第7話 オッチャンと遭遇
「坊主ども。俺と一緒に魔物倒しに行かないか?」
そんなことを俺とシオンはオッチャンに言われた。どうしてこんなことを言われたのかはすこし時をさかのぼる必要がある。
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その日俺とシオンはいつもの如く稽古をしていた。もうすぐ7歳になろうとする中、俺の身長はなかなか伸び悩んでいた。今ではシオンのほうがすこし高いかもしれない。
今日は稽古もそこそこに家で勉強しようと言う話だった。そうして稽古をし終わった後、どこかからかオッチャンがやってきた。
「よお、坊主ども。今日も稽古か、がんばるな~」
「なんだ、オッチャン?」
「いや、毎日毎日頑張ってるなと思ってな。俺の名前はデュエグ。この村の警備員みたいなもんだ。」
「ほ~ん、俺はクラウン、こっちの女の子がシオンだ。まあよろしくな」
「よろしくお願いするわ」
「おう、よろしくな。そうだ、お前ら魔物ってみたことあるか?」
「いや、ないけど」
「坊主ども。俺と一緒に魔物倒しに行かないか?」
「は?なんでだ?」
「そりゃ、面白いからだよ。魔物を倒す、新しく習得した技を使う、仲間と連携して倒す。自分の成長をしっかりと確認できるのは楽しいってモンだ。それにお前たちは将来有望だ、だからこそ今のうちから経験をつんでおくのもいいと思うぜ?」
「う~ん、至極まともなこと言ってるな。シオンちゃん、どう思う?」
「やっぱり親に聞いたほうがいいんじゃないかしら?」
「そうだね、そうしよう。オッチャン、親に行ってきていいか聞いてもいいか?」
「ああ、もちろんだぜ」
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そうして俺たちは親に魔物を倒しに行ってきていいか聞いてみた。
「ん?どうしたんだクラウン?」
「父さん、デュエグってオッチャンが魔物を一緒に倒しに行かないかって言ってきたんだけど行ってきていいかな?」
「デュエグさんがか!?おう、デュエグさんがいるなら行ってこい。安全なはずだ。しっかりとがんばってシオンちゃんも守って来るんだぞ?」
「わかった!頑張ってくるよ!」
ワクワクが止まらないな!
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俺とシオンはいつもの稽古場に戻ってきた。
「シオンちゃん、どうだった?」
「うちも良いって言ってくれたわ。あのデュエグって人もしかしたらすごい人なのかもしれないわね」
「そうだね、全然わからなかった」
そう、実際全然わからなかった。まあ今まですごい人なんて会ったことなかったからそれも経験不足なのかもしれない。
「おお、坊主ども。どうだったか?」
「俺のとこの親もシオンのとこの親も行ってこいって言ってたぞ。オッチャンがいるなら大丈夫だって。オッチャンってもしかしてすごい人なのか?」
「いや、全然。ただただこの村に近寄ってくる魔物を狩っているだけだ」
「ふ~ん、常日頃から魔物と戦っているわけだ。それをみんな知ってるってんなら安心か、んじゃオッチャンよろしくね!」
「おう、それじゃあさっそく行こうか」
こうして、俺とシオン、それとデュエグのオッチャンは村の外に向かって出かけるのだった。
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