タイトルの奴隷ハーレムを添えてが本当に添え物なのがなんともね。奴隷と言ってもありがちな何でも言うことを聞く、聞かせられる奴隷じゃなく、守秘義務をある程度遵守可能なブラックな雇用関係みたいな奴隷という設定の世界観だからこそ、主人公と奴隷(従者扱い)の距離感や関係性が凄くいい感じで面白い。個人的にはもう少しイチャイチャしてもええんやでと思います。
主人公は善人でも悪人でもなく自分第一で慎重な筈なのに危険に飛び込んだり、人を助けたりと主人公なりの倫理観?なのか、思うままなのか妙に人間らしいと言うか人間臭いとも言える。どこか壊れている様でもあり普通の人でもあるこの主人公の視点だけで物語が進むおかげか没入感を感じられる良い作品なので是非読んでみて欲しいです!
努力と工夫で少しづつ強くなって行く主人公が、身の丈に合った冒険を繰り返し、その中で又強くなっていく。ステータスやスキルの僅かづつの改善が、主人公にとってと同様に、読者にとっても楽しみだ。散りばめられた謎に導かれて最後はどこに向かうのだろうか、と大きなストーリーでも先が楽しみ。執筆の目線が地道で、表現も突飛な所が無く、安心して引き込まれて、色々なレベルで『楽しめる』作品。主人公の思考や会話も洒脱かつ現実的でテンポも悪くない。何度でも読み返したくなる。(そして読み返している。)それでも尚毎回、面白い。近頃の最推し小説です。