風○ちゃんについて、何かご不満な点でも?」


メリーさん太「第2クールどころか第1クールの途中から早々と、主役はほとんどく○るちゃん単独で担っていて、風○ちゃんのほうは『脇』に徹しているじゃ無いか⁉ それなのにどうして彼女が、ここに来ての尻上がりの高評価の『最大の功労者』になるんだよ⁉」


ちょい悪令嬢「むしろ、『脇』に徹しているからですわ!」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「たぶん大方の視聴者の皆さんは、風○ちゃんが水族館の仕事とアイドルへの未練とで葛藤し続けたり、奇跡的なアイドル復帰のチャンスが舞い込んできたり──といった展開を期待なされていたでしょうが、夏の沖縄の雄大なる自然と、心優しい人々ウチナーンチュとのふれ合いの中で、『新しい自分の夢』を見いだして、水族館員としての道を歩き出し、何よりもその切っ掛けを与えてくれた最大の恩人であるく○るちゃんのことを、陰に日向にアシストしていっておられるのです!」




メリーさん太「……う、うん、確かにそうだけど、どうしてそんなキャラ設定の彼女が、作品全体における最大の功労者になるんだよ?」


ちょい悪令嬢「実は最近のアニメ作品においては、『元アイドル』のキャラって、掃いて捨てるほどいるのですよ」


メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「そんな中にあっても抜群の美少女であり、けして『元アイドル』であることをいつまでも引きずったり鼻にかけたりせず、むしろ『脇』として一歩退いて、常に『ウザキャラ』であるく○るちゃんをサポートし続ける風○ちゃんこそは、当然のごとく(く○るちゃんとの対比という意味でも)、視聴者の皆様からの好感度を独占することになるのですよ!」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「どうです? 『Wヒロイン』作品でありながら、片方のヒロインがこれほどまでに、もう一方のヒロインのサポート役に徹するのって、皆無だったと言っても過言では無いでしょう?」


メリーさん太「た、確かに……」


ちょい悪令嬢「しかもすでに、このWヒロインによる『百合エンド』すらも、まことしやかにささやかれているほどですしね」


メリーさん太「……うん、あのレズアニメのレジェンド『マギア○コード』にも勝るとも劣らないEDを見ると、あながち否定できない予測だよな」




ちょい悪令嬢「でもですねえ、だからこそ、ちょっぴり『怖く』もあるのですよ」




メリーさん太「は? 怖い、って……」


ちょい悪令嬢「前回の海亀の孵化シーン、なんですが、」


メリーさん太「うん」


ちょい悪令嬢「その(生命の神秘的)感動シーンを目の当たりにして、く○るちゃんが感極まっていたら、」


メリーさん太「うん」




ちょい悪令嬢「いつの間にか風○ちゃんがすぐ後ろに立っていて、いきなり声を掛けてきたのですよ」




メリーさん太「──ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ⁉」




ちょい悪令嬢「ね、怖いでしょ?」


メリーさん太「怖いも何も、確か前回って、く○るちゃんが突然無断欠勤をして、離れ小島に逃避行したんだよな⁉ それってつまり、那覇市内なんかじゃ無く、おそらくは『運行本数』や『運行時間』が限られている船舶類を利用しなければ、たどり着くことができないんだよな? それがどうして、全国トップクラスに交通の便のいい『江ノ島』辺りで待ち合わせでもするように、いきなりやって来たりできるんだよな⁉」


ちょい悪令嬢「なんか最近の風○ちゃんてば完全に、く○るちゃんの『保護者』的ポジションにありますよね」


メリーさん太「もうそれ、『百合』とかじゃ無いよ! 下手すると『共依存』だよ! 『ハッピーシ○ガーライフ』だよ!」




ちょい悪令嬢「……確かに、そもそも風○ちゃんは文字通りに『夢破れた少女』なのであり、自分では果たせなかった『夢に邁進し続けている』く○るちゃんに、己の夢を託しているのかも知れませんね」




メリーさん太「──重いよ! それって友情どころか、愛情としても、重過ぎるよ!」




ちょい悪令嬢「とまあ、本作の作者ならではの『歪んだ見方』をすれば、まだまだ隠された魅力がたくさん有りそうな『白い砂のアクアト○プ』ですが、いよいよ終盤に突入しましたことでもあり、読者の皆様も、けして見逃せませんよ♡」













メリーさん太「……何だよ、『歪んだ見方』って。そんないろいろな意味で『危ない』魅力なんて、暴かないほうが世のためじゃないのか?」

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