第917話、わたくし、『エウ○カ』の不評は、新作ごとに前作を否定する『リアル世界改変』だからと思いますの⁉

ちょい悪令嬢「──と言うわけで、『マブ○ヴ』最新話は、結構好評でしたとさ♡」




メリーさん太「……何が、『と言うわけで』だ? いきなり何を言っているんだ、あんたは?」




ちょい悪令嬢「あ、ほら、前回まで現在絶賛放映&配信中の『元祖マブ○ヴ・オ○タネイティヴ』について徹底考証しましたが、折良く丁度最新話の放映&配信が行われて、しかもネット上においてもこれまでに無く好感触だったのです!」




メリーさん太「ほう、あれ程各方面で物議を醸していたというのに、いきなりの『手のひら返し』だな? 一体どういうわけなんだ?」




ちょい悪令嬢「作画がこれまでに無く良好で、中でも『戦術機』同士のバトル描写がピカイチだったのですよ!」




メリーさん太「──結局それかよ⁉ 意外と単純なんだな、『マブ○ヴ』アニメ版に対する評価基準て!」




ちょい悪令嬢「まあ、アニメ作品に対する評価としては、間違っていませんがね」


メリーさん太「しかし、あれだけ散々利いた風なことを言っておいて、ちょっとロボットが動いて激闘を繰り広げたら大好評って、列車に乗ったり写真を撮ったりすれば大満足な、『鉄オ○』並みの知能レベルじゃん? なに、古参の『マブ○ヴファン』て、単なる『ロボットアニメオタク』でしか無かったの?(全方面にケンカを売っていくスタイルw)」


ちょい悪令嬢「やっぱ同じ作品に対しても、多世界解釈量子論や集合的無意識論に則って考証している、本作のほうがよほど高尚ですわよね☆」


メリーさん太「……また『手前味噌』みたいなことを。しかもそれはそれで、別の意味でオタクとして『手遅れ』って感じだけどなw」


ちょい悪令嬢「そんなことはありませんわ。多世界解釈量子論や集合的無意識論って、結構昔の名作アニメ作品においても、見受けられたりするのですよ?」


メリーさん太「ほう、『マブ○ヴ』はもちろん、本作でこれまで散々取り上げてきた作品以外に、また何か『新たなる注目作品』でも見つけたのか?」


ちょい悪令嬢「そうなんですよ! 現在最新作にして最終作でもある劇場版が絶賛公開中で、しかもそれに合わせて毎度お馴染みの動画配信サイトの『GYA○!』様において、TV版の傑作選やこれまでの劇場版が順次無料配信されている、歴史的超傑作でございます!」


メリーさん太「──それって、まさか⁉」




ちょい悪令嬢「ええ、『交響詩篇エウ○カセブン』シリーズですわ!」




メリーさん太「それが、有ったかああああああああああああああ!!!」




ちょい悪令嬢「しかもこれがもう、最新劇場版を始めとして、ネット上では『大不評』ときたもんだ!」


メリーさん太「……え、そうなの?」


ちょい悪令嬢「まあ、結局のところ、作品を一面でしか評価できず、どんな作品にも有るはずの『良いところ』を見いだそうとはせず、『悪いところ』をあげつらうばかりの、哀れな『アンチ』どものたわ言ですよ」


メリーさん太「まあた、『上から目線』のおっしゃりようで…………でもまあ確かに、物事の一面しか見ないのは、本人にとっても損失以外の何物でも無いけれど」


ちょい悪令嬢「とはいえ、『エウ○カ』シリーズ自体にも、問題が有るんですけどね」


メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「なんか作品全体的に『世界観』がわかりにくいし、しかも新作が公開されるごとに、前作の『世界観』や『キャラ設定』を全否定しかねないような、いわゆる『ちゃぶ台返し』ばかり繰り返しているのですよ」




メリーさん太「──何ソレ⁉ そんなんじゃむしろ、熱狂的ファンであるほど、『大激怒』じゃんか⁉」




ちょい悪令嬢「特に現在公開中の新劇場版に対しては非難囂々で、そもそも旧来のファンである方こそ、『絶対に見ない!』と息巻いておられる始末でございます」


メリーさん太「……ああ、告知ポスターの時点で、エウ○カ嬢が『母親』になっているしな、これまでの『キャラ設定』ぶち壊しじゃん」


ちょい悪令嬢「一応、以前の劇場版の『ポケットが虹でい○ぱい』においては、普通の人間の女の子(しかも全裸♡)に生まれ変わったような結末となっておりましたけどね」


メリーさん太「え、つまり劇場版は、それぞれ内容が引き継がれているわけなの?」


ちょい悪令嬢「さあ」


メリーさん太「さあ、って⁉」


ちょい悪令嬢「本作の作者自身、新劇場版どころか元祖TV版を含めて、『エウ○カ』シリーズを拝見したのは、今回が初めてだったりするのですよ」


メリーさん太「あんなに有名なシリーズなのに、これまで一度も見ていなかったのかよ⁉」


ちょい悪令嬢「……あのですねえ、こうして『アニメ考察』を頻繁に行ったりしているので、皆さん誤解なされているようですが、本作の作者は2010年代においてはアニメ作品をほとんど見ていないという、どちらかと言えば『アニメ音痴』の人間なのですよ?」


