第662話、わたくし、『九条の壁』を突破して進撃ですの⁉(後編)

メリーさん太「……いきなり『九条の結界カベ』をぶち壊して、東エイジア大陸を大軍で蹂躙した駆逐艦デストロイヤー・ガールたちが、九条列島の魔女や魔法少女じゃ無いどころか、『大日本帝国の軍人』だと?」




ちょい悪令嬢「剣と魔法のファンタジー異世界において、あえて『清霜』とか『神風』とか言ったふうに、かつての大日本帝国海軍ゆかりの軍艦名を名乗らせておいて、どうして大日本帝国と無関係だと思っていたのですか?」




メリーさん太「い、いや、それは単に、『艦○れ』のパロディか何かと、思いまして」


ちょい悪令嬢「失礼ですわね、この新作案はパロディでもパクリでも無く、あくまでもオリジナルだと申しているでしょうが?」


メリーさん太「あ、ごめん──」


ちょい悪令嬢「それに前回からずっと、今回の新作案のテーマは、『艦○れ』なんかでは無く、『進○の巨人の異世界転生ヴァージョン』だと、再三お伝えしているでは無いですか?」


メリーさん太「おいっ⁉」


ちょい悪令嬢「──と言うか、すでに『進○の巨人』の、いますけどね♫」


メリーさん太「は?」




ちょい悪令嬢「『進○』の作中において、巨人を戦争に使う場合ケースで一番怖いのは、すでに巨人化能力を与えられている多数の人間を敵国の首都等に潜入させておいて、指揮官の号令によって一斉に巨人化させて敵国人を喰らい尽くさせて、都市そのものも瓦礫の山にしてしまうと言う、いわゆる同時多発自爆テロそのままの卑劣極まるやり口なので、いくら巨人の侵入を防ぐために高い壁を張り巡らせたところで何の意味も無く、この作戦を防御する手段は皆無といっても過言では無いでしょう。それに対して本作の作者の新作における魔女たちは、むしろ自分たちのほうこそが『九条の盟約』という見えない壁に閉じ込められていて、敵国に攻め込むことができず、もちろんあらかじめ敵国に多数の魔女や魔法少女を潜伏させておいての一斉武装蜂起なぞ、まったく不可能といった体たらくなのですよ」




メリーさん太「──何だよ魔女って、巨人と比べていいとこ無しだな⁉」


ちょい悪令嬢「魔女ならね。──でもそれが、同時多発自爆テロがお得意の『無垢○巨人』どころか、知性を有する『九つ○巨人』に対しても、勝るとも劣らない存在であったなら、どうでしょうね?」


メリーさん太「『九つ○巨人』にも劣らない存在、って」


ちょい悪令嬢「『異世界転生者』ですよ。言ったでしょ? 今回の『ネット小説大賞』用の新作案の基本的作成方針は、『進○の巨人の異世界転生ヴァージョン』だって。よその世界からの転生者であれば、たとえ『九条列島の魔女』サイドの戦力であろうとも、『壁○巨人たちによる地な○し』や『無垢○巨人たちによる一斉武装蜂起テロ』以上の破壊力を発揮することができるのです」


メリーさん太「はあ、何でだよ? そもそも九条列島から外に出ることのできない魔女が、別の世界からの転生者であったとしても、『地な○し』や『無垢テロ』なんかできっこないだろうが⁉」




ちょい悪令嬢「別に魔女軍所属の転生者兵士だからって、その種族自体が魔女である必要は無いじゃありませんか? せっかく、全大陸における『魔女教』──すなわち、迫害を受けている少数民族の救済を謳った『大東亜共栄圏』思想に心から賛同し、九条列島へと移住や亡命をしてきた大勢の他種族の人々がいるんだから、そっちを転生先に選んだほうが、『九条の盟約』に拘束されること無く、東エイジアの大陸部だろうが半島南部だろうが、侵攻し放題ってわけなのですわ」




