(2-9)決戦!交差する敵意、迎える終焉 その2
時は遡る。
花々さんが戦いと逃走劇を繰り広げた日の前日。
私は布羊さんと目的地へ向かって下水道を移動していた。
「はぁ、臭いぃ。桜ちゃんはなんで平気なのぉ?」
のほほんとした口調で鼻をつまみながら話す布羊さん。
「私は学園に入る前は野宿とか平気でしてたし、その時にたまに地下水道で寝たりもしたから。」
「ひょえぇ、大変だったねぇ。桜ちゃんは優しいから私達に愚痴のひとつも言わないの。だから私が聞いたげる!」
「ふふ、ありがと布羊さん。」
そこでふと立ち止まった布羊さん。何事かと後ろを振り返れば、何故か不思議そうな顔をしていた。
「どうしたの布羊さん。」
「んーとね、この壁の向こうで、声がする。まだ生きていたいって。ちょっと開けてみるね。」
止める間もなく、布羊さんが壁に手を着いて念を送る。途端に壁を構成していたコンクリートが砂に変わりさらさらと崩れていく。そういうことすると地下水道が壊れて生き埋めになるからもうやめてねと後で注意しないと。それよりも今は壁の向こうに現れて空間の方が問題だろう。そこには小部屋と呼ぶべき空間が広がり、そこには手足を縛られた小鳥遊さんの姿があった。
「ちょっ、大丈夫!?」
突然のことに動揺し、とりあえず声を掛けてみるがどうやら返事はない。どうやら死んでしまっているようだ。誰がこれをやったのか見当もつかないが、相談するために布羊さんの方へと振り返る。だがしかし、布羊さんの視線は知らない人を見ているようだった。
「なんでこんなところに人が監禁されて死んでるの?」
「それは私が知りたいっていうか、あなた覚えていないの?昨日会った小鳥遊さんだよ?」
「え?昨日会ったのは佐竹美鈴ちゃんだけじゃないですか?」
そんなことないと言おうとして、私は再度死体を眺める。その顔の記憶は、私の頭の中のどこにも無く、よくよく考えてみれば、ただ見知らぬ人が死んでいるという事実だけが残っていた。どうして私は知り合いだと思ってしまったんだろう。薄暗いこの街のことだ、レジスタンスの暗部がこれを行った可能性もある。やはりあの組織は信用できないな。小部屋をでて、布羊さんになるべく元通りに戻してもらう。彼女の能力は幅があり応用が利く、便利づかいして申し訳ないとおもいつつも、歩みを進めた。死体を残したまま、その真実に触れないまま、歩みを再開してしまったことを、私はこの先遠くない未来で後悔することになるのだった。
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程なくして地上の空き家へとつながる階段を上り板を押し上げて室内へと侵入する。雑然とした部屋の物陰に器用に隠されたこの出入り口。探そうと思って探さないとこの床下の入り口は絶対に見つからないだろう。丁寧に入口をふさいだ後、私達は人目を気にしつつ外へこっそりと出た。
ここは皇城周辺。日本の政治機関が集められ、大日本帝国の国家元首として君臨する天皇様が暮らしているとされる城の周辺の街である。ここらは常日頃から兵士が巡回するおかげで治安が比較的穏やかだ。ただし物価や土地代の水準が高いため、必然的に金持ちばかりが集まっている。戸建ての住宅や商業施設は軒並み門番らしきものがいるあたり、よほどの金が有り余っているようだ。
そして城をぐるっと囲むようにして現代の技術が詰め込まれた城壁が建てられている。この城壁は侵入者を許さず、法を犯してまで侵入するものを問答無用で処刑するための機関銃などが組み込まれている。逆に超えようとしなければ割と近くまではいけるし、ここは有名なランニングコースでもある。昼間でも元気に走っているおじいちゃんたちが目につくし、ここで走ったとしてもヤクザ達に襲われたりはしない。金さえあればここに住める、そして安全が確保される。貧富の差は以前にもまして拡大したようだ。
