第787話、わたくし、実は『境界○彼方』の主人公と同じ立場でしたの⁉

ちょい悪令嬢「──いやあ、『京○アニメーション』様屈指の珠玉の名作、『境界○彼方』の完全新作劇場版【未来編】を、今回ついに初視聴したのですが、ホント、びっくりしましたよね」




メリーさん太「……うん、あそこまで見事に有終の美を飾ってくれたからには、文句の一つも出てこないわ。もはや『感動』の一言だわ」




ちょい悪令嬢「何かもう、オリンピックの『日本勢金メダルラッシュ』そのものですね♫」


メリーさん太「──黙れ、『オリンピック高みの見物』勢のくせしやがって」


ちょい悪令嬢「まあ冗談はともかく、まさに予想以上でしたね!」


メリーさん太「そうそう、特に前回名前を挙げていた、『主人公の母親』である神原弥○さんの正体ときたら、もう『驚愕』の一言だよな⁉」


ちょい悪令嬢「それ、それですよ、一番『感服』したのは、まさにそれ!」


メリーさん太「『……果たして最後の劇場版で、彼女の正体を明かしてくれるのか?』なんて危惧していたんだけど、それどころのレベルでは無かったよな」


ちょい悪令嬢「ええ、実はわたくし今回、冒頭部で『おふざけ』をやろうと思っていたのですよ」


メリーさん太「おふざけ、って?」


ちょい悪令嬢「しらっと、『……いやあ、皆さん、驚きましたねえ、何と弥○さんが、「異世界転生者」だったとは⁉』とか、カマしたりしてw」


メリーさん太「──ちょっ、それって⁉」




ちょい悪令嬢「そう、あながちのです! いや、それどころか──」




メリーさん太「……それどころか、まさか、『境界線の守護者』、だったとはな」




ちょい悪令嬢&メリーさん「「──ねえ、ホント、びっくり仰天でしたわ!!!」」




ちょい悪令嬢「『境界線の守護者』とは何かと申しますと、その名前からわかる通り、『境界○彼方』ならではの独自キャラ──、」


メリーさん太「何と、本作『わたくし、悪役令嬢ですの!』にも登場している、ある特定のキャラクターたちの『カテゴリィ名』だったりします!」


ちょい悪令嬢「それで具体的に、どのキャラが該当するかと申しますと──」


メリーさん太「──はいッ!」


ちょい悪令嬢「……何ですか、メリーさん、人の発言中に、いきなり手を挙げたりして。何か質問でもあるんですか?」


メリーさん太「──おい、そこですっとぼけるなよ、このボケ主人公⁉」


ちょい悪令嬢「失礼いたしました、そうなのです、実はメリーさんも、んですよね?」


メリーさん太「はい、あたしメリーさん、実は『境界線の守護者』なの」


ちょい悪令嬢「──何と、『境界○彼方』の主人公のお母様のお仲間が、こんな近くに⁉」


メリーさん太「だから、いちいちボケるなって言っているだろうが? それに『境界線の守護者』であるのは、別にあたしだけでは無いし」


ちょい悪令嬢「メリーさんの他には、誰がいましたっけ?」


メリーさん太「現行の【魔法少女編】だと、夢魔サキュバスコンビである、ミルク先生と内藤芽亜ちゃんってところか?」


ちょい悪令嬢「【本編】だと、ホワンロン王室の王子様とお姫様の、全員が該当するんでしたっけ」


メリーさん太「あと、聖レーン転生教団の教皇様を初めとする、『おとぎ話三姉妹』か」


ちょい悪令嬢「おっと、『なろうの女神様』のことも、忘れちゃいけませんぜ!」


メリーさん太「それなら他の作品になるものの、『転生法ちゃん』も挙げておこうか」


ちょい悪令嬢「そういえば、わたくしの専従メイドのメイなんかは、どうでしたっけ?」


メリーさん太「あいつは『作者』だろうが?…………まあある意味、『境界線の守護者』みたいなものだがな」


ちょい悪令嬢「とにかく冗談抜きに、『境界○彼方』の登場人物の皆さんに対して、俄然親近感が湧きましたわ♡」


メリーさん太「登場人物の皆さんて…………『境界線の守護者』である、弥○さんだけでは無くて?」


ちょい悪令嬢「それについてはおいおいご説明申し上げるつもりですが、まずは『境界線の守護者』とは何かについて、詳しく申し上げることにいたしましょう!」


メリーさん太「こうして『境界○彼方』においても重要キャラとして登場したからには、別に『境界線の守護者』って、本作独自のものというわけでは無いんだよな?」


