第560話、わたくし、『ハ○ヒ』のSF考証を否定から入るのやめましたの♡(その2)

ちょい悪令嬢「──はい、現在朝の午前4時ですが、ついに始まりました、『ア○マTV』様プレゼンツ、『マギア○コード』全話一挙無料配信! 読者の皆様、見ておられますか?」




メリーさん太「……いや、確かに、この作品の作成を開始したのは朝の4時だけど、ネット上に公開した時点で、全13話の連続生配信は、とっくに終わってしまっているんじゃないのか?」




ちょい悪令嬢「その点は大丈夫です! 『ア○マTV』様の一挙生配信は、終了した後も一週間にわたって、全話無料配信を続けてくださるので、好きな話数エピソードを好きな時に視聴できますよ♡」


メリーさん太「ほう、それはなかなか、親切設定ですな」




ちょい悪令嬢「──と言うことで、全国の『マギ○コ』未見の方にとっては、全13話を一度にご視聴なされる絶好のチャンスですので、是非ともこの機会をお見逃しなく!」




メリーさん太「……はいはい、毎度お馴染みの宣伝ステマはその辺にして、ちゃっちゃと本題に入りましょうね?」


ちょい悪令嬢「ええ! 何せ今回は、『涼宮ハ○ヒの憂鬱』についてのSF考証における、『真打ち』と言っても過言では無いトピックスですからね!」


メリーさん太「──タイムトラベルの、実現手段か」


ちょい悪令嬢「この現実世界に『質量保存の法則』が有る限り、物理学的には絶対に実現不可能なんですけどね」


メリーさん太「本作においても、これまでは『全否定』のスタンスだったのに、どうしていきなり認めることになったんだ?」


ちょい悪令嬢「『ハ○ヒのSF考証』的には、前回も取り上げた『笹の葉ラプ○ディ』に関しての話なんですが、実はあれを最初に読んだ時に、えも言われない『違和感』を覚えてしまったのですよ」


メリーさん太「……あー、確かにあれって、タイムトラベル作品モノとしても非常にトリッキーだから、本作の作者も大いに頭を悩ませていたよな」


ちょい悪令嬢「ファーストインプレッションとしては、『これはタイムトラベルとして、つじつまが合っていないんじゃないのか?』、『どこかに矛盾があるはずだ』、だったくらいですからね」


メリーさん太「ほう、自称『論理派』であるあいつが、『直感』を優先するとは、珍しいな」


ちょい悪令嬢「そうなんですよ、『直感』では違和感を覚えるのに、『論理』的にいくら検証してみても、欠陥は何も見つからなかったんですよねえ」


メリーさん太「じゃあ、その『違和感』とやらの正体は、わからないままなの?」


ちょい悪令嬢「あ、それは最初から、わかっております」


メリーさん太「──わかっているのかよ⁉」




ちょい悪令嬢「ほら、原作においても言及されているように、同じ世界線上に、同一人物が、同時に二人もいることですよ」




メリーさん太「た、確かに、何か気持ち悪いよな、当のキ○ン君はもちろん、作品を読んでいる読者的にも!」


ちょい悪令嬢「そのためか、何だか時間SFとしてもしっくりこなくて、『このタイムトラベルって、どこか矛盾しているんじゃないのか?』と思ったのですが、元の七夕の日になれば、元々この世界線にいたキ○ン君のほうが三年前に旅立つことで、結果的に『キ○ン君が一人だけになる』から、一応つじつまは合うんですよ」


メリーさん太「だったら、いいじゃん?」


ちょい悪令嬢「──ていうか、違ったのですよ」


メリーさん太「違ったって、何が?」


ちょい悪令嬢「違和感の、正体」


メリーさん太「は?」




ちょい悪令嬢「本当のところは、三年前にタイムトラベルしてから以降において、主人公が、『その世界線の本来のキ○ン君』ことだったのです!」




メリーさん太「……え、それって、どう違うわけ?」


ちょい悪令嬢「一つの世界線において、キ○ン君が一人増えたけど、後から一人減ったので、一見つじつまが合ったみたいだけど、それでも『どこかおかしい』と思えた『違和感』の正体は、残ったキ○ン君はあくまでも、その世界線の存在からなのですよ」