メリーさん太「──‼」


ちょい悪令嬢「どうです? この反則技的なやり口だと、『無垢○巨人』はもちろん、下手すると知性の有る『九つ○巨人』以上に、使いでが有るとは思いません?」




メリーさん太「……そうか、『集合的無意識との最上級のアクセス権』を有する高位の魔女たちなら、他者を強制的に集合的無意識とアクセスさせることが可能なので、魔女や魔法少女以外の種族の者に大日本帝国軍人を憑依テンセイさせて、自分たちの『同志』に仕立て上げた後に、駆逐艦デストロイヤー・ガール変化メタモルフォーゼさせるのを始めとして、やり合い放題できるってわけか。……確かにこのやり方だと、『九条の盟約』に囚われること無く、大勢の駆逐艦デストロイヤー・ガールを島外に出兵させられるし、正体を隠して敵国に潜入させておいて、一斉に駆逐艦デストロイヤー・ガール変化メタモルフォーゼさせられるしで、『進○』同様に『地な○し』でも『無垢テロ』でも思いのままだよな」




ちょい悪令嬢「……ふふふ、実はそれだけでは無いのです」


メリーさん太「えっ、まだ何かあるのかよ⁉」




ちょい悪令嬢「何とやろうと思えば、それまでずっと敵国の主要都市等に在住していて、九条列島に一度も足を踏み入れたことが無く、皇国の兵士としての思想教育や戦闘訓練を受けていなくても、様々な種族の者を大陸内において、一斉に武装蜂起させることだってできるのですよ」




メリーさん太「は?………………………って、いやいや、どうやって⁉」




ちょい悪令嬢「やり方はいろいろと、ございますけど?」


メリーさん太「いろいろ、って……」




ちょい悪令嬢「たとえば、東エイジア大陸最大の強国『中つ国』において、奴隷扱いされ虐げられている少数種族のうち、オークやオーガやミノタウロス等の戦闘能力の高い方々を選んで、皇国の魔女ならではのチート能力で強制的に集合的無意識にアクセスさせて、これまでの記憶を抜き取り、ただ単に凶暴性だけを宿した『無垢のモンスター』に先祖返りさせて、周囲の人々を無差別に襲わせてやるとか?」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「ただしこれだと、まさしく『無垢○巨人』そのままに、魔女たちブロッケン皇国軍のコントロールは不可能となりますので、もう少し手の込んだやり方として、あらかじめ大陸全土に、全種族の共存を目指した『大東亜共栄圏』の建設こそを至上の命題とする、『魔女教』を大々的に布教しておいて、その熱心なる信者である、皇国の協力者──否、『同志』に対しては、あらかじめ作戦の詳細を伝えておいて、決められた日時において強制的に集合的無意識とアクセスさせて駆逐艦デストロイヤー・ガール変化メタモルフォーゼした後も、ちゃんと自意識を保ち続けることを可能として、中つ国や半島の支配層を始めとする『敵』の虐殺と、各主要都市の徹底的なる破壊をやらせるといったやり方も考えられますの」




メリーさん太「自意識を持って暴れるモンスターって、文字通りに『無敵』だろうが? ある意味『進○』における知性を有する巨人を、『九つ』どころか無限に増殖できるようなものじゃないか⁉」


ちょい悪令嬢「あら、『転生者による乗っ取り』や『魔女教』の恐ろしさは、その程度のものじゃ無くってよ?」


メリーさん太「え?」




ちょい悪令嬢「大陸や半島に九条列島の『同志』を増やしていくのに、別に凶暴なモンスターや虐げられている少数種族だけを対象にする必要は無いでしょう? ──例えば、中つ国の支配層である軍の高級将校を始めとして、全軍の兵士を対象にして、無差別に『大日本帝国軍人』を転生させた後で、魔女教を信心させることによって『同志』に仕立て上げて、一斉武装蜂起の際には『反乱軍』として、大いに活躍していただくといった寸法ですよ☆」




メリーさん太「……つまりは、まずモンスターたちを『無敵の人』状態にして無差別に暴れさせて、都市部の密集状態の人々を大混乱に陥れておいて、すでに洗脳済みの多数の少数種族の者たちを駆逐艦デストロイヤー・ガール変化メタモルフォーゼさせて、もはや戦争同然の大量破壊行動に及ばせて、しかも何とそれを鎮圧しに出動してきた軍隊の中にも、叛乱分子を仕込んでおいて、文字通りの内戦状態にして、国家の機能を完全にストップさせてしまうと言うわけか? 何という狡猾なる策謀なんだ。ほんと本作の作者って、無茶苦茶性格が悪いよな────って、ちょっと待てよ⁉」




