第384話、わたくし、ソビエト空軍の偉大なるSS大佐ですの。(その13)
「──現在の『ドイツ連邦共和国』政府中枢のように、よりによって『東独育ち』の政治家が、政権を握ったりしてご覧なさいよ? 『共産主義』の洗脳教育を受けた、『ナチズム』の末裔って、どんだけ『ホロコースト』のエリートなのよ⁉ 極論すれば、スターリンに育てられたヒトラーが支配しているようなものじゃないの!」
「……ああうん、具体的な個人名を挙げるのは避けるけど、確かに本作の作中作シリーズタイトルである、『わたくし、ソビエト空軍の偉大なるSS大佐ですの』を体現したような御仁よねえ」
「そんな共産主義者の皮を被ったレイシストが、善人ぶって移民を大量に受け容れて、様々な社会問題を引き起こし続けているものだから、ドイツどころかEUそのものの経済成長が行き詰まってしまって、元から貧困だった旧東独地域においては、ついに不満が爆発して、一気に極右化が進行して、ネオナチが非合法的な活動だけではなく、地方行政とはえ、とうとう公の政治の場にまで影響を及ぼすようになってしまい、一気に移民排斥の機運が高まってしまったの」
「そして、それに追い打ちをかけたのが、今回の『コロナウィルス騒動』ってわけね?」
「そうなのよ、しかもまさに、『最悪の形』で、『やってはならないこと』を、ドイツはやってしまったの!」
「えっ、それって例の、『日本人締め出し』の件でしょう? 一応これって、コロナウィルスに対する『自衛』としては、それほど責められることじゃないのでは?」
「……感染対策と言うのなら、何で『黄色人種』の日本人だけ追い出して、同様に当時すでに感染者が急増していた、『白色人種』のイタリア人等は、追い出さなかったのよ?」
「──っ」
「ていうか、本当に『感染対策』をすると言うのであれば、それこそ日本国が低脳な『栄光あるwアーリア人種』様にお手本を示してあげているように、イベント自体を自粛するか、『無観客試合』にすべきだったのではなくってえ?」
「……ということは、あれって」
「──明確な、『人種差別』よ! かつて第三帝国において行われた、ユダヤ人に対する『
「ええーっ! 人種差別って、まさかそこまでは、無いんじゃないの?」
「だから言ったでしょう、これは、
「……それがまさしく、かつてのユダヤ人に対する『ホロコースト』ってわけ? でも確か本作の作者って、それに対しては懐疑的じゃなかったっけ?」
「うん、まさにそれを『おじゃん』にしたからこそ、『最悪の形』って言っているのよ」
「さ、最悪の、形って?」
「だって日本人こそが、かつての同盟国であり同じ敗戦国であったからこそ、世界で最もドイツ人に同情的だったんじゃないの? ──それなのにあのアホ国家ときたら、今回それをこっぴどく『裏切って』しまったわけなのよ」
「裏切るって…………まあ、そうね、本作の作者の『ドイツびいき』ときたら、下手したら『危険思想』と見なされかねないほどだったものね。それをあんなあからさまな『日本人差別』をされたんじゃ、文字通りに『可愛さ余って、憎さ百倍』になっても無理は無いわよねえ」
「ネット上の意見として、『こんな御時世に、海外に行くほうが悪い』とか、被害者の皆様の責任のようなことをほざいているのを見かけるけど、ふざけるんじゃないよ! ドイツのサッカーの試合のチケットが、ほんの数日で取れるかよ? ずっと前からスケジュールが決まっていたに決まっているだろうが? そんな極当たり前のこともわからないで、他人を非難するんじゃないよ、低脳が! さっきも言ったように『正解』は、ドイツ側が試合自体を中止することなんだよ! 日本国様を見習ってなあ! おまえら、当事者の立場に立って、少しは考えてみろよ? はるばるへんぴなド田舎の旧東ドイツごときにまで出向いてやって、贔屓のサッカーチームの活躍を観戦しようと、観客席で待ち構えていたら、いきなり警備員だか何だかの白豚チンピラがやって来て、まるで
「──怖い怖い怖い、あなた今完全に、作者の魂が乗り移っているでしょう⁉」
「……わ、悪い。もう本当に、作者ときたら、怒り心頭のようでさあ。何と、これでも言い足りないくらいなのよ」
「その気持ちも、わからないでもないけどね。何せあれ程、『ドイツ空軍』をリスペクトしていたというのにねえ」
「くくく、まさにそこなのよ。日本においての指折りの『ドイツ軍通』である作者が、『ドイツ軍をコテンパンに叩きのめす』ストーリーを作成するとしたら、果たしてどんなものになるかしらねえw まあ、今回の『悪役令嬢』さんは不運だと思って、次回からの己の惨憺たる運命を、楽しく待ちわびるがいいわ♫」
「──だから、怖いって! ほんと、ドイツときたら、一番『敵に回してはならない奴』を、敵に回してしまってからに。私、もう、知〜らないっと」
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