第16話 自己紹介


 騒然とした入学式が終わった後、俺たちは教室に戻ってきていた。戻っている間、俺とシオン、さらにカナリーまでが周りの人たちにすごい目で見られた。まああんな事を言ったんだから当然だろう。シオンがかっこよかったし、面白かったからそれでよし。


 シオンが言っていた順位戦について話しをしよう。


 順位戦とはその名の通り、順位をめぐって争う学園の名物バトルだ。トーナメントが組まれ、上位10名が順位が付けられる。その10人には二つ名がついているみたいだ。上位者にはそれなりの特典があるみたいだが、よくわかんないから省く。


 まあ、そんなこんな考えていたら教室へついた。


 教室に入って、席に座っているとある先生が入ってきた。


 「私は、君たちの担任であるカラール・ロマーニュである。とりあえず、一年間よろしく頼む。今から君たちに自己紹介してもらう。席の右後ろの奴から言ってくれ」


 「はい、僕は…」



 ・

 ・

 ・



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 長い自己紹介も終わりが近づいてきた。次はカナリーの番だ。


 「俺ぁ、カナリー・カツラギ。姓が着いているが、コレは俺の出身のイェドの奴にはみんな付いているのサ。使う魔法は水魔法だ。まァ、ゆるくよろしくナ」


 パチパチパチ


 「次、クラウン」


 「ほいっと、俺の名前はクラウン。平民だ。この国の田舎の村から出てきたんだ。使う魔法は磁魔法。面白いことが好きだな。まあ、テキトーによろしくな」


 パチパチ


 正直に言って、カナリー以外の奴の自己紹介はほとんど覚えていない。寝ていたのだ。シオンが起こしてくれなかったら危なかった。


 「(シオン、ありがとうな。ボソボソ)」


 「(いいのよ。ボソボソ)」


 「次、シオン」


 「はい、私の名前はシオン。クラウンと同じところから来た平民です。氷魔法を使います、皆さんよろしくお願いします」


 パチパチパチパチ!!!


 さすが美少女シオン。俺のときとは違ってすごい歓声だ。でもこの子、上級生に喧嘩売ったの、覚えてる?


 「これで、自己紹介は終わりだな。じゃあ今日はコレで解散だ。みんな寮だから大丈夫だと思うが、気をつけて帰るように」


 カラールはそう言うと教室を去った。そして教室がざわめいてくる。その前に…


 「シオン、帰ろうぜ?」


 「ええ、いいわよ。カナリーも一緒に帰らない?」


 「お、いいのかい?いいのなら、一緒に帰るサ」


 「もちろん、いいわよ。一緒に帰りましょ」


 シオンはそう言うと俺とカナリーを連れ添って教室を出て行った。


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 教室から寮に帰って、荷物を置き今度は校門のところに来ていた。


 「今日はサナさんのところまで行って、入学パーティーをしましょ」


 「んを、いいのか、サナさんのところに行っても」


 「ええ、事前に約束していたもの。カナリーも一緒に行きましょ」


 「そっちのほうもいいのかい?俺ぁ部外者だと思うんだが?」


 「まあ、シオンがいいって言ってるんだからいいんじゃないのか?一緒に行こうぜ?」


 「ええ、そうよ。遠慮なんてしなくていいのよ、多分クラウンが関わるのは今年は私かあなただけだと思うから、その前報酬みたいなものよ」


 「ははっ、そうかい。なら一緒に行こうかね」


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 「こんにちは、サナ。パーティーをしに来たわよ」


 「あ、シオンにクラウンじゃない、こんにちは。それに初めましての人もいるわね、こんにちは、私はサナよ。よろしくね」


 「応、こんにちは、俺ぁカナリー・カツラギって名前サ。姓はあるけど貴族じゃねぇからテキトーによろしくナ」


 「ええ、よろしくね。で、シオンとクラウンはどうだったの?」


 「私とクラウンは特・特待生っていうのよ。授業免除とかもらったわ。カナリーが上・特待生だったかしら?」


 「ああ、なんかいい感じの特典をもらえたなァ」


 「すごいじゃない、3人共!じゃあ今日は考えてた以上に豪華にしましょ、そうしましょ!」


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 「じゃあ、みんなの特待生入りを祝って」


 「「「「かんぱーい!!!!」」」」



 この日の森の木漏れ日亭から光が消えることは無かった。

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