第68話 遊び

「やぁやぁやぁ! 元気かい?」


今日は結局、なんだか感傷的な気分になって、剣と魔法のトレーニングだけ熟して、夜にラムザを探すも空振りして就寝。

何もない1日だったはず、なのだが。


目の前には赤いカーペットに整理された本棚。高級そうな革のソファで優雅に足を組む白髪の人物。

また彼の異空間に連れて来られたらしい。


「いつも報告書に書き添えた質問は無視するくせに、急に呼び出しか? いったいなんなんだ」

「まーまー。基本的に君たちへの干渉は控えているからね、質問に答えられないのは事情があるのだよ」

「そうかい。ここなら質問に答えてくれると考えても?」

「ものによる、かねぇ……」

「……」


白髪のガキは、ゆっくりと足を組み替えて紅茶を啜る。


「今日来てもらったのはね……一応これ、注意しとかないとダメかなーと思ってねぇ」

「注意?」

「うん。何て言うかなあ。君、他の転移者と接触したよね?」

「……見ていたのか」

「いやいや、たまたま。どちらかって言うと、君じゃない方……金髪の彼ね。そっちを保護観察処分にしてたわけ。で、そしたら君に会ったと」

「ふぅん……なんで観察処分?にされてたんだ?」

「保護観察処分はたとえだよ? まぁいいや。彼は転移者であることを喧伝していてね……それがちょっとまずい方向に向かう兆しがあったものだから」

「転移者であることは隠した方が良かったのか? 俺はたまたま、隠す方向でやっていたが」

「そうだねぇ。どちらが望ましいかと言えば、あまり言い触らさないことかな? とは言っても、そこはある程度自由でも構わなかったのだけど……色々事情もあってね」

「そうか。それで、俺に注意したいことってのはその事か?」

「んー、違う。それも注意して欲しいけど……本題はね、あんまり転移者同士で慣れ合わない方が良いってこと」

「……んん?」


白髪のガキは眉を寄せた俺に皮肉気な笑みを向けると、もうひと口紅茶を啜って、小さく息を吐いて口を開く。


「あんまり最初からあれこれと行動を指定するのも干渉になるかなと思っていたんだけど……少し間違えていたよ」

「……?」

「言われてみれば当然のことなんだけどね。普通、人間ってものは群れるんだよ。何かと共通項を見出してね」

「転移者同士でつるむって話か?」

「そうなる。転移者が困窮したら、転移者同士で助け合おうというのはごく自然な発想だよね。……一部例外はいるけど」


チラリとこちらを見るのを止めろ。コラ。


「それでも転移した先も、転移元もバラバラなんだから……大丈夫だと思っていたけどね。頑張って集める人はいるわけだよ」

「転移者狩り……というか、保護というか、やった人がいるということか?」

「そのようだね。多分に運に頼っていたところもあったようだけれど、結構な数を集めたようだ」

「それで? それがダメだという話だったな。理由は?」

「危険だからだね」

「……誰にとって? あるいは何にとって?」


それまですらすらと言葉を紡いでいた白髪のガキの口がキュっと閉まる。そのまま数秒が経つ。


「……ハァ。話したくはないけど、話さないと話が進まないよねぇ」


また数秒が経過。今までなかったような不可解な反応に、走る緊張感。


「ハァ。危険なのはね、世界だよ」

「はぁ?」


なんじゃそりゃ。考えていたのとは次元が異なる回答に固まる俺。


「僕が何のために、君たちへの干渉を少なくして、色々と配慮していると? 異世界に影響を与えるということは、それだけ危険なことだからだよ」

「……ほう」

「なーんていうかね……君たちのような異世界の人間は、それだけで世界に歪みを与えているわけ。分かり易くまとめるとね」

「生きているだけで危険物ってことか」

「とは言っても、僕は出来るだけ歪みのないような人を選び、方法を選び、時と場所を選んで送っているわけさ。君が自由気ままにそっちの世界で暮らしたって、問題は起こりようがないレベルだよ。ただね、その歪みを集めて、広げようとしたら話は別」

