第32話

秀くんが私の胸に顔をうずめて眠っている

手作りの星空を眺めながら想像してしまう


秀くんが作ってくれたこの世界をいつまで続くんだろう


私はたくさんの人のお陰でまたステージに立てた

自信も自分も秀くんは作り直してくれた



秀くんが被せてくれたティアラは

もうスポットライトを浴びなくても

私のままでいられる永遠の魔法がかかっている

そう思えば無敵の主人公でいられる気がした







最近体調がすぐれない病院に行こうかな

「ひかり顔色悪すぎ、私のせいか」

「川村さん仕事詰めすぎだよー」

「これが終わればちょっと空くから頑張って

あ、でも病院には行くのよ」

「はーい頑張ります」





病院の帰り道いろんな感情に支配された私まわりをよく見ていなかった油断していた

部屋の前までついてなかに入ろうとした瞬間

ドアに足を挟まれた

二人だけの世界に侵入者を許してしまった


突然のことで驚いて悲鳴をあげてしまった

何事かと秀くんは急いで走ってきた

「大丈夫ひかり!?」

カシャカシャ

私たちの世界を破壊するには十分すぎる音だった


写真をとられた

「この男はどなたですかね?

あれぇ見たことある顔なんだけどな

芸能人じゃねぇな

もしかして円山秀じゃねぇか?

おいおい!こりゃ大スクープだぜ

殺人犯と大女優さんが同棲ってか!?」

男は走り出した


秀くんは台所から包丁を取り出し男を追いかけ外へ飛び出してしまった

「待って!だめ!秀くん!」

私もあとを追いかけた





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