第17話
「現在犯人は母親と婚約者を殺害し、逃走の際警察官を暴行し怪我をさせました
犯人は刃物を所持しているとされています
近隣にお住まいのかたは十分に注意してください
円山秀、二十歳
特徴は~」
惰性で観てたテレビのニュース
もう昨日からこの話ばかりだった
うちの近所だ
川村さんから電話がなった
「今ニュースみたんだけどひかりの家近くじゃない?戸締まりとかしっかりしてね?」
「子供じゃないんだから大丈夫だよ
はいはい
またあとで、よろしくね」
今はモデルの仕事が少しあるだけ
生活する分には困らない稼ぎにはなっている
売れていた頃の貯金はたんまりと残っているから特に焦りもない
期待もない
「ひかり、また映画出てみない?」
「やめてよー私には無理だよ」
「無理じゃないわよあの映画での演技すごい評判良かったじゃない
私はまたひかりにスポットライトいっぱいのステージに登ってほしい」
「やめてよ
雑誌の数ページに写るぐらいしもう出来ないよ」
「なにいじけてるの?!
あなたは誰?今のあなたは私の知ってるひかりじゃない」
誰だろう
わからないわよ
仕事も終わり帰ることにした
「あ、あの人、前まですごいテレビに出てた、名前なんだっけ?
それよりさ!あの殺人犯まだ捕まらないんだ
円山秀!怖いよねー」
私より殺人犯の方が主人公なんじゃないかと思った
うちの目の前まで来たところだった
「しおり?しおり?!」
突然抱き締められた
「良かった探したんだよ」
「ちょっと!やめてよ!」
振りほどいてその男を見ると
今主人公をしている人だった
「円山秀くん?」
「そうだよ!俺だよ」
彼は安堵の顔を浮かべて私に微笑んだ
綺麗な目をしていて不思議と落ち着く声をしていた
私をしおりという人と勘違いをしている
すると向こうから警察官が歩いてきた
私はとっさに彼の手を引いてマンションの中に連れ帰ってしまった
自分でも大変なことをしてしまったと思った
でも何か変われるそんな気がした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます