第7話

それから五年後…


「ねね、おかーさん、これからどこ行くの?」


その後、私はちょっと変な赤ちゃん生活をなんとか乗り切り、五歳になった。


ちゃんと言葉も喋れるようになったし、歩けるようにだってなった。


そんで、今はなんかお母さんに車に乗せられてどこかに向かっているらしい。お母さん曰く、


「とーっても楽しくてお友達がいる所よー!」


…との事です。別に私友達が欲しいわけじゃないし、それに今のままでも十分楽しい。ご飯も美味しいし、遊び道具だって困ったことがない。お庭は広いからツリーハウスがある。


私が一番気に入っているのは動物のお人形。お母さんか、お父さんに頼めば買ってくれる。これがお金持ちの余裕ってやつなんだね…


そんなお人形が大好きな私は、今もウサギのお人形を抱えている。お母さんがお出かけをすると言うので、いつもどうりにお人形を持って家を出た。


……でも、お母さんはどこに行くのか何回聞いても全く教えてくれない。もー!!なんなの?!


車のスピードがだんだんと落ちていった。


おっ?これは着いた感じ?


「さっ!優降りるわよー!」


私を抱っこして目的の場所へ向かう。すると見えてきたのは…


『如月幼稚園』


……へ?…なんで幼稚園?


「お、おかーさん、ここどこ?」


お母さんの服を引っ張って聞くと


「ん?ここはね、今日から優が通うところよ。」


あ、あぁ、終わった。まさか一番恐れていたことがおこってしまった……


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