第23話
「好きだよ」
何を?って思ったら唇を塞がれた
驚いた
秀くんの抑えきれない衝動はとても優しかった
私は何度も何度も受け止めた
秀くんがしおりさんに重ねて私を抱いていることはわかってたけど
それでも秀くんの壊れそうな心から発せられる優しい衝動は
私は愛おしくて堪らなかった
「ごめんなさい」
秀くんは土下座する勢いで頭を下げてきた
私は可笑しくて笑った
「ビーフシチューは美味しくできたの?」
「うん待ってて」
秀くんは急いですっかり冷めてしまったシチューを温めに走った
私はゆっくりと追いかけ夕飯の支度を急ぐ秀くんをジーっと見つめてた
「すぐ出来るから待ってて」
後ろから近付き抱き締めると彼はビクッと驚いた
「驚いた?お返しだよ」
彼の驚いた顔にキスをした
彼はまた始めようとしたので今度は押し返し
「シチューが先」
頬を膨らませて睨んだ
秀くんは残念そうな顔をしたが笑って
「そうだねじゃあとで」
秀くんは手際よく夕飯の支度を済ませた
「おいしいー余は満足じゃ」
「有り難き幸せ」
「褒美をつかわすケーキじゃぞ」
「俺ケーキ好きなんだありがとう、しおり」
「うんどういたしまして」
しおりさんは秀くんが大好きだったんだろうなって思った
私はひかりではなくしおりで、そうすれば秀くんに愛してもらえる
しおりさんに嫉妬してる自分がいた
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