1章 第5話
アスガはもう限界だった。たった今大きな蛇に戦いを挑まれてしまい仕方がなく戦ったが全く自分の攻撃が通用していなかった。そんな中、少女である子供の異形は相手の攻撃を受け流したり異能の力で防いだり避けたりしながら敵に攻撃を与えている。しかし、やはりと言ってダメージは受けてない様子だった。
「ねえ!やっぱり無理なんだって、もう良いから逃げよう!」
「敵が···ミスミス···逃がすと···思うか!」
確かにそうだけどさ、どうやってあの化物を倒せば良いんだろう。それを聞いてみるが知らないという一言たっだ。もう、このままじゃ2人とも全滅だよ。
「ぼさっと···してないで···さっさと···動け!」
「分かったよ!」
まさかこんな10歳の子に偉そうに命令されるなんて夢にも思わなかった。とにかく適当に攻撃を当てる。もしかしたら弱点があるかも知れないのでそれが分かれば勝機があるかも知れない。するとどうだろうか敵は何かを守るような仕草をしていた。もしかしたら、何かあるのかも知れない。私はまずは尻尾を狙うがさっきと同じ仕草はしていない。違った。なら
「弱点は首辺りよ!」
「でかした···どうやら···役には···経つようだな」
そう言って石の蛇に近づこうとするが尻尾で子供の異形を凪ぎ払おうとしていた。だがそれに怯む事なく避け一瞬で蛇の首辺りまでジャンプする。そして刀で斬る。そのたった一撃で蛇の形の原型が崩れ去る。すると首辺りにあったコアが現れる。あれが
「どうなっているの?倒したんだよね」
「ああ、ただ
{初の試練に勝利しましたあなたには望みが叶えられます。なのでお名前を教えてください}
またしてもアナウンスの声が聞こえてきた。どうやらあのコアが発しているようだ。それよりも気になる事を言っていた。望みが叶えられますとか。もしかしたら行けるかもしれない。
「はい!私の望みを聞いてください。あ、まずは名前だったね」
{残念ですが最後に止めを刺した者だけ望みが叶えられます}
自分はそれを聞いてガックリする。せっかく望みが叶うと思ったのに。
「望みはある···だが名前を···言わなければ···ならないが···あいにく···名前を···持っていない」
{なら、名前を決めてください}
もしかしてこの子人間だった頃の名前を忘れちゃったのか。そう言えば名前全然聞いていなかったな。よし、ここは私がこの子に素晴らしい名前つけてあげよう。そうね、この子の名前は。
「リンガ」
「?」
「今日から君の新しい名前だよ。リンガ」
顔をしかめるリンガ。何を勝手にと雰囲気を漂わせている。残念だけどもう決めた事だしと言う。因みにリンガと名付けた理由は輪が繋がりますように。これから様々な出会いがありそうして手を取り合っていこう結び合っていこういこうと言う意味でリンガにした。
「バカか」
「ひどい!せっかく決めた名前だよ?」
「そんな理由で···名前を···付けるなんて···バカにも···程がある」
リンガは言う自分は世界を壊すためだけに動くと。なので出会いがあろうがなかろうが手を取り合って行くつもりもない他の連中など自分にとっては捨てゴマみたいな物だといった。でも現に私を捨てずにいてくれている。だからこの子の心は優しい方なのだろうと思う。それをリンガに伝えると、ふん、と声を漏らしコアの方へ振り向く。
「待たせたな···僕は···リンガ···今から···僕の望みを···聞いて···もらいたい」
{分かりましたリンガ様。あなたの望みは何ですか}
私はドキドキする。果たしてリンガは何を望むのか。どうか世界を壊すとかはやめてほしい。もしかしたらそれを言ってしまう可能性もあるが私には止めることができない。
「僕を···人間の···姿にして···ほしい」
「へ」
{かしこまりました。ただ、人間の姿にするだけなので異形から人間に戻るわけではありません}
リンガはああと言う。するとコアの所から青く光る粉がリンガに降り注ぐ。それを浴びたリンガの見た目がみるみると人間にの姿に変わっていった。私はついつい見とれてしまう。それは余りにも美少女だったからだ。前の異形の時は髪はざらざらとした感じにも関わらず今は美しく輝いていた。ただ目の瞳だけは不気味に思えた。瞳の色は真っ赤でそれを見ると瞳の奥底まで吸いとられて行きそうでその先に待つのは真っ赤な血の海そこに沈み込められてしまう感じがした。ただ、別にそれでも良いとも何故か思ってしまう。この少女なら私と良い
「おい」
「······」
「おい!」
自分はリンガの声に気づく。すると目の前にリンガが近くにいたので悲鳴を上げとっさに後ろに飛び離れる。
「何をやっているんだお前は」
「な、何でも無いよ!何でも!」
自分は顔を真っ赤にして胸を押さえる。今も心臓がバクバクしている。あんな目の前でしかも可憐な声をかけられたら誰だってビックリするに決まっている。ん?可憐な声ってまさか。
「もしかしてリンガ、ちゃんとしゃべれるようになったの?」
「ああ」
「そっか、よかったね。所であのコアはどうなったの」
「砕けて消えた。役目を果たしたんだろう」
なるほど、役目を終えると最後は砕けて消えて逝くのか。そういえば何故、人間の姿にしてほしいと望んだんだろう。どうせなら、人間になりますようにとかリンガなら世界を壊すようにとか言えば良いのに。
「それだとお願いになるだろう。これはあくまでも望みを叶わせる物だ」
「あ、そっか。ねえ、リンガがここに来た理由って初めからこの事を知っていたからなの?」
「これも何故か記憶に直接流れ込んだ時に知った」
何故この子にそんな物が流れ込んで来るのかは分からないが、そのおかげで私は知った先程みたいな試練に立ち向かい先に倒した者に望みを叶えられると言うことを。なら私は強くなって行けるかもしれない。そしていつか神様を倒せると信じる。
「よし、この調子で次のえっと何だっけ···あ、ブルー・メテオにいってみよう!次の方角はあそこだね」
「何処へ行くつもりだ」
「え、勿論ブルー・メテオがある所にいくんだよ。まだ他の場所にあるから次はここから近い所に」
バカと言われた。うう、何で年下の子にこんなにもバカと言われなければならないんだろう。リンガは今日は疲れたので終わりにすると言う。確かにきつい戦いをしていたのだった。すっかり忘れてしまっていた。あと、この辺りのブルー・メテオは放置するといった。何故か聞いてみる。この辺りのブルー・メテオの試練に挑んだ所でたいした望みを叶えられないと消える前のコアに聞いたみたいだった。
でも、自分が叶えて無いことを伝える。しかしリンガの答えはお前には無理だとの事だった。何故か伝えると実力が足りないと、その程度では弱点が分かったところでダメージを対して与える事も出来ないし、当てる事も出来ないとはっきりと言われる。正論過ぎて声も出ない。私が黙りコクっているとどこからか声が聞こえる。
「まあまあ、お2人サンマ、喧嘩などしてないでここは仲良くお風呂でも入って見てはどうですか?」
自分は何々と声が聞こえた方へ振り向くとそこには20歳の美人さんが立っていった。しかも何も無いところに扉だけが存在していた。リンガもその女性に振り向き声をかける。
「誰だお前は」
「まあまあ、そんな怖い顔をしないでくださいナンパ、わたくしは神の
私は寒いから普通に喋って頂戴と女性に言う。あと、神様の
「わたくしの役目は見事試練に合格したお2人におもてなしをする事です。そこでひとまず疲れを癒す為に魔法の温泉はいかがでスイカ」
「だから、寒いから普通に喋って下さいと言っているでショウガ!」
「お前までなにやっているんだ」
しまった、つい目の前の女性と同じ事を。見た目は美人さんなのに中身が残念なのは仕方がない。しかし、試練に合格したって言ったって私はただ弱点を見つけただけ。
「いえいえ、あなたが弱点を見つけた事によりお2人は何事もなく住んだの
あー、もう良いやもう突っ込まない。疲れるだけだ。それにしても温泉か、一度入ってみたいとは思ってはいたがまさかこんな形で1つ望みが叶うとは。これも試練のおかげと言う事になる。でも、残念なのがここにヒナガお姉ちゃんがいないことだ。どうせなら一緒に入りたかった。だがいないのだから我慢するしかない。その代わりリンガと一緒に入って温泉を
「では、この扉にお入り下さいナス」
何も無いところにある扉が開き入ってみると大きな温泉が広がっていた。中はこんな感じになっているのかと温泉をまじまじと見つめる。
「服はこちらにお脱ぎくださいま先生」
私は言われた通り服を脱ぎ裸になる。そして早速お湯に浸かろうとしたところで気づく。先程から扉の外で女性に捕まりながら暴れているリンガがいた。何をやっているのだろうか。
「くそ!離せ、というよりなんて力だ!」
「ダメですよよよ、せっかくのおもてなしが出来なくなってしまうではありま
「ねえ!何しているの、リンガも早く入ろうよ!」
「バカ!そんな格好で外に出るな!しかも僕に見せるな!」
何をいっているんだろうか?これから裸の
「ほらほら、リンガ。別に恥ずかしがる事なんて無いんだよ。同じ女同士、裸の
「バカ!お前は何を勘違いをしている!僕は」
「つべこべ言わず入りなさいナルト!」
女性はそう言ってリンガを温泉の中に入り放り投げる。そしてお湯にドボンと入った。私は慌てて温泉の中に入ってリンガを救出する。女性は後ゆっくりと言って扉を閉めると消えた。私は救出した後リンガに大丈夫か聞いてみる。
「大丈夫な分けないだろう!くそ、扉が消えてやがる!」
私はクスリと笑いリンガの服を脱がせる。このままじゃ風邪をひいてしまうからね。リンガはいやいやと脱がすのを対抗していた。さすがに力の強いリンガ、私は苦戦する。がさすがに諦めたのか脱ぎ始める。ただ、後ろに向けとか絶対に振り向くななど言っている。この子はどれだけ恥ずかしがり何だろう。しかたなく先にお湯に浸かり後ろに向いて待つ。
少しした後ちゃぽちゃぽと音がしたので振り向くどうやら終わったみたいだが何故か後ろに振り向いて顔を見せないリンガ。
「ねえ、リンガ。こっちに向きなよ」
「断る」
私はリンガに近づき後ろから抱き締めて体を触る。リンガはビク!、っとしていたが構わずあちこち触る。胸の方はぺたんこだったがまあ、まだ10歳だから仕方がないかと思い次はあそこを触るとするがリンガはあそこを両手で隠すようにしている。リンガは止めろと言う。そんな事言ったって私はやめない。嫌なら突き飛ばせば良いと言うが、こんなところで暴れるかと言う。仕方がなく私は離れる事にする。そして数分した頃私は息を吸い止めてお湯に
「えっと······あれ?」
「お前は···何を···している!」
顔を真っ赤にしながらわなわなと震えているリンガ。そしてさっきから私はあそこを触ったままだ。この感触は柔らかい物だ、そして徐々に大きくなり固くなる。そしてついにその正体に気づき私は顔をトマトの様に真っ赤になる。
「······あ」
私はそれだけ声を漏らしてそのままお湯までブクブクと沈んでいった。
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