童貞の行進曲

 童貞の行進曲マーチは今日も行く。


 見栄っ張りな指揮者が指を振れば、臆病な旋律が響き渡るのだ。


 鼓笛隊は妙に大股で闊歩し、誤ったリズムを刻む。


 観衆は嘲笑や嫌悪など様々な反応を見せたが、称賛の拍手が起きることはなかった。


 それに気付かない音楽隊は誇らしげな顔で歩を進める。


 童貞の行進曲は明日も鳴り響くのだろう。

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