ちょい悪令嬢「ええ、有名なのは『東京皇帝北条○歌』の、『安○四姉妹』(=鉄○四姉妹)の皆さんなんかが該当しますね」


メリーさん太「後は『お・り・○・み』シリーズにおける、『円卓』の皆さんでしょうかね?」


ちょい悪令嬢「……あれはちょっと違うような気がしますけど、『世界に対する作用』的には、似たようなものでしょうか」


メリーさん太「世界に対する作用、って?」


ちょい悪令嬢「前回弥○さんに関して、『すべての事情を知っているのなら、あんたがすべてを解決すればいいだろうが⁉』みたいなことを言っていたではないですか? 実は『境界線の守護者』としての立ち位置では、それは不可能なのですよ」


メリーさん太「え、すべての事情を知っているのに、自分の息子である主人公に対しても何もしてやれないって、どうしてだよ?」




ちょい悪令嬢「『境界線の守護者』とは、ある特定の世界の『支配者』とか『保護者』とかでは無く、あくまでも『監視者』であって『観察』のみを行い、原則的に自分が監視している世界には手出しをしないで、その世界のことはその世界の住人にすべて任せていて、たとえ世界が滅びることになろうとも、それが世界の住人たちの意志と行動によるものであるのなら、放っておくのがお約束セオリーなのです」




メリーさん太「え、でも、弥○さんは『本来は手出しはしないんだけど、このままじゃ世界が滅びかねないから、特別に助けてあげる』とか何とか言っていたし、そもそも世界が滅びたんじゃ、彼女自身も居場所が無くなって困るんじゃないのか?」


ちょい悪令嬢「……あのですねえ、本作において何度も何度も申しておりますように、『中国神話等に登場する、ある世界を夢見ながら眠っている神様は、当然のごとく、その世界の「外側」に存在している』のであり、同じように、『ある世界を観察している者は、その世界の「境界線」の外側に存在している』のであって、その世界が滅びようが夢として消え去ろうが、直接影響を受けないのですよ」


メリーさん太「ああ、つまり本作で言えば、『外なる神アウター・ライター』のようなものか。同じ『作者』でもメイちゃんみたいな『内なる神インナー・ライター』では無く、『外』のほうだったのか。…………なるほど、神様や作者同然の力を有している者が、自分の『創作物』そのままである『世界』に直接介入したりしたら、『反則』以外の何物でも無いから、基本的にその世界の『登場人物』たちに任せるというのは、むしろ当然のことだよな」


ちょい悪令嬢「ただし、『例外』がありますけどね」


メリーさん太「……その例外が、弥○さんが言っていた、『世界滅亡の危機』か? 結局自分の世界が危なくなったら、神様として手助けするんじゃないか」


ちょい悪令嬢「だからその際にんですよ、いわゆる『境界線』を越えて、他の世界の勢力が危害を加えようとした時や、それとは逆にむしろ世界の中の人物が、境界線を越えて他の世界に影響を及ぼそうとする際には、あくまでも世界の安定を守るために、直接介入が可能になるのです」


メリーさん太「そうか、文字通りに『境界線』の『守護者』なわけなんだ」


ちょい悪令嬢「『境界○彼方』においても、テレビ版の時点から、弥○さんがストーリーに介入してくるのは、実は『外界からの侵入者』である妖○たちによって、世界そのものが危機に瀕してしまうケースに限られていましたからね」


メリーさん太「……そういえばそうだったな。『世界の危機=主人公のピンチ』だったから、てっきり自分の息子のために助言アドバイスを与えにきたものと思っていたよ」


ちょい悪令嬢「それに何と言っても、弥○さんが『境界線の守護者』だったら、前回までに挙げた各登場人物に関する疑問が、すべて解消するんですよ!」


メリーさん太「え、『境界○彼方』における謎が、すべて解決するだと?」


ちょい悪令嬢「先程も申しましたように、その世界のことは極力その世界の住人に任せることをモットーにしているゆえに、『境界線の守護者』の任務に関しても、極力他の登場人物に割り振っていて、実はそれこそが、各キャラの特殊な立ち位置や異能の力のベースとなったりしているのです」


メリーさん太「つ、つまり、彼女自身が世界全体の、『キャラメイキング』をやっているようなものなのか⁉ それって言わば『神様』や『作者』だけでは無く、ゲームにおける『プレイヤー』や『GM』のようなものでもあるわけか!」