メリーさん太「別にいいんじゃないの? どっちみち、同一人物なんだから」


ちょい悪令嬢「人物のほうはそうでも、肝心の『世界』のほうは、どうでしょうね?」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「本作の作者のあらゆる作品において、何度も何度も申しておりますように、物理学の根本原理である量子論に基づけば、世界と言うものには無限の可能性がありますので、いったんタイムトラベルして過去に戻った場合、それからの未来はけして決まっておらず、例えば元の『三年後の七夕の日』にまで時間が進んだところで、キ○ン君が原作通りに過去にタイムトラベルすることを了承するとは、のですよ」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「そりゃあ、キ○ン君があくまでも『小説の登場人物』であり、原作者様の一存ですべての運命が決定されている、ただの『駒』でしか無いと言うのなら、話は別ですが、少なくとも作品内においては、ちゃんと自由意志を持った『生きた人間』であるつもりで描写されているのなら、けして『七夕の日に三年後にタイムトラベルする』とは、決まっていないのです」




メリーさん太「──いかにもメタそのものの見解とは言え、確かに否定できねえ⁉」




ちょい悪令嬢「つまりこの、『世界線が変われば、当然そこにいる人物の行動も変わるのでは無いのか?』こそが、本作の作者が抱いた『違和感』の正体だったのですよ」


メリーさん太「……だったら、『笹の葉ラプ○ディ』は、時間SF的に『間違い』ってことになるのか? そうなると、今回の最大のテーマである、『もうこれ以上ハ○ヒを否定するのはやめましょう☆』は、大嘘だったわけか?」




ちょい悪令嬢「──いえいえ、そんなことはありませんよ! 本作の作者が最近編み出したばかりの、『精神型と物理型のミックス方式のタイムトラベル』であれば、すべて明快に解決できるのです!」




メリーさん太「精神型と物理型のミックス方式、って?」


ちょい悪令嬢「簡単に申せば、三年前の七夕には、『ニセモノ』のキ○ン君をタイムトラベルさせておいて、すべての役目を演じさせた後で消滅させれば、当然のごとく元の世界のキ○ン君は安泰のままだし、三年前の世界に元からいたキ○ン君のほうも、それから三年後の七夕の日に、タイムトラベルすることを拒否しようがどうしようが、別に構わなくなるわけなのですよ」




メリーさん太「に、ニセモノのキ○ン君だと? しかもそれを消してしまうって……」


ちょい悪令嬢「ニセモノでは無く、『つくりもの』と言い換えてもいいですけど?」


メリーさん太「はあ⁉」


ちょい悪令嬢「そもそもですねえ、この『笹の葉ラプ○ディ』においても、本作の作者が長年主張している、『精神型タイムトラベル』方式だったら、何も問題は無かったのですよ」


メリーさん太「それってつまり、公式二次創作の『うちの病室にはハルヒがいっぱい♡』において、馬鹿の一つ覚えみたいに行っているやつか」




ちょい悪令嬢「馬鹿の一つ覚えって…………まあ、そうです、そもそも『質量保存の法則』に則れば、過去や未来の世界にいきなり現れるなんてことは、絶対に不可能なのです。特に『ハ○ヒ』シリーズにおいては、わざわざ未来人の朝○奈さんを、大人と子供の二人も登場させるくらいだったら、いっそ『一人二役』にしておけば良かったのですよ。──すなわち、正真正銘『現代人』である朝○奈さん(小)が、時たま文字通りに『何かに取り憑かれた』ようにして、中身だけ『自称未来人』である朝○奈さん(大)になるとかね☆」




メリーさん太「うわっ、確かに正しく現実的かも知れないけど、いろいろと問題が有り過ぎるんじゃ無いのか、それって⁉ これじゃ朝○奈さんって、単なる『妄想癖』じゃん!」




