第561話、わたくし、『ハ○ヒ』のSF考証を否定から入るのやめましたの♡(その3)

ちょい悪令嬢「──さて、無事に『鉄○さん』もご帰還なされたことですし、『ひぐ○しのなく頃に』完全新作『業』のほうも、いよいよ盛り上がって参りました! 本作も負けずに、頑張りますよ!」




メリーさん太「……いや、確かに現在のネット上の『考察スレ』における『ひぐ○し』は、大活況を呈しているが、この【座談会】の現在のテーマはあくまでも別の作品なんだから、そこのところは間違うなよ?」




ちょい悪令嬢「もちのろん! 今回も『宮ハ○ヒのF考証』を、いに盛り上げて参りますよ!(涼とSと大とで、これぞほんとの『S○S団』、なんちゃってw)」


メリーさん太「うんうん、あくまでも『本分』を忘れるなよ? ──それで、今回のテーマは、何なんだ?」




ちょい悪令嬢「もちろん、『タイムトラベル』、ですわ!」




メリーさん太「──デジャブううううううううううううううう⁉」




ちょい悪令嬢「……ふう、やれやれ。事もあろうに都市伝説が、『デジャブ感』なんぞに苛まれ始めたら、もはやおしまいかも知れませんね」


メリーさん太「やかましい! 誰のせいだと思っているんだ⁉ 何だよ『タイムトラベル』って、もう前回語り尽くしたんじゃないのかよ⁉」




ちょい悪令嬢「──何をおっしゃっているのですか! 確かに『七夕ラプ○ディ』については存分に論証いたしましたが、そもそも『タイムトラベル』自体が、『ハ○ヒ』シリーズ全体にとっての最重要テーマの一つなのであり、他にも『涼宮ハ○ヒの陰謀』や『涼宮ハ○ヒの消失』等々、タイムトラベルがストーリーにおいて重要なるギミックとなっている、エピソードも少なくは無いのですよ!」




メリーさん太「……ああ、確かにな。単に『タイムトラベル』それ自体を焦点にしていると言う意味では、『陰謀』のほうがより時間SFとしてのテイストが強いくらいだもんな」


ちょい悪令嬢「あれこそは、『同一の世界線上に同一人物が、二人同時に存在している』の、最たる例ですものね」


メリーさん太「……あれについては、本作の作者の公式二次創作である『うちの病室にはハルヒがいっぱい♡』においても、こっぴどく全否定していたよな。『掃除道具が満載されている狭いロッカーに、いきなりタイムトラベル(=時代を飛び越えた瞬間移動)なんかして来たんじゃ、掃除道具と融合しないとおかしいんじゃないか?』とか、イチャモンつけてさw」


ちょい悪令嬢「しかも、最後に『二人』になったのが、朝○奈さんでは無くて、なぜか鶴屋さんのほうだったりしてw」


メリーさん太「田舎の旧家のお嬢様が『呪われた双子』って、一体どこの『ひぐ○し』だよwww」


ちょい悪令嬢「ほんと、本作の作者って、『ハ○ヒ』の公式二次創作をダシにして、やり放題でございますからねw」


メリーさん太「……そういえば、タイムトラベルにおける『誤謬パラドックス』という意味では、前回の『七夕ラプ○ディ』の再検証における『精神型と物理型のミックス方式』も、けして例外じゃ無いのでは?」


ちょい悪令嬢「──おや、『精神型と物理型のミックス方式』は、我ながら完璧なるタイムトラベルの実現方法であると自負しておるところですが、何かご不満な点でも?」




メリーさん太「──とぼけんな! あの方式だとそもそも、『タイムトラベルした事実自体が無くなってしまう』だろうが⁉」




ちょい悪令嬢「ほう、気がつきましたか? これは少々、あなたのことを見くびっていたようですねえ(古○君ふうに)」




メリーさん太「……まず、三年前の七夕の日にタイムトラベルしたキ○ン君が『つくりもの』であり、その後『廃棄』されて『無かったもの』とされるのなら、『三年前の七夕の日へのタイムトラベル』自体が無かったことになるし、しかもその世界線のキ○ン君が三年後の七夕において、朝○奈さんの時間遡行の申し出を断れば、この世界線においてはタイムトラベルがまったく行われなかったことになってしまうからな」




ちょい悪令嬢「しかも前回も述べたように大前提として、元々れっきとした現代人である朝○奈さん(小)に、時たま『自称未来人』である朝○奈さん(大)の精神が宿るといった、あたかも『中二病的妄想』そのままなキャラ設定だったら、『ハ○ヒ』シリーズすべての世界線において、タイムトラベルがまったく行われていないことになってしまいますからね☆」