メリーさん太「……ああ、そういえば、あの『ま○か☆マギカ』の元祖TV版を初めて見たのも、ほんの二、三年前だったよな」


ちょい悪令嬢「それでもわかったことがありますの、『エウ○カ』シリーズは、『ま○マギ』や『ひぐ○しのなく頃に』、それから『マブ○ヴ』といった作品の『仲間』だと」


メリーさん太「え、それって『エウ○カ』も、『ループ系』の作品てこと? そんな描写なんか有ったっけ?」


ちょい悪令嬢「『ループ』と言うよりは、『夢の世界』ですね。──まさしく、『即死チート』の現行エピソードみたいに」


メリーさん太「──そ、それって⁉」




ちょい悪令嬢「『ポケットが虹でい○ぱい』において語られた作品の『世界観』に則れば、人型をした『ショゴス』そのままの少女『エウ○カ』に秘められた力によって、世界そのものを構成している物理的最小単位である量子を、変幻自在な『波』の状態にして、特定の人物の夢に合わせて、すべて作り替えることができたりしてね♡」




メリーさん太「──本作における、『即死チート』の大賢者さんのスキルに対する解釈そのものじゃ無いか⁉ それもしっかりと、量子論に則っているし⁉」




ちょい悪令嬢「ねえ、すごい偶然もあったものでしょう?」


メリーさん太「……確かに、世界そのものの量子を思い通りに変化メタモルフォーゼさせることができるのなら、新しい劇場版を公開するごとに、まったく違う『世界観』にすることも、十分可能だよな」


ちょい悪令嬢「しかも劇場版『ハイエボリ○ーション』の【ANEM○NE編】なんて、完全にエウ○カちゃんのほうが『ラスボス』扱いになっていて、どうしても死んでしまう運命にあるレイ○ン君を生き延びらせる世界を創ろうと、延々とループを繰り返していると言う」


メリーさん太「──『ま○マギ』のほ○らちゃん、そのものじゃんか⁉」


ちょい悪令嬢「でもこれでは確かに、新作を見るごとに前作が(文字通り『夢幻』同然に)『無かったこと』にされてしまうんだから、熱烈なるファンである方ほど、堪ったもんじゃないでしょうね」


メリーさん太「『ま○マギ』や『ひぐ○し』が、各ループの『周回』ごとに、別々の劇場版になっているようなものか?」


ちょい悪令嬢「そういう意味では、前回と前々回で取り上げた、『マブ○ヴ』の各アニメ版の関係に近いかも知れませんね」


メリーさん太「……『マブ○ヴ』のほうは、最初から枠組みが固まっている壮大なシリーズ内の半ば独立したエピソードを、それぞれ別個にアニメ化しているのであって、ある意味『本筋』そのものをリメイクし続けている形である『エウ○カ』とは、本質的に異なるのでは?」


ちょい悪令嬢「シリーズ全体の『世界観』自体が、『メタ構造』であることを自覚しているところが、共通していると思われるのですよ」


メリーさん太「……ああ、『ゲーム』のシナリオ分岐システムを、そのままアニメ化したようなものか」


ちょい悪令嬢「【ANEM○NE編】ではエウ○カちゃんが、『ポケットが虹でい○ぱい』ではアネ○ネちゃんが、世界が『メタ構造』であることを自覚しているわけですからね」


メリーさん太「……え、ちょっと待って。どうして世界がメタ構造であることを知っている人物が、作品によって異なってしまうわけ?」


ちょい悪令嬢「『エウ○カセブン』の作品世界を夢見ているのは、エウ○カちゃん自身である──と思っていたら、実はそのメタ的世界自体そのものすらも、アネ○ネちゃんが見ていた夢でした──と言った、本作お得意の多重メタ構造だったりして☆」


メリーさん太「確かに本作においても、そんな可能性もけして否定できないことは、前々からちゃんと指摘していたよな⁉ どこまで共通点が有るんだよ?」


ちょい悪令嬢「いやでも、こんな難解な世界観を、そのまま『娯楽作品』にするなんて、ほとんど不可能でしょう?」


メリーさん太「つまりそれこそが、『エウ○カ』シリーズに対する、全般的な『不評』の原因だと?」




ちょい悪令嬢「いえそれが、元祖TV版においては一応成功していたんですよ。──むしろ、奇跡的に成功していたからこそ、続編を創るごとに皮肉にも、その『成功を否定』するような形になってしまって、どんどんとファンが離れていってしまったのです」




メリーさん太「──完全に、自業自得じゃ無いか⁉」




ちょい悪令嬢「これは本作にとっても、けして他人事ではありませんわね! 量子論や集合的無意識論にこだわるのもいいけれど、これからはちゃんと、読者の皆様に受け容れられる作品づくりに励んでいかねばなりませんわ!」













メリーさん太「──おい、他人様の作品をダシにして、綺麗にまとめようとするんじゃ無いよ⁉」




ちょい悪令嬢「いえいえ、本作の作者も個人的に、『ポケットが虹でい○ぱい』に関しては、心から評価しておりますのよ?」




メリーさん太「──だから、毎回毎回最後の最後で取って付けたようにして、取り繕うなって言ってんだよ⁉」

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