第2話目先の幸せが自分の首を閉める
最近肌寒くなってきて、布団の中から出られなくなっている。
元々、寝起きは悪くてどんな気候だろうと目覚ましが鳴ってから起き上がるまでには時間がかかる。秋冬はそれがもっとひどくなるのだ。
寒い時期の布団の中ほど好きな空間はないかもしれない。というぐらいに、朝の意識が半分夢の中にある時の布団の中は私にとって最高の空間なのだ。
朝の仕事や学校に出かけるまでの時間の過ごし方は人それぞれ。男性なら起きて食事を済ませ、歯磨きをして着替えたらすぐに出かけるという人も多いだろう。
反対に女性は多種多様なのは言うまでもない。既婚か未婚か。独り暮らしであるか。それだけでもかなり違ってくるだろう。
私は朝は出発の2時間前に目覚ましをかけるようにしている。起きたら着替えをして、食事をして、お化粧をして、髪を整えて歯磨きをする。これだけでも私は1時間以上かかってしまう。全て終えたら犬の散歩をし、ゆっくりしたあと家を出る。
ここから本題になるのだが、はじめに述べたように私は寝起きが悪い。寒い時期はなおさらで、布団の中から出たくないのだ。2時間前に目覚ましをかけても、余裕で間に合うからと目覚ましが鳴っては起き、5分後にアラームをかけ、鳴っては起き、鳴っては起きの繰り返し。結局起きるのは出発の1時間前になるのだ。慌てて準備をしてバタバタと家を出る。本当はゆっくり準備をして出たいのに、布団から出たくないのであと5分、あと5分と眠ってしまう。
その5分ごとの間に眠っているのかというと、うつらうつらしているぐらいで睡眠時間が増えているわけではない。ただ、その布団にいる時間が少しでも増えるのが朝の私にとっては幸せなのである。何にも変えがたい幸せなのだ。
そんなに眠っていたいのなら、出発の1時間前に目覚ましをかければいいのに。と思われるだろうが、それはまた少し違う。目覚ましで起こされたあと、もう少し、もう少しと布団にくるまれるのが幸せなのだ。
羽化不全 田鯉 広菊 @kaoru30ji
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