第763話、わたくし、『LGBT』が『表現の自由』を損なうくらいなら、概念レベルで全否定いたしますの⁉(前編)

ちょい悪令嬢「……あ〜あ、やってくれちゃいましたよ、ホント」




メリーさん太「ど、どうした、のっけからいつに無く、深刻な顔をして?」


ちょい悪令嬢「こちらが予想していた『最悪の事態』が、予想以上早く到来してしまったんですよ」


メリーさん太「さ、最悪の事態、だって?」




ちょい悪令嬢「──ハンガリーですよ、ハンガリー。あそこって今、『反LGBT法』を成立させたことで、EUにおいて総スカンを食らっているでしょう?」




メリーさん太「え? またしても『ジェンダー系』の話題なの?」




ちょい悪令嬢「とはいえ、ポーランドやスロベニアを始めとして、ハンガリーを擁護する国家もあるし、アメリカにおいても『女子学生スポーツ界限定』とはいえ、『反LGBT』的な州法を策定したフロリダ州等に対して、カルフォルニア州が対立姿勢を見せたりして、欧米ともに由々しき事態になっているのです!」


メリーさん太「まあ、確かに大変そうだな。──でも、世界が『LGBT保護』一色に染まりきるよりも、こうして反発する勢力が現れ始めたのは、常日頃から日本国における一方的な『LGBT勢力の拡張路線』に異議を表明していた、本作の作者にとっては『望むべき状況』とも言えるんじゃないのか?」




ちょい悪令嬢「──とんでもございません! これはむしろ、本作の作者にとっては、最も恐れていた事態なのですわ!」




メリーさん太「……最も恐れていた事態、だと?」




ちょい悪令嬢「最近の本作をお読みの皆様ならば、『LGBTの無分別極まる拡張路線』に(部分的な)反意を表明したハンガリーのオルバ○ン首相に対して、本作の作者が全面的に賛意を表すものと思われていたかも知れませんが、それは大きな大間違いと言うものなのです! ようく考えてみてください、首相殿の大義名分は、『未来ある子供たちを、LGBTの過度の影響から守ること』なのですよ⁉ これって下手すれば、子供を対象とした分野ジャンルを始めとして、『LGBTを扱った創作物』に対する『表現規制』が断行される可能性おそれも、十分考えられるでしょうが⁉」




メリーさん太「──ッ。そ、それって⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、本作の作者が最も忌み嫌っております、『表現の自由への弾圧』でございます!」




メリーさん太「なっ⁉ ある意味本作の作者と方向性を同じくしているはずの、『LGBT反対派』の国家的勢力が、むしろ『表現の自由への弾圧者』と言う、『最大の敵』にもなり得ると言うわけか⁉」




ちょい悪令嬢「……以前から申していたではありませんか、そもそも『百合作家』である本作の作者が、『LGBT保護』に対して反目している理由としては、『エセ人道主義者』どもが余計なカミングアウトをして政治工作活動をすることによって、『創作物内に描かれた性的マイノリティ』に偏見に染まった注目が集まって、結局は『表現の自由の制限』に繋がりかねないからだと」




メリーさん太「……そりゃあ、子供たちを『LGBTの悪影響』から保護しようと思えば、まず最初に『LGBT系の創作物』を規制しようとするのは、為政者としての定石だよな」




ちょい悪令嬢「──ケッ、ちょっとまずいことがあると、すぐに創作物のせいにしやがって、能無し政治家どもが! 自分たちの力不足を、創作物におっかぶせるんじゃねえよ⁉」


メリーさん太「な、なるほど、本作の作者が現在の『LGBT保護の拡張路線』に対して危惧を抱いていたのは、こういった『揺り戻し』によって、むしろ『LGBT系の創作物』に目をつけられるのを恐れていたからなのか」




ちょい悪令嬢「当たり前です! 元々本作の作者は、『性的マイノリティ』を始めとするすべての『弱者』の味方であって、彼らに対する『弾圧者』はもちろん、『味方』のフリをして政治的に利用しようとしている、『エセ人道主義者』どもが許せないだけなのですわ!」




メリーさん太「だとしたら、この流れって非常にまずいんじゃないのか? いっそ『LGBT』保護派に、鞍替えしたほうがいいのでは?」




ちょい悪令嬢「アホか、現在の『エセ人道主義者』だって、同じようなものですよ。──あいつらはあいつらで、『LGBT(の皮を被った工作員)』どもを、何の制約も無く好き放題に活動させるために、『LGBT』を少しでも題材とした創作物をすべて『差別的作品』として、弾圧し始めるに決まってますよ」




