第2話突然だから事件なんだ。
ノワールと川へ向かった。
自由研究を一緒にやる約束をし
手をつなぎ歩いていると雲行きが怪しくなり
雨が降ってくる。
「避難小屋でやり過ごそう」
「そうね、カミナリ怖いわ」
この避難小屋は川より高い場所にあり
増水時に避難する場所でここからは
エデン城が良く見える。
バリバリドドーン!
窓の外を見ると黒い雷が城の方に落ちた。
「ねぇ今カミナリ黒くなかった?」
「空が黒いからそう見えたんじゃない?」
「そうかな?」
すると雨の粒が空中に停止している気がした。
「ねぇノワール?雨が空中で止まってない?」
「んなわけないでしょ!」
「でも・・・ほら」
僕とノワールは扉を開け外に出た。
「ほ・・・んとだ」
ノワールは口を開けていた。
「ね?こんなの見た事ないよ」
その時城のカミナリが落ちた上空に無数の黒い煙が雲の様に
散らばるように消えていく。
「みた?黒い雲」
ノワールは雨粒を見ていた。
「え?見てなかった」
すると停止していた雨粒は再び降り注ぎはじめた。
「わわわ!落ちてきた!濡れる!中戻ろう!」
ノワールが振り返った瞬間
目の前には真っ黒な大きな瞳をした蜘蛛が現れた!
僕は慌ててノワールを引っ張ると扉を閉め
下駄箱に隠れた。
(く、くもでかい・・・見つかったら殺される)
ノワールは僕が手を引っ張って鍵をなぜ閉めたのか
わかっていなかったので説明した。
『巨大グモ?』
「もう声出しちゃダメだ!隙間から窓を見て」
巨大グモは窓ガラスから中を覗いていると巨大な手で
小屋の扉をバリバリと突き破った。
「ヒッ!」
僕は力いっぱいノワールの開いた口に腕を噛ませた。
「静かに!」
クモは頭部を突っ込むと机と椅子に
壁になっている下駄箱を確認し誰もいないと
諦め出ていく。
「はぁはぁ・・・行ったか?」
すると小屋ごと
バキャバキャッと巨大グモが破壊行動に出た。
(死、死ぬ!殺される!)
ノワールは小刻みにガタガタガタと震えると
失禁し下駄箱の中はびちょびちょになり
そのまま気絶する。
(気絶してくれて助かったが・・・このままじゃ
二人とも死んでしまう!死にたくない!死にたくない!
ノワールも死なせたくない!)
心の底からそう願った。
そう願うと形見の数珠からドス黒い呪いの様な
城の上に現れた様な黒い靄が僕とノワールを
包んだ。
(苦しい!)
巨大グモは僕達の気配を察知したのか
その巨大な足を振りおろしたが
下駄箱が予想以上の強度だったのか
破壊された小屋の外にはじき出されると
川に落ちそのまま下流まで流された。
川に落ちたのはわかったが流されるのが止まる迄
下駄箱の扉を開かなかった。
ノワールはまだ気絶している。
気が付くと黒いあの靄は消えていた。
何時間たったのかわからないがどうやら水位の浅い場所に
引っかかったように下面がガリガリとぶつかっている事に
気が付く。
そのまま扉を開けると嘘の様に空はいつも通り晴れていた。
僕は扉を蹴飛ばし外に出て川岸にノワールを引きずり
下駄箱の棚に入っていたタオルケットを2枚取り出し
川岸にノワールを横たわらせオシッコまみれのスカートとパンティーを
目を伏せぬがしタオルを巻いてあげてもう一枚のタオルケットに寝かせると
パンティーを水洗いしそのパンティーでノワールの
身体に着いた尿をふき取り再びパンティーとスカートを川で洗い
木の枝にひっかけ乾かす。
少し冷えてきたのでそばの乾き木を拾い集め石を積み
学校で習った魔法が使えない場合の
火のおこしかたを思い出す。
山火事について習った事だ。
山の頂上には火山による影響で売り物にならない
火の魔石があり光る物が好きな鳥が巣に
魔石を持ち帰り一定以上集まると自然発火を起こす事があると。
それが山火事の原因になる。
雨が降ると流され河原などに赤い石が見つかる事があり
それが売れない低級の火の魔石だ。
それを自然発火するまで円に積んだ石の中に枯れ木と共に投げ入れれば
焚火の完成だ。
数は何個必要なのかわからなかったが7つほおり込んだ時点で枯れ木に
火が付きパチパチと焚火になった。
気が付けば日が暮れてしまった。
家に帰りたい。
「んん~ここは?ライト?」
「目が覚めたみたいだね、残念ながら下流に流されたみたいだ」
「あれは夢じゃなかったの?助かったの?」
「うん、夢じゃなかったみたいだね。」
「って!私のノーパンじゃん!ライトあなた何か私にしてないでしょうね?」
「って!僕達子供でしょ!何するの!?」
「・・・ってそうよね、ライトが性に対して進んでるとは思えないし。
で私のパンツは?」
僕は指を刺す。
「洗って乾かしてくれたの?って私お漏らししちゃってたんだよね!」
「まぁ、あんな巨大グモ見れば誰でもそうなるかもしれないよ」
ノワールは枝に手を伸ばし乾いたのを確認するとパンツとスカートを履き
今日は野宿しようとタオルケットを手渡されるとくるまって
次の朝が来るのを待った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます