第10話 シオンとの日々


 シオンと恋人となってからの一週間、俺たちはめちゃめちゃイチャイチャした。もちろん稽古もした。そろそろ学園へ入るための試験が近いからな、まあ近いといっても2年くらいあるが。


 この世界は日本と同様24時間で回っている。俺たちはこのうち8時間を稽古に充てていて、あとの16時間ずっとイチャイチャしていた。もうこれ以上無いくらいイチャイチャした。これまでもずっと一緒にいたが、この一週間はコレまで以上に引っ付いていた。常にシオンが俺の右腕を抱いていたくらいだ。


 まあ、イチャイチャ談義はこれくらいにして、俺たちは初めてゴブたちを狩ったときから、森の中で魔物を狩ることも稽古のうちに入れている。今日はそんな魔物を狩りに森に来ている。


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 「なあ、シオン。今日は何を狩ろうか」


 「どうしようかしら。う~ん、やっぱり出てきた魔物を狩るだけでいいんじゃないかしら」


 「そうか、そうだね…っとどうやらきたみたいだな」


 「ええ、そうね。じゃあさっさと終わらせて、クラウンと一緒にゴロゴロしましょ」


 「いいね、やる気がでてきた!」


 出てきたのは、狼だった。


 「シオン、こいつってなんて名前の魔物かわかるか?」


 「この魔物の名前は、『フォレストウルフ』。森に住んでいる狼だわ。基本群れ行動をしているから、一匹みたら十匹いると思えって本に書いてあったわ!」


 一匹見たらなんとやらって、黒いアレ《G》みたいだな。


 「わかった、じゃあ気をつけていこうか!」


 こうして、狼との戦闘が始まる。


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 狼は俺たちの前に6匹、後ろに4匹現れた。こちらの背がちっこいからってなめてるみたいだ。俺たちは同時に両手を前、後ろの両方の狼たちに向けて背中を合わせる。そして…


 「『熊磁爪グリズリークロー』!」


 「『熊氷爪グリズリークロー』!」


 同時に同じ魔法を放つ。同じ魔法といっても、名前が同じなだけなんだが。


 砂鉄と、氷の爪が狼たちに襲い掛かる。狼たちは反応できずに喰らってしまい死を迎える。


 「やったね」


 「ええ、やったわね」


 まだまだお互いに疲労は溜まっていない。


 「まだ、狩ろうか」


 「ええ、そうね。まだ全然疲れて無いもの」


 新たなる魔物を探しに行く俺たち。狩った狼たちは魔法で木っ端微塵にした。持って帰るのが面倒なんだ。


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 しばらく歩いていると、ノッシノッシという足音のようなものが聞こえてきた。すぐに木の影に隠れる。するとそいつは現れた…。


 「『オーク』か…」


 足音の主はオークだった。オークは匂いを嗅ぐような仕草をしている。その仕草を終えると、木の影に隠れている俺たちのほうに顔を向けてきた。そして、猛ダッシュしてきた。


 「やべっ、逃げるぞシオン!」


 「ええ、とりあえず逃げましょうか」


 逃げて広いところに出た。


 「広いところに出たな。んじゃ反撃しますか」


 「『氷玉アイスボール』」


 シオンはすぐさま『氷玉』を撃つ。オークの身体に当たり、オークを怯ませる。そして、俺は…


 「『瞬磁動歩モーメントステップ』!」


 俺は『瞬磁動歩』を使い、オークの後ろに回りこみ、杖に砂鉄を纏わせ、斬る。


 斬る、斬る、斬る―


 オークがほとんど肉のようになり、倒れる。


 「倒し終わったな」


 「ええ、それなりに簡単だったわね」


 「ああ、初めて会ったけど逃げる必要なかったな」


 「そうね、まあこれも経験よ」


 「そうだな、今日は帰ってゴロゴロしよう」


 「そうしましょう」


 今日の稽古は終わり、俺たちは帰ってイチャイチャする。今日もいい1日だった!

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