第14話 試験の結果
入学試験が終わってから3日後、俺とシオンは学園にある掲示板の前に来ていた。もちろん入学試験の結果を見に来たのだ。そこにはこのように書いてあった。
1位 シオン 特・特待生
2位 クラウン 特・特待生
3位 カナリー・カツラギ 上・特待生
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どうやら特待生には4種類の分類があるみたいだ。特・上・中・下の4種類で、今回の特・特待生は俺とシオンだけのようだ。
「俺より上の人がいるたァ驚きだ」
「まあな、ってお前だれだ?」
「俺かい?俺ぁ、『カナリー』、カナリー・カツラギさァ」
急に話しかけてきたのは入学試験第3位カナリー・カツラギだった。蒼色の髪に藍色のような目を持った女の子だ。この話し方は、江戸言葉ってやつか?それに…
「姓持ちってことは貴族様でしたか、これは失礼を」
「いんや、違う。俺の出身の『イェド』ってとかぁ国民全員が、姓をもってんのサ、だからそこの女と同じ対応でいいぜ」
「わかった、そうするよ。イェドってことから来たんだな、確かだいぶ東の方の国だったっけ?」
「あァ、そうさ。東の島国サ。昔、侍勇者がつくったって言われてらぁ」
侍勇者って…。なら江戸言葉が使われてても不思議じゃないのか?まあいいか。
「まあ、これからよろしく。俺はクラウン。こっちはシオン。俺の彼女だ」
「シオンよ、よろしく」
「ほォ、特待生かっぷるってやつかい、すげぇナ。じゃあ改めて俺ぁ、カナリー・カツラギさ、よろしくナ」
と、自己紹介を終えて雑談をしていると…
『ポンポンポーン。新入生のシオン、クラウン。シオン、クラウンは今すぐ学園長室に来なさい。ポンポンポンポーン』
「あら、呼び出しだわ、なにかしら?」
「お前らぁ、なんかやらかしたのかァ?」
「いや、それは無いよ。まあ行ってみないとわかんないか。シオン行こう、カナリーはじゃあな」
「応、また会おうぜ」
俺たちはカナリーと別れ、学園長室に向かった。
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コンコン
「学園長、いらっしゃいますか?」
「ああ、いるよ。入ってらっしゃい」
中に入ると、20代後半くらいのお兄さんとオッサンの間くらいの人が立っていた。
「私の名前は『ノーティス・シュレッド』。一応公爵さ、まあ座りなさい」
そういわれたので、俺たちは学園長の前にあるソファに腰をかける。めちゃくちゃやわらかいソファだ。
「君たちは特・特待生としてこの学園に入ってきた、ということはもう把握できてるよね?」
「はい」「もちろんです」
「じゃあ特・特待生の詳細の話をしよう。特・特待生は3つの試験全てを超高水準でクリアしなければならない。それをクリアしたのが君たちだ。シオン君が3種とも満点、クラウン君が勉学が惜しくも99点、ほかは満点の299点だ。クラウン君、惜しかったね」
「はは、まあ悔しいですね」
「うんうん、ぜひとも悔しさをバネにしてくれ。そして特・特待生の内容だが、全ての授業が免除、だから授業費を払わなくていい。まあ授業に出てもいいけどね。そのときもお金は要らないよ。みんなが授業している間、君たちは何をしていてもいい。この学園にある図書館に行って調べ物をしたり、町へ行って遊んだりね」
「え?俺たち授業を受けに来たのに授業受けなくていいんですか?」
「ああ、すでに出来ることを学んでも時間の無駄だろ?まあ中間試験や期末試験は出てもらわないといけないが、それも筆記は計算くらいだしね、君たちは十分解けるだろ?」
「え、ええ、まあ」
「ならよし。それと寮の費用もこちらで負担する、とこんなものかな。わからないことがあったらまた聞きに来なさい。あと、シオン君、君は入学式で新入生挨拶をしてもらうから、考えておいてね」
「は、はい。わかりました」
「じゃあ話は以上だ、この学園は君たちを大いに歓迎するぞ。これからも努力し、新たな力を身につけろ、頑張りたまえよ」
「「はい、ありがとうございました」」
俺たちのもらった特・特待生ってだいぶやばいやつだったんだな、まあいいか、ラッキー。
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「なあシオン、俺たち、特待生取れてたよな」
「ええ、そうね」
「なあ、約束、覚えてるか?」
「ええ、ばっちり覚えてるわ」
「しっかり、守ってもらうぞ」
「もちろん、そのつもりよ」
その夜、俺とシオンはちょっと良い感じの宿で朝まで寝ずに大人の階段を上っていた。
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