「異世界人がつるむことが、その歪みを集めることに該当する?」

「だいたいそんな感じ。つるみ方、つまりどういう意識で何をするかっているのも影響しているんだけどね。そもそも集まらなければ問題ないから、そこはまぁ考えないとして」

「何人くらい集まると危険とか、そういうのは分からないのか? たとえばお互いに転移者と知らずに、付き合いが出来ることもあるだろう」

「知らずに集まるだけなら、何十人と集まっても大丈夫だと思うよ? 多分。でも、用心に超したことはないから、転移者同士で一緒に行動することは控えた方が良いと思うね」

「なるほど、特に集めようとしなければ大丈夫な範疇か?」

「そうだと思う。それに、その程度の危険なら、危ないとき何らかの形で僕が注意すればいい。それで、君の出会った金髪を助けるなら止めないけど、助けた後の関係には気を付けるべきだし、転移者を助けて回るといったことは避けて欲しい。それが僕からのお願い……警告、かな。最悪の最悪、僕が消すかもしれないし」

「どういう意味だ?」

「これは単純な意味だよ。存在を消すって意味。分かる?」

「暗殺?」

「まあそう。出来ればやりたくないけどね」


まじかー。というか、その気になればヤれるんすね、この人。空恐ろしいわ。


「俺は他の転移者とつるむつもりもないし、大丈夫だと思う。とりあえず目的は以上か?」

「そうだね」

「じゃあ残り時間、質問しても良いかね?」

「仕方ない、付き合ってあげよう」

「よし。そうだな、気になっていたんだが、本当に俺たちを送り込んだ目的に、使命とかはないんだよな? こっちの神話で魔王とか出て来てアレだったんだが」


あれ? 魔王は神話に出て来ないんだっけ? ちょっとこんがらがってる。


「魔王? へぇ~」


魔王と聞いた白髪のガキは、なんだか急にニヤニヤしだした。


「……なんだ?」

「いや、どの世界も考えることは似ているなぁってね」

「どういう意味だ?」

「1つ言えるとしたら、世界を滅ぼす魔王、みたいな存在はいないってことかな。もちろん、僕が知らないだけかもしれないけれど」

「確か、失敗した異世界から侵攻してくる王、みたいな位置付けだったが……魔物の発生と関係あったりしないのか?」

「さて。ないとは言い切れないかな」


まだニヤけ面を続けながら、曖昧な答えを返してきた。ああ、面倒だなぁ。


「お前の知る限り、いないという答えでいいんだな?」

「なんだ、つまらない。もっと喰い付いてくれると面白かったのに」

「……。2つ目、というか今さっき思ったことなんだが。今回みたいに転移者につるまれたくないなら、そのつるんでいる奴もこの空間に呼び出すなりして注意すれば済むことじゃないか?」


そう言うと、ニヤけ面を引っ込めてやや苦い表情を出してこちらに向き直る。


「そうだね。簡潔に答えると、この空間でのコンタクトにはいくつか条件がある。君とのコンタクトも大変だが、まぁ可能だ。だが他の人もそうとは限らない。それで答えとしよう」

「ほう?」

「そもそも呼び出して言う事を聞いてくれるかって問題もあるんだけどね。知っているかい?一部の転移者は僕の事、『邪神』って呼んでいるらしいよ。神じゃないって説明しているのにねぇ」

「……ほう」

「誤解しないで欲しいけど、僕が彼らに何か不利益を働いたわけじゃないからね。自分の望んでいた神と異なるとか、自分が失敗したのを誰かのせいにしたかったとか、そういう鬱屈した感情による結果さ」