そのことは一旦置いておいて、今は下準備だ。
「布羊さん、巡回はしばらく来ない。ぱぱっとお願い。」
「ほーい。そいやぁー。」
地面に手をついて気のの抜ける掛け声とともに異能を行使していく布羊さん。地中深くまで浸透させなければいけないためか、いつもより長い時間をかけて地面に語りかけていく。それが終わると壁に手を着き先ほどと同じように異能を行使していく。一日寝かせておかなければならず、その辺の調整も含め異能を行使していく。見た目ではわからないが、おそらくここら辺の地面と壁はいまものすごく不安定な状態だろう。それこそ大きな振動でもあれば一気に砕けるくらいのは。
「うむぅ。これで地震がなければ明日まで持つと思うー。疲れた、桜ちゃん負ぶってぇ。」
「私は茜ちゃんとか花々さんみたいに馬鹿時からじゃないから。こんなこというと怒られそうだけど。」
「そっかぁ。仕方ないねぇ。それならどっかで休憩していこうよぉ。ここら辺ならヤクザさん達も来ないんでしょ。」
「そうだね。それでもあんまり長居はできないから。そこのカフェで少し休んだらすぐ出発するからね。」
「やったぁ。私ココアね!」
「私は、ミルクティーでいいかな。」
目的は果たしたので少しだけご褒美をあげてもいいだろう。それに私は明日のために地図とにらめっこしなきゃいけない。布羊さんの他愛ないおしゃべりを聞きつつ、地図にいろいろ書き込んで、私達はカフェを後にした。
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「と、言うことで協力をお願いしたいのだけど。」
「なるほど。それはとても面白い提案だ。しかし、危険がないとは言えない。あちら側の異能力者がすべて出払うとは限らない。彼らは自身がどれだけ大勢に狙われているか知っている。だからこそ護衛を外すことはしないだろう。」
「そのために、これから下準備をするところです。あなた達の協力に見合うだけの対価は十分ですし、そちら側はただ引き金を引くだけ。良い返答を待っています。ではこれで。」
優雅に一礼し、部屋を後にする。外で待機していたレジスタンスの構成員に黒い布をかぶせられ、手を引かれ車に乗せられる。10分ほど揺られたところで車から降ろされ布を取ってもらう。寂れた住宅街の一角。そこの一つの建物に入り、見慣れた地下水道に降り歩くこと15分ほど、地上に通じる階段を上って扉を開ければそこは見慣れた部屋だった。
「おかえり御堂さん、話し合いどうだった。」
「あなたは・・・?」
部屋に入るなり、引き絞った体の清々しい顔をした青年が声をかけてきた。髪は長髪の部類で、すこしばかり茶色い豊かな髪質。そのすべてがいかにも作られたかのような笑顔によって台無しにされていた。私は不信感を持って誰何する。
「嫌だなー。僕だよ御堂さん、小鳥遊羽鎖!昨日ヤクザに追われていたところを助けてここに連れてきたじゃないか。佐竹美鈴と一緒に暮らしてて、レジスタンス活動をしているって昨日も同じこと言ったよね?」
「ああ、そう、だった。ごめん、どうかしていたよ小鳥遊さん。」
「いいよいいよ、よくあることさ。意外と印象薄いんだよね。」
そういってひらひらと手を振ってキッチンに向かった小鳥遊さん。ひょろっとした体躯に栄養が足りてなそうな覇気のない顔立ち。だけど優しい声と気遣いができる今時のイケメンって感じの青年をどうして私は忘れてしまったのだろう。だけどそのことは小鳥遊さんが出してくれたコーヒーによって綺麗さっぱり忘れ去られてしまった。
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一服してすぐに私は布羊さんと茜ちゃんを連れて拠点を出た。向かったのはヤクザ達のアジト。厳戒態勢をしかれたその建物は、まさしく要塞と言えるだろう。監視カメラが設置されていたり、護衛代わりのヤクザの下っ端たちがたむろしたりしている。中には罠だってありそうだ、さすがに普段使いするところに罠は設置しないか。ともかく、遠目から見ても侵入は難しそうな家に、とりあえず私一人でせんにゅうすることにした。
集中状態に入り、外のヤクザ達を避けて進んでいく。中に入ってみればまあ普通の事務所って感じだった。そこかしこに金色のオブジェがあったりしてちょっとダサい。一通りみて、異能力者っぽいやつらがいないことを確認してから外に出る。やはり一か所襲われたぐらいじゃ異能力者を配備するまではしないか。それでも人員は増してるし、きっとこれが普通の対応なんだろう。
急いで茜ちゃんたちの元へ戻り、とりあえずいけそうだということを伝える。ということでまた集中状態に入り、布羊さんと茜ちゃんを事務所内に入れてあげる。ほんと、人を運ぶのがなんだかんだ言って一番疲れる。ほんと私の苦労は他人に伝わらないから本当に悲しい。そんなことを考えても仕方ないので慎重に事務所内を進んでいく。時折ヤクザ達に出会うも、茜ちゃんが即座に制圧、音を聞きつけてきたやつは私が処理し、適当な部屋に押し込んでいく。
そしてあらかた片付け終わったことで布羊さんの力を使って金を盗んでいく。ヤクザ達のヘイトを集めることが今日の最大の目的だ。もうどんどん事務所を襲撃し金を盗んでいく。あらかた取って、異能の疲弊で私と布羊さんはバカ食いして早寝した。きっつ、てかめっちゃお金持ち。
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よしよし、昨日の疲労はしっかりと取れている。今日は作戦の決行日。花々さんより先に家を出て、目的地へと足を向ける。最近私歩きすぎだなぁ。今日の作戦が終わったらしばらく私はゆっくりとしよう。そう決めながら私は気持ちを引き締めて、単独でヤクザの事務所に侵入していく。
もちろん、今まで襲ってきた、いわゆる支部的なところではない。
連理会総本山、連理御殿。そこに私は来ている。本日の二大ビックイベントの一つを前にして、気負いは全くない。さて、突入。
「はぁい。私は異能力者でーーーす。」
元気よく手を振りながら登場。途端に御殿の門を守護する複数のヤクザが制止の声と共に銃を構える。いやいや、M4A1とな。ARを出すならわるっぽいAK47とかにしてほしい。まあ、銃の知識なんてそんなにないからどっちでもいいっちゃどっちでもいいけど。
「おい!女!打たれたくなかったらさっさと帰れ!ここはてめーみたいなやつがくるところじゃねーんだよ!」
「いやいや、帰れって。異能力者に現金が奪われたってこと、下っ端には伝わってないのかなぁ?」
「ああ?何言ってん・・・」
「どきな。」
門を開けて大柄な男が話を遮る。大男の顔を見て門を守っていたヤクザ達が一瞬にして道を開け、そこを堂々と大男が歩く。一同の先頭に立ったところで大男が口を開いた。
「あんた、この前見た女の集団にいたな。女の顔を覚えるのは得意なんだ。それに何人かは俺のドストライクだったしな、お前は二番目だが、そんなことよりよ。人様の物奪っておいて、随分と堂々とした登場じゃねーか、ええ?」
「ははは、君が出てきたってことは異能力者ですっていう自己紹介は成功だったみたいだね。私が一連の現金強奪の首謀者。んで、そのことについて少し君たちのボスにお話があるんだ。君からなら話、通してもらえるよね?」
「はっ、俺がただの下っ端だっだらどうすんだ?異能力者は皆同世代、つまりかなり若いわけだ。それなのに、どうして俺が・・・」
「別にあなたが出てきてほしかったわけじゃない。でもあなたの方が話が通じるって思ったからこうしたまで。そんなことよりも、お金、返してほしくない?」
「・・・ちょっと待ってろ。」
私の提案を受けて大男は電話をかけ始める。少しの問答の後、大男はついてこいと言って背中を向け歩き始めた。
