第883話、【ハロウィン記念】わたくし、ゴミュニストを攻撃するのは、愛と平和と表現の自由のためですの♡(その2)

メリーさん太「人工衛星を軍事利用することによって、核ミサイルを発射以前に無力化するどころか、場合によっては『明確に敵対行為を行った他国』そのものを、国土丸ごと焦土化するだと⁉ そんなこと、本当にできるものか!」




ちょい悪令嬢「あら、かつてアメリカにおいては、『戦略防衛構想』──通称『スター・ウ○ーズ計画』なるものが練られていたくらいですし、軍事衛星の有効性は、国際的に認められているところですが?」




メリーさん太「──うっ」


ちょい悪令嬢「それにこれは、すでに80年も昔に、それこそアメリカ軍やイギリス軍によって実行されて大成果を上げた、『大陸間弾道弾の完封戦法』に端を発しているのですからね」


メリーさん太「大陸間弾道弾を完全に封じ込める戦法だってえ? しかも80年も昔に──すなわち、先の大戦中にすでに、成果を上げているだと⁉ いやいやそれって、ナチスドイツのV2号ミサイルのことを言っているんだろうけど、あれってICBMどころか『月ロケット』の直接の御先祖様なのであり、いったん発射されれば超音速を誇っているので、当時の軍事技術では撃墜不可能だったんじゃ無いのか⁉」


ちょい悪令嬢「ええ、ICBMを撃墜することなんて、できっこありませんよね」


メリーさん太「だったら、どうして⁉」




ちょい悪令嬢「すでに飛行していると無理なら、叩き潰せばいいのですよ!」




メリーさん太「──なっ⁉」




ちょい悪令嬢「第二次世界大戦において米英連合軍がとった手段も、毎日のごとくおよそ千機からなる戦略爆撃部隊の大編隊によって、V2号やV1号の発射基地を徹底的に破壊することでしたし、トドメとして陸上部隊による基地の直接占領だったのです」




メリーさん太「発射基地の爆撃に地上部隊による占拠って、確かにそれだったらどんな高性能ミサイルであろうと、発射する以前に無効化できるだろうが、そんなことなんて少なくとも、現在の日本では無理だろうが⁉」


ちょい悪令嬢「ほう、どうしてです?」




メリーさん太「ナチスドイツがVシリーズ兵器──すなわち、『兵器』を使用し始めたのは、もはや敗色濃い戦争末期においてであり、制空権や制海権どころかすでに国土そのものが東西両陣営の敵地上部隊によって脅かされている状況で、それこそ超音速ミサイルでも使用しなければ『報復行為』など不可能だったのであり、現代の平和な状況下にあって、当然『キタ』等の独亜ドクーア三国の制空権も有さず、地上部隊なぞ上陸させることなんて絶対に不可能な日本が、どのようにしてミサイル発射基地を爆撃したり占領したりできるって言うんだよ⁉」




ちょい悪令嬢「だから、そこで『軍事衛星ネットワーク』の、出番というわけですよ☆」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「……あのですねえ、『敵基地攻撃能力』でも『イージス・アショア』でも何でもいいのですが、ミサイルにミサイルで対抗してどうするのです? 例えばアメリカのような超経済大国と戦う場合、ミサイルの撃ち合いなんかしたら、『質』的な面はともかく、『量』的な面では絶対に負けて、一方的に核ミサイルの飽和攻撃を浴びて、アッと言う間に国土全体が焦土化してしまいますよ?」




メリーさん太「いやでも、かつてまさに当の『スター・ウ○ーズ計画』が頓挫したように、軍事衛星に『攻撃能力』として核ミサイルを凌駕する威力が無いのはもちろん、『迎撃能力』として核ミサイルを無力化するなんて不可能だって、結論が出たんじゃなかったっけ?」




ちょい悪令嬢「その『現在においては不可能なこと』を可能にしてきたからこそ、科学技術が──特に、軍事技術や宇宙開発技術が、長足の進歩を遂げてきたのではありませんか?」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「『そんなことは絶対に無理だ』とか言っていたら、何も始まらず、下手すると『敵』のほうが先に『新技術』の開発に成功して、攻撃され放題になりかねず、一度や二度失敗したからってあきらめずに、現在最強の『核兵器システム』に対して圧倒的な抑止力を持つ、『軍事衛星ネットワーク』の実現に邁進すべきなのです! ──何なら、敵の国土の上空に文字通り星の数ほど衛星を打ち上げて、一斉に自爆落下させるだけでも、核兵器以上の威力があるのでは?」