「なるほど」


邪神ねぇ。

確かに、こいつが善性のものだと判断できる要素はない。

ないのだが、ここで話を考えていても判断できないし、そもそもこいつを疑っても状況が好転するとも思えないので、気にしないことにしよう。


「3つ目の質問だが、これはずっと疑問に思っていたんだがな。神かどうかは置いておいて、お前のように人を異世界に転移させる者や、こっちの世界のシステムを作り上げるような存在はいるわけだろう? この世界の偵察のようなことをして、そういう上位の存在に目を付けられる可能性はないのか? あるのだとしたら、何かそれ系のトラブルを回避する対処法はないのか?」

「なるほど。そういう視点になるわけだね。ちょっと新鮮だよ。結論から言うと、目を付けられる可能性はないと思う。ただ、システムを作り上げたり維持している存在とコンタクトを取ったわけではないから、異物として何らかの対処をされる可能性はゼロではない……かな。ゼロに近いとは思うけど」

「ゼロに近いと思う根拠はあるのか?」

「ない。いや、あると言えばあるかな。でもちょっと開示できない情報を含むから説明できない」

「……なるほど」


なんとも判断に困る感じだな~。

曖昧な部分は聞かなかったことにして情報を整理すると。

他の上位存在に目を付けられることはない。理由は説明できないがほぼ確信している。ってことか。問題ないってことだな。問題ないならいいか。


「4つ目に……あぁ、色々訊きたかったはずなのにいざとなると出て来ないな。全く。ええと、転移者同士でつるむ以外に、やられたら困ることとかないのか?」

「うーん。ない、かな。よく考えたらあるかもしれないけど……まぁ、歪みを広げるような真似をしなければ、好きに生きておくれよ」

「ああ……あ、そうだ! 1つ、訊きたかった事を思い出した。いろんな転移者からこっちの世界の情報も行っているわけだろう? ステータスやジョブのシステムについて解析してたりはするのか?」

「うん? 多少はね」

「そうか。例によって余計な情報はくれないのかもしれないけど、教えられる範囲で解析結果を教えてくれる気はないか?」

「うーん。どういうことが知りたいの?」

「そうだなぁ。そもそも、システムって何なのか、何のためにあるのか。そこから知りたい気はする。後は『干渉者』ジョブについてとか分かってることがあれば知りたい」

「個別のジョブについては答えられないよ、解析もそこまでしちゃいないし。君の言う通り、あんまり余計なことは言わないようにと思っていたんだけど……」

「……」

「君の熱意に応えて、1つだけヒントをあげようかな~」

「ヒント?」

「僕の予想だとね、『遊び』だよ」

「……遊び?」

「親切もあったかもしれないね。でも、どー見ても遊びでしょ、あれは」

「どういう意味だ?」

「はい、ヒントはここまで。質疑応答もこの辺で良いよね。だいぶサービスしてあげたつもりだよ。今後ともヨロシク?」

「チッ、分かったよ」


今回もさっきまで存在しなかった出口が現れ、それを潜るとベッドの上に帰還していた。

……あの空間に行っている間、肉体はどうなっているんだろうか?

ちょっと気になったが、確認する術がない。

夜に起きているドンと意思疎通できれば確認することもできるのかもしれないが。

……出来るかな?



部屋の隅で寝転がってエサを齧るドンに無理を言って付き合ってもらい、はいなら右手に鼻を乗せる、いいえなら左手という手段で意思疎通を図ってみた。

夜中、俺の身体が急になくなったりしなかったか? あるいは、それ以外に不思議な現象は起きなかったか? と。

確認した限りでは、ドンがそのような異変はなかったと答えた。


精神だけ移動しているのだろうか?