ちょい悪令嬢「まず、他の世界との出入り口を、『自分の息子』である主人公の肉体の中に封印し、できるだけ影響が及ばないようにするとともに、万が一その莫大な力が暴走して『世界の扉』が開いた時には、主人公そのものである『境界○彼方』を討伐できるように、その役割のみに特化した力をヒロインの一族に前もって与えておいて、その他の比較的軽微な(妖○の)影響については、名○家を始めとする異○士たちに『妖○退治の力』を与えることによって、日々解決させているって次第なのですよ」




メリーさん太「何と、妖○退治のための力さえも与えているとなると、あの『退魔モノ』である作品世界そのものを創り出したと言っても、過言では無いじゃないか?」


ちょい悪令嬢「まさに息子である主人公すらも、母親では無く『神様』という立場で、『つくった』とも言えますしね」


メリーさん太「実はヒロインの一族にとっても、『創造主』的立場にいるからこそ、完全に消滅したと思われた未○ちゃんを、TV版の最終話において『再生』することが可能だったわけか」


ちょい悪令嬢「ねえ、前回の謎は、全部解明されてしまったでしょう?」




メリーさん太「うん、ホンマすごいよ、前作の【過去編】まではむちゃくちゃ謎ばかりだったのに、最後の【未来編】で綺麗さっぱり解決してみせるなんて!」




ちょい悪令嬢「何十年もかけてやっと『新劇場版』シリーズでケリをつけた、某アニメ作品にも見習っていただきたいところですわね☆」


メリーさん太「……おいおい、すでに終わってしまった作品なんて、もうどうでもいいだろう。見習うとしたら、『これからの』作品のほうでしょ」


ちょい悪令嬢「例えば、『ま○マギ』シリーズとか?」


メリーさん太「あ、そういえば、『マギ○コ』第二期って、どうやら原作ゲーム版とは異なる、『アニメオリジナル展開』でいくようだぞ?」


ちょい悪令嬢「えっ、本当ですか⁉」




メリーさん太「第一期ラストで行方不明になった主人公のい○はちゃんは、当分出番が無さそうだし、その代わりに小さなキュ○べえとコンビを組んだ黒○さんが、や○よさんに協力を申し出るし、当のや○よさんもガチギレして大暴れするし、そんな愛するや○よさんと上司のおガ○様との板挟みになって、第一期以上に心労が重なっていくばかりの(実は浪人生の)み○ゆさんだし──てな感じで、第二期直前の特番で明かされた情報だけでも、独自路線まっしぐらといった有り様なんだよ」




ちょい悪令嬢「うおっ、それは今から、大いに楽しみですなあ⁉」




メリーさん太「まあでも、『謎』ばっかり振りまいておいて、まったく回収できなかったりしたら、本末転倒の極みだしな。やはりそこのところは『境界○彼方』を見習って、誰もが納得する大団円となることを、切にお願いしたいところだよ」




ちょい悪令嬢「いわゆる、『予想は裏切るが期待は裏切らない』ってやつですね。そういう意味からも、『境界○彼方』の綺麗にまとまったラストは、近年希に見る良作でしたわね♡」













ちょい悪令嬢「……ところで、肝心の本作における『境界線の守護者』──つまりは、メリーさんたちは、一体どういった役割を担っておられるのです?」




メリーさん太「何言っているんだよ、あんたの『守護』に決まっているだろうが?」




ちょい悪令嬢「わ、わたくしい⁉」




メリーさん太「さっきも話に出ていたけど、この世界を夢見ている神様がもしも目覚めてしまったんじゃ、世界そのものが消滅しかねないじゃん? 『境界線の守護者』としては、それだけは絶対に阻止しなければならないんだよ」




ちょい悪令嬢「あ、そういえばわたくしって、『の巫女姫』──つまりは、すべての世界を夢として眠り続けている神様である、『ホワンロン』の巫女姫でしたっけ?」




メリーさん太「──自分自身の最も重要なキャラ設定を、忘れるんじゃないよ⁉」




ちょい悪令嬢「いや、ちょっと待ってください。そうするとわたくしって、『境界○彼方』で言えば、主人公の神原秋○君の立ち位置になるんですの?」


メリーさん太「……まあ、そうだな。ある意味『ホワンロン』(の魂)を体内に宿しているようなものだからな」


ちょい悪令嬢「それでは、『境界線の守護者』である弥○さんは、メリーさんになるわけ?」




メリーさん太「いや、むしろあの『コスプレお母さん』に該当するのは、『巨乳夢魔サキュバス』のミルク先生か、『シン・オウジサマ』こと第一王女殿下じゃないのか?」




ちょい悪令嬢「──うん、それは心から同意ですわwww」

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