メリーさん太「──おいっ、それって本末転倒じゃないか⁉ 『もうこれ以降は、ハ○ヒのSF考証の全否定はやりません☆』という宣言は、大嘘だったのか⁉」


ちょい悪令嬢「そんなことはありませんよ? 何せ『精神型と物理型のミックス方式』を超える、究極の『真に現実的なタイムトラベルの実現方法』を導入すれば、すべては解決するのですからね!」


メリーさん太「真に現実的なタイムトラベルの実現方法、て……」


ちょい悪令嬢「『物理型をも内包した精神型タイムトラベル』、ですよ!」


メリーさん太「は? 精神型が物理型までも内包する、だと?」




ちょい悪令嬢「まだ気がつかないのですか? 前回の『精神型と物理型のミックス方式』では、一見『笹の葉ラプ○ディ』のストーリーラインを完璧に再現しているように見えるものの、そもそもデフォルトの世界線では、肉体的にも精神的にもタイムトラベルを行っていないのだから、デフォルトのキ○ン君自身には、『三年前の七夕の日にタイムトラベルした』記憶が、まったく無いことになるではありませんか?」




メリーさん太「──そう言われれば、まったくその通りじゃん⁉ これではそれ以降のストーリー運びが、大きく違ってくるんじゃないの⁉」


ちょい悪令嬢「だから、『植えつける』のですよ」


メリーさん太「植えつけるって、一体何を?」


ちょい悪令嬢「『三年前の七夕の日にタイムトラベルした記憶』、ですわ☆」


メリーさん太「──なっ⁉」




ちょい悪令嬢「そうなんですよ、たとえデフォルトの世界線と三年前の七夕の世界線との両方のキ○ン君が、実際にタイムトラベルを行わなくても、三年前のハ○ヒ嬢による『中学校の校庭の落書き事件』は実行されて、いわゆる『全次元的情報爆発』が発動すると同時に、彼女は『つくりもの』とはいえ『ジョン=スミスと会った記憶』を有することになるので、あとは両世界線のキ○ン君に、『三年前の七夕の日にタイムトラベルしてハ○ヒに会った』という『ダミーの記憶』を、集合的無意識を介して植えつければ、『七夕ラプ○ディ』のストーリーラインの出来上がりといった次第ですの♫」




メリーさん太「──何だよ、そりゃあ⁉ 後付けで『ハ○ヒの登場人物としての記憶』を刷り込みし放題だったら、もはや『何でもアリ』じゃん⁉」


ちょい悪令嬢「あら、『何でもアリ』で、何が悪いのですか?」


メリーさん太「へ?」




ちょい悪令嬢「何せ元々『何でもアリ』こそが、『ハ○ヒ』シリーズの醍醐味なんですからね♡」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「それにこれは、これまでの『全否定路線』なんかでは無く、集合的無意識論や量子論に則って、『笹の葉ラプ○ディ』をという、むしろ『全肯定路線』と言っても過言では無いでしょうが?」


メリーさん太「た、確かに……」


ちょい悪令嬢「よってこの『物理型をも内包した精神型タイムトラベル』方式を用いれば、『笹の葉ラプ○ディ』のみならず、『陰謀』や『消失』等における各種タイムトラベルイベントも、論理的に実現できるようになるのですよ」


メリーさん太「──そりゃあ、単なる普通の高校生であろうが、『ハ○ヒの登場人物としての記憶』さえ植えつければ、『ハ○ヒの登場人物』になれるだろうよ⁉」


ちょい悪令嬢「ていうか、そもそも『原典オリジナル』のほうが、『無理をしている』のですけどね」


メリーさん太「原典オリジナルが、無理をしているって……」




ちょい悪令嬢「『ハ○ヒ』シリーズに登場する未来人て、自分や他人に対して頑ななまでに、『すでに定められた未来通りの言動をとることを強制してくる』とは思いません? わたくしなんて原典読んでいて、すごくウザく感じますの!」