「随分と剛毅な性格なんだね。謎の異能力者に背中を向けるって結構勇気がいると思うけど。」
「話をしたいってやつが、交渉相手の背中を見た途端に襲い掛かってくるわけないだろ。それに、俺は強い、それだけで背中を見せるには十分な理由だろうが。」
「荒っぽいね、好きだよそういう漢らしいの。」
「俺はてめーが好きになれねーな。なんもかんも隠して話しやがる。女ってのは自分の欲望に正直で、泣いて笑って飛び切りの感情を迸らせてるのが一番そそるんだ。ここまで何も見えないやつはもう女に見えねーな。」
「ははは、今時そんなこと言うとセクハラで訴えられるよ?」
「なら俺は強盗の罪で訴えってやるよ。」
「確かに、それならあいこだね。」
庭園を抜け、建物内を歩きながら会話を試みる。意外と話してくれるからつい興が過ぎたよ。それにしても私そんなに感情が見えないかな。普段は表情に気を使ってるんだけど。まあどうでもいいか。それより、今にも私に噛みついてきそうなヤクザ達がそこかしこから睨んできてて居心地悪すぎなんですけど。
「ほら、ここだ。行っとくが不用意な行動はすぐに死につながると思っておけ。」
「あい。了解したよ。」
「はぁ、お前ほんと度胸あるのな。普通こんな状況じゃ誰も話せないぞ?」
「まぁ、何のために来たんだって話だからね。とりあえず、入るよ。」
扉を押し開き、中に一歩踏み入る。前方には長方形の座敷が広がり、左右には強面の幹部らしき人たちがずらっと並んでいた。それらに混じって数人明らかに若い奴らが混じっている。おそらく異能力者だろう。よくもまぁこれだけの人数を集められたな。というかみんなスーツの中で一人だけぴったぴたのライダーススーツがいるんだが。髪の色といい、やばい奴感満載だ。
そして座敷の一番奥には、当然だがどっかりと座ったダンディーなおじいさんがいた。
煙草をふかし、毛皮のコートを羽織ったその姿はまさにヤクザのドンという感じがしていいね。とりあえず、一発かますか。
「始めまして、私が現金強奪の首謀者です、てへ!」
集中状態に入り、ドンの手前までやってきて挨拶をする。あ、集中状態解除するの忘れてた、てへ!
「始めまして、私が現金強奪の首謀者です、てへ!」
改めて自己紹介をする。驚き慌てふためく周囲。中には異能を発動させ私に向けるやつらもちらほら。
そんな中ドンだけは堂々としたものだった。私の目を見てにやりと笑うと片手をあげて周囲を黙らせる。煙草の煙を吐き出し、私に話の続きを促した。
「さて、めんどくさいので前置きは無しにします。私達はお金に困ったのであなた達から奪いました。しかし、私はチームから追い出され、さらに一円も貰えませんでした。私の異能ではお金をすべて取り戻すことは難しく、悔しさから仲間の素顔を写真に写し持ってきました。つきましてはやつらをぶっ殺して私を組みに入れてください。とりあえず写真はここに。それと身の安全が保障できないので私はこれで消えますから。」
「まあ、まてや。随分と肝が据わった嬢ちゃんだ、大層苦労したんだろう。すまないがもう少し老体と話をしてやくれないか?」
「いいですけど。話とは?」
「そうだなぁ。てめーがやらかしたことを許すにしても組に入るってだけじゃ収まりがつかんやつも出てくるだろう。そうだなぁ、狂士郎にてめーの操、捧げるってのはどうだ。狂士郎の女になるってんなら誰も口出しできないだろうからなぁ。女としては屈辱的だ、受けれねーってんならこの街歩けなくなるが、どうするかい?」
「んーー、良いよ。ただしちゃんとあいつらをぶっ殺してくれたらね。」
「決まりだな。狂士郎、てめーの女が出来んだ。口を挟むな。」
「んな!・・・わかりましたよ。」
不満顔が丸出しな大男、もとい狂士郎君。嫌いだって言ってた女が自分の物になってもそりゃ嬉しくない。しかし話の流れ上必要な事だったんだ、許してくれよな。
