第22話

部屋を片付けていると

彼女がジャケットになっているCDを見付けた

ジャケットに写っている彼女はしおりには似ているが

しおりではなかった

CDを流してみると普段の彼女からは想像出来ないぐらい

声量があって

すごく引き込まれる歌声は

しおりが発しているものではなく

ひかりが発しているものなのがわかった


帰ってくる彼女はしおりじゃない

という現実に引き戻された気がした


「ただいま」

ニコニコしながら帰ってきた

帰ってきた彼女はしおりだった

「ねぇねぇ

甘いものって好き?」

上目遣いで聞いてくるしおりを俺は抱き締めてしまった

しおりは抵抗せず俺のことを抱き締め返してくれた

「ねぇ?聞いてるんだけど?」

「好きだよ」

「え、あ、そうなんだ良かったケーキ買ってきたから一緒に」



しおりにキスをした

ビクッと驚いた様子だったけど彼女は押し返さず受け入れた

俺はそのまま彼女に覆い被さった



何度も何度もひかりにしおりを求めた

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