魔銃を渡されたときなんかは、物理的に魔銃を受け取ったはずなので、そのへんはどういう理屈になっているのか……。

謎が深まっただけであった。



いつまでもラムザを探しているわけにもいかない。

ということで、見つからなくても明日には一度泊りがけでの狩りに出るつもりで準備をする。

残金を数えると、金貨2枚、に少し足りない。

ギルドでの手続料だ、なんだと消費していたからなぁ。


消耗品を補充し、向かうのは魔道具を扱う店。区画が整理されていないので、目当ての店を探すだけで一苦労である。やれやれ……。


「こちらではないでしょうか?」


サーシャが、ギルドの人が書いてくれた簡単な地図と睨めっこをしながら看板を仰ぎ見る。

2階の窓から垂らすように掛けられたそれには、赤字で『イマニ・ムーニュ』とある。

たぶんこれっぽい。


「ごめんくださーい」


返事がない。


「もしもし~?」


パタパタと足音が聞こえ、奥から作業服姿の短髪女性が奥から顔を覗かせた。


「ありゃ、お客さんー? ごめんだけど、今受付の人が休憩中でさぁ。ちょっと中入っておいて」

「お、おう」


中に入って、カウンターのようになっている場所の椅子を勝手に拝借する。

周りには商品らしき魔道具がいくつか無造作に置かれており、商談ができそうなのはこの小さなカウンタースペースのみ。あまり商売っ気がなさそうだ。

観察しているうちに、先ほどの短髪女性がタオルを首に掛けて汗を拭く動作をしながら、盆に茶を乗せて運んで来た。


「どうぞ、サービスだよ」

「どうも」

「そちらの女性もね」

「ありがとうございます」


口を付けて啜ってみると、渋みがありつつ、華やかな香りのするお茶っぽい何かである。


「美味しい」


サーシャがそう零すと、短髪女性もからりとした笑顔を見せて自分も茶を口に含み、長く息を吐く。


「ふぅー、さて。お客さん、という事でいいんだよね?」

「ああ。魔物狩りのギルドで魔道具をメンテナンスできる場所を聞いて来たんだが」

「ああー、なるほど。この辺じゃウチくらいかもねぇ。物は?」


膝に立て掛けるようにしていた魔導剣を持ち上げる。


「この剣と、後このヘルメットも見て欲しい。こっちのサーシャのマジックウォールの腕輪があるんだが、それのメンテと磨いた魔石も買いたい」

「おうおう、一仕事だね。剣とヘルメットは魔道具だよね?」

「そうだ。剣は魔導剣で、切れ味の向上と魔法が使いやすくなる機能がある。ヘルメットは初めてメンテに出すから、不明な点も多い。隠れた機能がないかの調査もできるなら頼みたいが」