メリーさん太「星の数ほどって、衛星を一基打ち上げるのに、どれだけ(それこそ文字通りに)『天文学的な費用』が必要だと思っているんだよ⁉」




ちょい悪令嬢「だから、その天文学的な『浪費』が許されるのが、『戦争』と言うものなのですよ。第二次世界大戦中において米軍が行った『物量攻勢』がどれだけ凄まじかったか、ご存じですか? 何と毎日のようにして千機を超える爆撃機&戦闘機合同部隊を、ドイツ本国に送り続けたのですよ? それに対してドイツのほうも、当時においては超ハイテク兵器だった大陸間弾道弾のV2号と巡航ミサイルのV1号を、(大戦中総計で)それぞれ千基以上も、連合軍の総司令部があるイギリスの首都ロンドンへと打ち込み続けたのでございます。そのためにどれだけの資金や物資が費やされてしまったことでしょうね?」




メリーさん太「──うぐっ⁉」




ちょい悪令嬢「想像してみてください、不遜にも日本国にケンカを売った『キタ』等の毒亜ドクーア三国の国土へと、天空の人工衛星からビーム砲や各種ミサイル──場合によっては、無数の衛星そのものが、まさしく流星や雨あられのように降り注ぐ、この世の終焉おわりそのままでありながら、どこか神々しく美しい光景を! ──実はこれこそが、今回の作品を作成するに当たっての、一番最初のイメージだったのです♡」




メリーさん太「──怖い『想像イメージ』だな⁉ あんた事あるごとに『専守防衛主義者』を自称しているけど、本当は『戦争大好き☆』なんじゃないのか⁉」


ちょい悪令嬢「いえいえ、何よりも専守防衛を尊ぶ『平和主義者』だからこそ、『軍事衛星防衛システム』の実現を激オシしているのでございます!」


メリーさん太「軍事衛星推進が、平和主義だと⁉」




ちょい悪令嬢「核兵器を始めとするすべてのミサイル類を無効化されるどころか、いつでも国土の全域を焦土化されかねないとしたら、これ以上の『抑止力』は無いでしょう」




メリーさん太「敵の戦略兵器どころか、国土そのものを『無力化』できるって……」




ちょい悪令嬢「何せ宇宙には『領土権』はありませんからね。東アジア全域の上空に、日本製の人工衛星を配置することが可能であり、常に相手の動向を監視し、いったん事あればミサイルの発射前に攻撃したり、超磁力兵器等で電子機器をすべておシャカにしたりすることによって、国の機能そのものを無力化することができるのですよ!」




メリーさん太「え、宇宙には各国ごとの領有権は無いの? そうすると、日本の上空にも──」


ちょい悪令嬢「もちろん、世界各国の衛星を飛び回らせることが、可能です」


メリーさん太「だったら、日本のほうを無力化することだって、可能なんじゃないのか?」


ちょい悪令嬢「あら、日本のほうは、別に無力化されても、構いませんけど?」


メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「だから日本としては、こちらの衛星ネットワークによって、相手の攻撃力を無力化すればそれでよく、その際に日本のほうも無力化されても問題が無いどころか、むしろ『絶対の平和状態』が実現できるわけで、まさしく『平和憲法』的にも、最も理想的な形になったようなものなのですよ」




メリーさん太「……え、こんな世界最強と言えるほどの『軍事衛星システム』を実現できたとしても、結局は『平和憲法』下の『専守防衛主義』を全うするわけなの?」


ちょい悪令嬢「当然ですよ! むしろそのほうが、国内外の『反対工作勢力』を黙らせることさえできますからね」


メリーさん太「で、でも、今回の作中においては、新国家を樹立して平和憲法を廃止していて、ちゃんと攻撃衛星を攻撃的に使っていたじゃないか?」




ちょい悪令嬢「そのように『創作物フィクション』の中で軍事衛星システムの圧倒的なる『攻撃力』を全力でアピールすることによって、馬鹿な周辺諸国に日本の『恐ろしさ』を思い知らせているわけなのです。──何せ、現実に攻撃するわけにはいきませんからね」




メリーさん太「そういえば、そうでした!」




ちょい悪令嬢「──と言ったところで、今回も字数が尽きてしまいましたので、同じく【ハロウィン記念企画短編】である、『国内のゴミュニズム勢力による表現の自由の弾圧に対する、「非実在性少女」たちの反乱』の解説に関しては、次回以降にしたいかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしますわ♡」










メリーさん太「……一体いつまで続けるつもりなんだよ、この【解説編】⁉」

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