第3話 シオンと一緒にお勉強

 俺は気づいてしまった。この世界に来て、全然勉強をしていないことに。この世界は12歳から17歳まで学校に行くそうなんだ。その学校では魔法の勉強と、戦闘訓練などをするようだ。

 言ってなかったが、この世界には魔王とかいう存在があったり、魔物が居たりする。俺はまだ見たことが無いが…。冒険者などの職業があったりするんだ。

 あとは、御伽噺に書いてあったんだが、魔王に対して勇者という存在があるみたいなんだ。この勇者は、別の世界から召喚されたようなんだ。どうにも髪の毛が黒く書かれているから、日本人系列なのかなと推測している。

 まあいい、そんなことは重要じゃない。俺はこの世界の一般常識を知らないということだ。なので…

 

 「シオンちゃーん、勉強しよー!」


 「いいわよ」


 よし、計画通り。


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 まずは、この世界の一年について話をしようと思う。この世界の一年は360日。30日が12ヶ月あるんだ。そして、1ヶ月は7日が4回とプラス2日。7日を一週間と区切って、中身が『月の日』、『火の日』、『水の日』、『木の日』、『金の日』、『土の日』、『日の日』と分けられている。そして、1日は24の時間に分けられている。これらは全て、召喚されてきた勇者が考えたみたいだ。もしかして、勇者さん地球人なの?まあ、こっちからしたら慣れてるし、都合がいいからいいんだけど。時間関係は日本とそこまで変わらないみたいだ。

 そして今は、いつだっけ?


 「シオンちゃん、今日って何年の何月何日だっけ?」


 「はぁ~、クラウン君。なんでわかんないの?今日は893年の10月9日だわ。先月お誕生日会やったわよね?覚えてないのかしら?」


 「あ、いえ、覚えてます」


 最近、シオンが冷たい。俺が何かしたというのか?

 先月、俺たち2人は誕生日だったのだ。俺が9月6日で、シオンが9月7日。誕生日が1日違うだけだから一緒に誕生日会をやったんだった。

 時間関係はここら辺でいいだろう。次は気候に関してだ。まぁそれほど詳しくはわからないんだがこの世界にも一応四季というものがある。それも大体日本と同じ感じだ。日本ほどの気温変化はなく、一年を通して過ごしやすいけどね。

 気候もそんなところだ。

 次は言語系統だ。言語は共通言語というのをどこの国も使っている。文字も数字も同じだ。今はその書き取り練習をしている。書き取りの方はするが、数字の勉強の方はしないでいいだろう。数字の勉強っていっても計算とかだからその辺は全部日本でやってきた。計算練習をしてないからシオンから呆れた目が送られてくるんだろうが…。


 「ねぇ、クラウン君、本当に計算しなくてもいいの?問題出すけど?」


 「うん、いいよ。出してみてよ」


 「むぅ~、わかった。じゃあ15+12は?」


 「27だよ」


 「当たってる。すごいわ!」


 「へへ、ありがと」


 シオンからの尊敬の目線が気持ちいいぜ!

 そういえば、この世界はマンガよろしく科学が発展していない。まぁ魔法が使えるからそういった科学的な発想が出てこないんだろう。科学は発展してないが、この世界には魔道具が存在する。そっちの方が発展してドライヤーとかトイレなどは現代日本となんら変わらないレベルまで発展している。これも召喚された勇者の影響なのかな?


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 「ご飯できたわよー」


 「「はーい!」」


 どうやらご飯が出来たみたいだ。シオンは現在俺の家にいる。週の半分くらいお互いがお互いの家を行ったりきたりしている。まあ隣の家だからね。寝るときも一緒に寝たりする。さすがにお風呂は別々だがな…。まあそんなわけで今日もシオンは俺の家でお泊りだ。今日は1日勉強したから、明日はみっちり稽古だな、そんなことを考えていたら夜も更け、ご飯も食べてシオンと一緒に寝ていたのだった。

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