ちょい悪令嬢「おやおや、やっと気づかれましたか?」




メリーさん太「……これってまさしく、本作の作者の、『本当は怖い異世界転生⁉【病院編】』、そのものじゃないのか?」




ちょい悪令嬢「言ったでしょ? 『進○の巨人』なんかよりも、すでに『先に行っている』って」




メリーさん太「──うぐっ」




ちょい悪令嬢「『進○』においては、最低限でも『エルデ○ア人』で無ければ、巨人化することはできません。よって敵国に潜入する際に巧妙に擬装しようとも、作中であったように『血液検査』をされてしまえば、エルデ○ア人であることがバレてしまいます。これに対して今回の新作案の恐ろしさは、『誰もが皇国の同志となれる』ことです。種族の別を問わないのはもちろん、『進○』で言えば、純血のマ○レ人でガチガチの『エルデ○ア人差別主義者』であろうとも、魔女の力で強制的に集合的無意識とアクセスさせて、大日本帝国軍人の転生者にすれば、一瞬にしてマ○レに対する『反逆者』の出来上がりというわけですよ」




メリーさん太「……『異世界転生』の概念を持ち込んでくるだけで、『進○の巨人』における『巨人の戦争への応用パターン』を、よりフレキシブルかつパワフルにすることができると言うことか?」


ちょい悪令嬢「皆さん『なろう系』と言うだけで、何かと馬鹿にしておられますが、ちゃんと『なろう系』の本質を捉えていて、最大限に活用できるアイディアと技術とを有していれば、いくらでも革新的な傑作を作成できるんですけどねえ♫」




メリーさん太「だからあんたは、そんなふうに全方面に向けて煽ることで、無用な敵を作るなっていうんだよ⁉ ……それで、今回の新作が『けして進○の巨人の二次創作なんかでは無い』と言い張るからには、こんな表層的な話以外にも、ちゃんとした『作成方針テーマ』があるんだよな?」


ちょい悪令嬢「もちろんそれこそは、欧米諸国と密接に連携しての、特亜諸国の殲滅ですよ!」


メリーさん太「──はあ⁉」




ちょい悪令嬢「すでに前回述べたではないですか? 『進○の巨人』において、『島の悪魔』であるエルデ○ア人に対する周辺諸国の『恐怖心』を払拭することは、絶対不可能であり、結局お互いに『滅ぼすか滅ぼされるか』しか無く、それはまさに、日本国に対する周辺の特亜諸国の連中も同様で、それがシモ半島国の『LIN○謀略』や中つ国の『サンカク諸島侵犯』等の挑発行為に、如実に顕れているわけですよ」




メリーさん太「た、確かに……」




ちょい悪令嬢「特に今回の『LIN○謀略』の発覚によって、特亜諸国の日本の社会システムの破壊工作が、けして陰謀論なんかでは無いことが証明されてしまい、もはやこれ以上看過するわけにはいかず、国内の保守革新を問わない親特亜勢力の『大粛正』をじっくりと計画していくとともに、『日米豪印戦略対話クアッド』等を通して志を同じくする友好国と手を携えて、特亜諸国に対して『実力行使』の鉄槌を下すべきなのです!」




メリーさん太「う〜ん、気持ちはわからないでも無いけど、そのようにあからさまに、特亜を実力で叩き潰すことをテーマにした作品を作成したりして、本当に大丈夫なのか?」


ちょい悪令嬢「……あのですねえ、『LIN○問題』によって明るみになったように、現在『情報戦』において、圧倒的に不利に立場にあるのですから、もはや実力行使によって、特亜諸国そのものを実力で『地な○し』する以外、この危機的状況を打開する方策は無いのですよ⁉ ──それに、心配はご無用です。先の大戦時とは違って今回は、欧米列強諸国は日本の味方ですから」




メリーさん太「『地な○し』って、本当に物理的に壊滅させる気か⁉ いやいや、駄目だろう、そんな作品を広く世界に公開したりしたら!」




ちょい悪令嬢「大丈夫ですって、あくまでもこれは『フィクション』なのですから、本気で文句を言ってくるほうが、馬鹿を見るだけですよ♡」










メリーさん太「……ほんと、『魔法の言葉』だな?




『この作品はあくまでもフィクションであり、実在の国家等とは一切関係ありません』




 ──てのは」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る