メリーさん太「──うわっ、久々に出た! 『原作に対する直球ストレートのディスり』が⁉ ……いいのか、今回の【座談会の趣旨】と反しているんじゃないのか?」


ちょい悪令嬢「いいんですよ、これは『論理的に間違っている』と言っているのでは無く、あくまでも『個人的感想』ですので」


メリーさん太「……ああ、確かに、『個人的感想』を言うのは自由だよな。──ただしあくまでも、作品のネガキャンをするつもりじゃ無ければな!」


ちょい悪令嬢「そんなつもりは毛頭ありませんよ? ──何せこれぞ、本作の作者の持論と、完全に合致しているのですからね!」


メリーさん太「え」




ちょい悪令嬢「少々『メタ』的に申しますと、主要登場人物であるキ○ン君を中心とした『S○S団』のメンバーが、ちゃんと『シナリオ通り』の言動をしていないと、『ハ○ヒ』シリーズの『ストーリーライン』からどんどん離れていってしまうので、細かく『演技指導』をしているようなものなのですよ。何せ本作の作者があちこちの自作で何度も何度も述べているように、『現実世界の未来には無限の可能性があり得る』のですから、演者の自由意志に任せていたら、けして『決められたシナリオ通りのストーリーライン』は実現しないのでございます」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「つまり朝○奈さん(大)は、ギャルゲのプレイ時において、キ○ン君に自由に選択させずに、強制的にルートを選ばせて、己があらかじめ定めておいた、(固定された)シナリオプレイをさせているようなものなのです」


メリーさん太「……とはいえ、現実世界には一瞬ごとに無限の選択肢が存在しているようなものだから、『シナリオ通りのストーリー展開』なんて、どだい無理な話じゃないのか?」


ちょい悪令嬢「細かい部分まで完全にシナリオ通りとは行かないまでも、そもそも世界を大改変させる怖れがあるのは、キ○ン君を含むS○S団のメンバーだけですからね。彼らの言動さえ『誘導』できれば、大体OKなのですよ」


メリーさん太「……なるほど、一見『固定未来路線』に見える原作版『ハ○ヒ』だけど、実はしっかりと『変動未来路線』だったわけか」




ちょい悪令嬢「とにかく、これまた何度も何度も申しております通り、『現に目の前にある現実世界のみを、唯一絶対の立脚点と定めて、すべてを考察しろ』ってことなのですよ。たとえ三年前の七夕の日にタイムトラベルしてしまおうが、その時点からはあくまでもそここそが『現在』であり『現実』なのであって、デフォルトの世界線の『記憶』なんて、夢や妄想のようなものでしか無くなるし、これは『消失』や『陰謀』におけるクリスマスやヴァレンタインデーの直前の時点も同様なのであって、何度タイムトラベルイベントを繰り返そうが、それ以前の世界線に関しては、あくまでも『そのような記憶』を持っているだけで、それが本物であろうが集合的無意識を介して与えられた『偽りの記憶』であろうが、本人にとっては判別のしようが無いのですわ」




メリーさん太「……ああ、『消失』で言えば、『北高にハ○ヒ嬢がいない』という状態こそが『正常』なのであって、『ハ○ヒがいないなんて、一体どういうことだ⁉』と騒ぎ続けているキ○ン君だけが、むしろ『異常』だったってわけか」


ちょい悪令嬢「キ○ン君と言えば『視点キャラクター』ですので、彼が『異常』と言えば、読者の皆様も無条件で『異常』だと認識してしまいがちですが、これこそが原典オリジナルの作者様による『ミスリード』だったわけですよ」


メリーさん太「……なるほど、同じように、デフォルトの世界線のキ○ン君や読者にとっては『三年前の七夕の日』になるけど、あくまでもその世界線に最初から存在しているキ○ン君にとっては、その時点こそが『現在』にして『現実』であり、むしろ『デフォルトの世界線』のほうが、『与えられた偽りの記憶』のようなものでしか無いってことか」




ちょい悪令嬢「──更に申せば、視点キャラであるキ○ン君に選択肢を強制する『自称未来人』についても、あくまでも現代人である朝○奈さん(小)に、集合的無意識を介して与えられた、未来人である朝○奈さん(大)の『記憶と知識』こそをベースにしているのだから、このような『偽りの未来人としての記憶』によって行われる選択肢イベントも、(間接的ではあるが)キ○ン君自身にとっても、『偽りの記憶を与えられることによる擬似的なタイムトラベル』の一種とも言えるのです」




メリーさん太「な、なるほど、『ベース』は同じと言うことか」




ちょい悪令嬢「このように『タイムトラベル』とは、いくらでも掘り下げることのできる、非常に奥深いものですが、本作の作者のように、その『本質』なるものをしっかりと理解していれば、『ハ○ヒ』シリーズにおける、一見荒唐無稽な時間SFイベントであろうとも、ちゃんと論理的に実現させることが可能となりますので、どうぞご安心を♡」




メリーさん太「……う〜ん、何かいかにも原作版『ハ○ヒ』を全肯定しつつ、結局は『自画自賛』をしているように思えるのは、うがち過ぎか?」




ちょい悪令嬢「──気のせい気のせい」

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