「他には?」
「俺達にぶっ殺させてとんずらされても困る。最後はお前の手で殺せ。その時にお前の持ち物はこちらで預かる。そうすりゃ逃げても一文無しのお前はここにいるしかなくなる。異能力者を縛るのはここらが限界だろう。世知辛い世の中になったもんだ。ああ、それと・・・裏切ってみろ、必ず殺す。」
最後の最後でとてつもない迫力を伴った脅しを掛けてきた。
「解りました。それじゃ、手始めにこの女を追いかけてください。こいつ以外は大して戦闘能力は無いのですぐ捕まります。適当にこいつを拷問して、情報を吐かせちゃってください。」
「拠点の場所を教えてくれた方が早いんだが?」
「私が追い出された後に場所を変えたようで。この街は潜伏しやすい街ですから。それじゃ本当におさらばしますよ。」
そう言って私は全力疾走で屋敷を出る。しばらく走って物陰に隠れたところで、息を吐いて心臓を落ち着かせる。
「ひょええ。さすがに怖いよ。なにあれ、殺すって言葉の重みが違うよ。ああトイレしたい。緊張したぁ。」
ヤクザのドンともなるとこうも違うのか。人生で間違いなく一番ビビったよ。異能力者相手に戦闘してた方がまだまし。怖すぎて早く帰ろうと必死だった、二度とああいう輩には関わりたくない。
さてさてここからは加速度的に忙しくなりますよぉぉぉぉ!!!!!
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一時間ほどたっただろうか。近場で、というか私がいる建物の真下でドンパチ始まる。よく見てみれば数人の強面の大人たちが少女に向かって発砲しているではないか。
だが、恐怖映像はここからだった。少女の手には真っ黒な日本刀が握られていた!そしてそれを目にもとまらぬ速さで振るい銃弾をすべて打ち落とす!
もう何がなんだかわからないね!
冗談はさておき、ここからは私も忙しい。花々さんを追ってどんどんとヤクザ達が集まる。もちろん私が仕組んだことだ。花々さんをヤクザ達に追わせ、集団が膨れ上がることでそれに反応した治安維持部隊を召喚。その集団を操って次なる目標へとぶつける。といった作戦だが、花々さんがおい込まれすぎないように適当に敵を間引くことが私の仕事だ。全力で移動する花々さんを、建物の上からパルクール上級者も驚く身のこなしで追跡する。そうして時折膨れ上がったヤクザ達の後方にいる幾人かを裏路地に引きずり込み夢の国へ直行してもらう。
しばらくそんな作業をしていると、花々さんが複数人の異能力者に囲まれた。いやーこれはマズイ。花々さんはとにかくこっそりとヤクザの下っ端を間引きに間引いた。先頭に集中している花々さんやヤクザ側の異能力者たちは一切気が付いていなかったが、かなりの人数を間引いたため銃弾によるシャワーのような弾幕が雨漏りくらいの量になってしまった。さすがにやりすぎたかと思うが異能力者たちの怒涛の攻勢にさすがの花々さんも負傷が目立ちだした。これで私が下っ端たちを黙らせていなかったら今頃花々さんは天へ召されていた。結果としてバレなかったし、うん、成功成功。
お、花々さんが新しいスタイルを晒した。うひゃー手足が全部刀って、どういう運動神経してたら刀二本で立てるんだろうか。それに動きも洗練されてるし、何より普通四肢が刀になったところであれだけの手数を増やせるわけがない。花々さんてば、すごすぎ。
ズドーン。でっかい音とともについに治安維持部隊が姿を現した。いま花々さんがぶったおすところだったのに邪魔ものが現れたか。まあいい。いよいよ仕上げだ。
私は踵を返し、再び花々さんの補助に回った。花々さんの勝利を信じ、建物の上から飛び降りる
と、危ないので普通に階段からおりましたとさ。
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