「何? 機能分かんないの? 拾い物かなにか?」

「露店で買った。単に視界を妨げない機能かと思っていたが、使っていると気付く能力もあってな」

「ほうほう。掘り出し物ってわけね。面白いじゃない。見た目は変だけど」

「だな。最大の欠点がそこだ」

「で、気付いた機能って?」

「視界が開ける他に、呼吸が楽、若干の暗視機能かな」

「暗視機能? 確かに眼の辺りに何かありそうな形状してるもんね~」

「機能のオンオフが出来るのか、防御能力がどんなもんかも調べられるなら知りたい」

「オーケー。堅さを調べるのはちょっと怖いから、防御能力はアバウトにしか調べられないけど。やれる範囲で調査してみるよ」

「たのむ。料金はどれくらいだ?」


少し考えるようにしてから、短髪女性は卓上の紙の切れ端に数字を並べて計算しだした。


「調査とか試験とか、どこまでやるかにもよるんだけど~、とりあえずメンテはそれぞれ銀貨10枚で良いとして。あ、腕輪は単純そうだから半分でいいよ。5枚ね」

「おう」

「面倒なのは調査だよね~、今、考えてる範囲で計算してみたけど。12,3枚くらいあれば色々できるかな」

「魔石は?」

「それもあった。ちょっとその腕輪見して。うーん、標準で良さそう。1個銀貨2枚ってとこじゃない?」

「じゃあ、10個、いや20個くらいくれ」

「まいどー、合わせて……合わせていくらになる?」

「おい、大丈夫かよ。メンテで25枚、調査で12枚、魔石で40枚だろ? 計77枚だな」

「ほおー、ありがと。多分これで大丈夫だと思うけど、一応担当が来てから契約してもらっていい? 最近勝手に契約するなって怒られるんだ」

「あーうん」

「とりあえず、時間勿体ないしメンテからやっちゃおうか! 腕輪くらいならチャチャっとできるよ」

「剣とヘルメットは?」

「出来れば、何日か貰いたいな」

「じゃあ、両方預けるから剣は明日までにお願いできないか?」

「うーん、いいでショウ! 昼は無理だから、明日の夜までね」

「あー、了解」


明日出るのは無理か。もっと早くに来るべきだったな。


「じゃあ、奥で作業してるんで宜しく~。多分もうすぐ帰ってくると思うんだけど……」

「了解」


少し待っていると、外で休憩していたと思しき着物のようなものを着た若い男が奥から出てきた。

顔はオリエンタルなアラブ系の顔で、左程目を引くような容姿ではないのだが、背中に羽根がある……。立派なやつが一対。


「どうもどうも、昼飯食いに出てて、悪かったね」

「いや、それほど待ったわけじゃないから」

「で、話は聞いたけど。銀貨77枚でメンテと調査、魔石の購入ってことでよろしい?」

「ああ」


男は満面の笑みで接客してきたが、ふと笑みを崩して苦笑するような表情になる。


「実はもうちょっと高いんですけどな、あの馬鹿が適当に計算してからに……。ま、サービスしときます」

「お? そうか」


嘘か真か分からないが値引き価格だったらしい。どうだろう、むしろ高く計算されてる可能性もある気もするが。言わないけどさ。


「魔石は後で、腕輪の返却と一緒に渡すとして。他に何かある? 待っているのも暇でしょう」


両手を合わせて揉むような動作をしながらまた笑顔になる。分かり易いポーズだな。


「そうだな……あまり金に余裕がないのだが、その辺の魔道具の説明をしてもらおうか」

「そうこなくっちゃ。今の目玉は何と言ってもコレよ!」


そう言って男が引き寄せたのが、小さめの木箱のような魔道具。中に何か入っていて、見た目はオルゴールのよう。


「驚くなかれ、こいつは魔力回復機! 魔石をここにこう……入れて、回してこっちの出っ張りを掴んでいると……魔力が回復するって寸法! 便利だろう?」

「魔石の魔力を自分に移す道具か。1つの魔石でどれくらい回復するんだ?」

「そりゃ……これくらいの魔石で、ちょっと……くらい……?」

「ちょっと?」

「数値にして、1か2くらいだって聞いたけどね。いやいや誤解しちゃいけませんよ、少なく聞こえるが、いざという時に1や2あるかないかは生死を分ける差ですよ」

「それはそうかもしれんが」


マジックウォールの魔道具に使うものより1回り大きな魔石を使って、1か2か……。変換効率は悪いな。

いざという時の補給先があるというのが便利なのは否定しないが。


「その道具の値段は?」

「こいつが金貨1枚ジャスト! 安いだろう」

「そうか?」


魔道具は高いものだから、金貨が出ていくのも分かるが。

効率の悪いMP回復装置、魔石別売、で金貨か……。ちょっと食指が動かない。


「うし、腕輪のメンテは終了だよ」


店の奥から、腕輪と魔石を持って短髪女性が現れた。


「特に痛んだところもなかったし、丁寧に使っているのも分かったしね。これなら銀貨3枚でいいや」

「おい、勝手に……」

「ごめーん、でもぼったくって将来の客逃してもさぁ?」

「分かったよ、でも勝手に値切りするなといつも言ってるだろうが……」


羽根の男とイチャイチャしだしたので割って入り、銀貨43枚を渡す。


「残りは現物と引き渡す感じで良いか?」

「ああ、明日の夜以降に取りに来て。でもあんまり遅いと寝てるよ」

「了解、夕食前に寄ることにするよ」


短髪女性と言葉を交わして店を出る。

……腹減ったな。


「何か食って行くか」

「はい」


サーシャがややテンションを上げて返事をする。

さて、何を食うかな……。


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