ビールを美味く感じる瞬間

 昨日、私は人を殺した。


 夢や希望というキラキラしたものを未来に見ていたそいつを、私は殺した。


 未来を知っている私は、そいつの肉を裂き、臓物を抉り、山に埋めたのだ。


 日を跨ぎ、現在は午前二時。


 適当な居酒屋に入り、生ビールを飲み干す。


 その時、初めてビールを美味いと感じた。

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