メリーさん太「言われてみれば⁉ これじゃ文字通り、『八方塞がり』じゃねえか!」




ちょい悪令嬢「……これはそろそろ本作としても、『旗色』をはっきりとさせるべきかも知れませんね」


メリーさん太「旗色、だと?」




ちょい悪令嬢「ええ、同じ『ジェンダー勢力』でありながら、お互いに矛盾した存在であるゆえに致命的な対立関係にある、『フェミニスト』と『LGBT』とのどちらにつくかを、そろそろ決めようというわけですよ」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「まあ、この二つなら、考えるまでも無く決まっていますけどね」


メリーさん太「……ほう、根っからの『いんちきジェンダー嫌い』の作者が、あえて自分から味方する『派閥』とは、一体どっちなんだよ?」




ちょい悪令嬢「もちろん、『フェミニスト』──すなわち、心身共に女性の皆様の一層のご活躍を、全力で応援する所存ですわ♫」




メリーさん太「……あー、第759話と第760話の内容的に、そうじゃないかと思ったよ」


ちょい悪令嬢「その際にも申しましたが、女性の皆様が今以上に地位が向上して、より一層頑張ってくださればくださるほど、日本国全体にとっても、利益の向上に繋がりますからね」


メリーさん太「本作得意の『王様の視点』か。支配者にとっては、『下々の者が低レベルで争い合う』よりも、一人一人の民が能力の向上を図り、全員が力を合わせて国家の発展に貢献するように、生かさず殺さず滅私奉公させたほうが、当然のごとくメリットが有るから、『差別撤廃』や『国民皆平等』や『教育の充実』等は、当然の施策でしかなかったりしてな☆」


ちょい悪令嬢「まあ、『支配者の視点』とかは別にしても、本来は女とか男とか抜きに、精一杯努力して夢を叶えていけてこそ、真の自由主義かつ民主主義国家と言えるんですけどね」


メリーさん太「と言うと?」




ちょい悪令嬢「そもそも『女』とか『男』とか、関係無いんですよ。『自分は女だから差別されている』と言っているうちは、その人の中では『差別は無くならない』のです。あなたは女とか男とかである前に、『あなた』なのであって、とにかく『あなた』として精一杯努力していって、『あなたにとっての夢』を実現していけばいいのであって、そこには女とか男とかは無いし、『差別』すらも無いのです。あなたが『差別』だと思っているのは、あなたの夢の実現を邪魔している『何らかの障害』なのであり、それはあなたの努力によって乗り越えることが十分可能なのです! 自分が努力を怠っているのを、『差別』のせいなんかにしては駄目です!」




メリーさん太「……ああ、本作ならではの、『差別否定カベ論』か。でもしかし、『女であることや男であること』すら否定するということは、もしかして『LGBT』も──」




ちょい悪令嬢「もちろん、『自分のことをLGBTとか、甘えたことを言うな! おまえはあくまでも、「おまえ」だろうが! ちゃんと自分自身で努力して、自分の夢を叶えろ、ボケ!』ですわ☆」




メリーさん太「──『LGBT全否定』じゃないか⁉」




ちょい悪令嬢「本当に自分の人生を精一杯生きていたら、周囲に対して『LGBTだとカミングアウトしている暇なんて無い』はずなんですよ! そんな暇があったら、日々の『人生の戦い』に全力を尽くすのみですわ! ──ていうか、カミングアウトして、何かいいことがありますっけ? むしろ不利益しか無いではございませんか? よほど『政治的理由』が無ければ、カミングアウトなんかしませんよねえ? …………はあ? 『差別されているからこそ、自らカミングアウトして、戦わなければならないのだ!』ですって? 逆だろてめえ! てめえらが自分の『変態性癖』を黙っていたら、誰も差別なんかしないんだよ! そもそも自分の『変態性癖』を周囲に言いふらすなんて、むしろそれこそが『セクハラの加害行為』だろうが⁉ それにこの世に『差別なんて無い』んだよ! おまえの人生がうまく行かないのは、おまえが努力を怠っているだけだ! 『LGBT』であることや、他人のせいにするな! おまえらはむしろ、自分たちが『特別扱い』されることを、厚顔無恥にも要求しているだけだろうが⁉」







(※ついに『LGBT』を概念レベルで全否定する、驚愕の後編に続きます♡)

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