ちょい悪令嬢「いえいえ、この座談会シリーズにおいても何度も申しているように、朝○奈さん(小)は集合的無意識とアクセスすることによって、量子論に則れば『可能性的に存在することを完全には否定できない』未来人の『記憶や知識』を脳内にインストールされて、ある意味本物の未来人である朝○奈さん(大)として言動するようになるわけで、単なる妄想なんかでは無く、ちゃんとアカデミックに理論武装しておりますのですわw」




メリーさん太「理論武装と言うよりは、『屁理屈』や『こじつけ』の類いだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「けれども、朝○奈さんに宿った精神が、単なる妄想なのか、本物の未来人のものなのかは、他人には判断しようが無いではありませんの?」


メリーさん太「──うっ。そ、それは……」


ちょい悪令嬢「まさにこれぞ、『精神型タイムトラベル』の強みの一つなのです。何せ本人すらも完全に、自分のことを未来人であると信じ込んでいるのですからねえ」


メリーさん太「……それってむしろ、『中二病的妄想』そのものじゃ無いのか?」


ちょい悪令嬢「でも、現実的にタイムトラベルを実行しようとする場合、この『精神型』以外にあり得ないのでは?」


メリーさん太「だったら『笹の葉ラプ○ディ』においても、全員その時代の肉体に、三年前の精神だけが憑依するって形になるのか? みんな中学生以上だから、それ程支障が無いだろうけど、キ○ン君まで中学生に戻ってしまったら、ハ○ヒ嬢が将来『北高に入学する』理由が無くなってしまうぞ?」


ちょい悪令嬢「しかも、自分がまだ生まれていない過去とか、遠い未来へのタイムトラベルの場合は、別人に憑依するか、下手するとタイムトラベル自体が不可能になりかねませんからね」


メリーさん太「──駄目じゃん⁉」




ちょい悪令嬢「だからそのための、『精神型と物理型のミックス方式』なのですよ!」




メリーさん太「タイムトラベルにおいて、精神型と物理型をミックスするって、一体どうやって?」


ちょい悪令嬢「作者の別作品の『軍艦擬人化少女を異世界転移させる』作品において、すでに実際に行ったやつですよ」


メリーさん太「──ああ、あれか⁉」




ちょい悪令嬢「『集合的無意識とののアクセス権』を有する長○さんとかに頼んで、三年前の時点で(廃材等の)適当な物体を、『すでに高校生になっているキ○ン君』に形態変化してもらっておいて、その脳みそにやはり集合的無意識を介して、『三年後のキ○ン君の記憶と知識』をインストールすれば、あ〜ら不思議、物理法則的に絶対不可能なはずの、『肉体丸ごとのタイムトラベル』の実現ってわけですよ♫」




メリーさん太「……なるほど、『つくりもの』なんだから、用が済めば廃棄すればいいし、そもそも『ニセモノ』なんだから、同じ世界線に同一人物が二人いることによる『矛盾』が発生することも無いしで、物理法則をしっかりと守りながら、『笹の葉ラプ○ディ』を完全に再現できるってわけだ」




ちょい悪令嬢「本来は、『異世界転移』のための、手法システムなんですけどね」


メリーさん太「異世界転移のため、って……」




ちょい悪令嬢「具体的に申しますと、異世界側において、女神様や錬金術師等によって、チート能力等を有する肉体イレモノをあらかじめ作成しておいて、女神様や召喚術士等によって、集合的無意識を介して現代日本人の『記憶と知識』のみをインストールすることで、『肉体現地調達型の異世界転移』の出来上がりって次第ですわ」




メリーさん太「……あー、本作の作者が、『軍艦擬人化少女の異世界転生作品モノ』で、実際に行ったやつか」




ちょい悪令嬢「──と言うわけで、『絶対に否定しないハ○ヒのSF考証』における、最大のトピックスである、『物理的なタイムトラベルの全肯定』編は、どうでしたでしょうか? この調子で、『ハ○ヒ』の原作版やアニメ版における、SF的ギミックの全解明を目指して参りますので、これからもよろしくお願いいたしますね♡」




メリーさん太「……やはり、まだ続けるつもりなのかよ? いい加減、ボロが出なければいいけどな?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る