第308話、わたくし、最初の艦む○、『エースの赤城』ですの♡(後編)
「──こちら、エース1、各機、状況を報告せよ」
『──何よ、ミルク、こんな寄せ集めの部隊で、肩肘張っちゃって』
『──そうよ、「お母さん」、リラックス、リラックス』
『──我らはもとより、一騎当千の
大海原を極東島国方面へと、最新鋭ジェット機Ta183『フッケバイン』を駆って
「……あれ、私以外のメンバーは、(いかにもラノベあたりの登場人物にありがちな)顔ぶれ的にも、別にだらけきっていても、構わないような──いやいやいや、あくまでも『表の顔』はそうだとしても、その本性は、転生教団特務司教に、特設ジェット戦闘機部隊パイロットに、魔法令嬢の使い魔にして
『──いやもう、「アニメ版アズ○ン」ネタは、いいから』
『──だって「この世界線」では、あなたは私のお母さんでしょう?』
『──まったく、メイドの私まで、駆り出すなんて。文句を言いたいのは、こっちのほうですよ。……ああ、アルテミスお嬢様は、今頃何をしておられるのでしょうか?』
「──もう、みんなもうちょっと、真面目にやってよ!」
ついにキレ気味に叫んでみたものの、そのようなことで動揺するような『可愛らしいタマ』は、今この場には存在していなかった。
『……そうは言うけど、そもそも表向きは育成学園の初等部の教師の私が、何で動員されたのか、さっぱりわからないんだけど?』
『一応私に限って言えば、正規のジェット機パイロットとはいえ、それこそ
『私なんて、メイドで使い魔ですよ? 魔法少女が箒やスト○イカーユニットを使って、空を飛ぶのならわかりますが、使い魔がジェット戦闘機に乗って出撃するって、一体どこのミリオタWeb小説なのですか?』
……こ、こいつらときたら、もう〜〜〜〜〜!!!
「私たちがこうして選抜されたのは当然、この世界の『真実の姿』を承知している、『境界線の守護者』だからに決まっているでしょうが⁉」
『えっ、その裏設定、こんなところで明かしてしまうの⁉』
『まさか、この【魔法令嬢編】も、いよいよ大詰めとか?』
『そもそも「境界線の守護者」とか、御免被りたいんですけどねえ。某「即死チート」作品にたとえれば、「
……もう、嫌。
何が悲しゅうて、サキュバスの私が、こんな自分勝手な奴等の、まとめ役をやらなければならないのよ?
普通のWeb作品だったら、他でもなくサキュバスこそが、いろいろと騒動を起こす役回りでしょうが⁉
「──いいわよ、みんな、勝手にしてちょうだい! 私知らないから!」
『……おいおい、いい歳して、いきなりキレないでちょうだいよ。一応「任務」の最中なんだからさあ』
『つまり、またしてもポッチ氏のサルベージ船が、「問題物件」を引き当ててしまったために、私たち「ワルキューレ隊」だけに、任せられなくなったってところでしょう?』
『特に、アルテミスお嬢様を、「真実」に触れさせるのは、時期尚早ですものね』
「──ちょっ、みんなわかっていて、私のことをおちょくっていたわけ⁉」
『あははは、怒らない怒らない』
『ちょっとした、冗談じゃない、「お母さん」?』
『──おっ、どうやら「
……くっ、こいつら、散々人のことを、いじり倒しやがって。
見てなさい、後でたっぷりと、思い知らせてやるからねえ⁉
──まあ、そんなことよりも、確かに今は、『任務優先』ね!
「ほら、
『えっ、──ああ、「
などと、毎度『お約束』の掛け合い漫才をしているうちに、わざわざ口に出すまでも無く、あまりにも巨大すぎる『
すぐ近くに待機している大型のサルベージ船が、あたかもミニチュアに見えるほどに、巨大なる裸身を何ら恥じることなく晒しつつ、実物大の
「……あれが、先史文明の遺物たる空中母艦『
『あいつ、また性懲りもなく魔導大陸目掛けて、
『今のところは全弾、沿岸部に着弾しているので、目立った被害は無いけど、このままにしておくわけにはいかないわ!』
『でも、いかがします? 我々の武装ごときでは、いかんともしがたいかと思いますけど?』
──確かに。
相手は何と言っても、旧帝国海軍が誇る正規空母の、擬人化美少女型決戦兵器なのである。
本来なら、雷撃機の十数機も、必要であろう。
「……いや、ちょっと待って、あの『
『『『そ、そういえば!!!』』』
先史文明の人型決戦兵器に対する妙な既視感に、私たちが戸惑っていると、当の『
──特に、識別コード『エース4』の、ミサト=
『……ちょっと、何よ、私がどうしたと言うのよ⁉』
『『「…………」』』
『み、みんなまで、どうしたのよ⁉ 何か言ってちょうだい!』
「……ミサト」
『何さ、ミルク』
「随分と大きな、『隠し子』がいたものよね」
『──な、何言っているのよ、違うわよ⁉』
『でも、あんなにそっくりですし』
『……ちゃんと認知してあげないと、娘さん、可哀想ですよ?』
『だから、違うと言っているでしょうが⁉ ──ああ、もう、これは転生教団における極秘事項なんだけど、特別に教えてあげるわ! あの
『『「ええー⁉」』』
「え、あれって、『すべての
『……と、言うことは』
『ミサト先生も、艦む──もとい、「
『そうじゃなくて、聖レーン転生教団の影の実行部隊、異端審問第二部の
「……ああ、そうか」
『確かに、教団の異端審問第二部は、人外の化物シスターばかりですものね』
『そうか、異端審問部は、「
『いい? これって、トップシークレットですからね? 漏らしたら、「宗教裁判」沙汰よ! ……まあ、ここにおそろいの「化物」の皆さんからすれば、「お互い様」でしょうけどね』
『『「──誰が、化物よ!!!」』』
そのように、私たちが馬鹿騒ぎを行っている間に、物騒な弓矢を消し去り、ミサトの載っているTa183に向かって、(むき出しの)胸に手を当て一礼する
『──コマンダー認証、完了。それに応じて、自動全方向攻撃行動、停止。これよりはあなた様こそが、当艦の「
『おまっ、
「そうね、そこはやはり、『
『私は「アズ○ン」派なので、「
『私は、「
『あんたら、他人事かと思って、言いたい放題言うんじゃないわよ⁉』
大海原に響き渡る、ミサトの絶叫。
こうして無事に、(『アニメ版アズー○レーン』における、『指揮官不在問題』を解決しつつ)
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