第5話



「おー!可愛いな!おーよしよし、由紀に似ているなぁ」



……ん?誰?お父さんとお母さんの声じゃ…ない?


え…怖いんですけど、まだ状況が整理出来て無かった時並に怖いよ?


こういう場合ってどうすればいいんだろ。取り敢えず泣けばお母さん来てくれるかな?まぁいいや、取り敢えず泣いても来なかったらその時考えればいいや。


「ふぇぇぇぇ…うゆぅ……うわぁぁぁぁぁぁん」


「お、おぉ?!どうしたんだ?何がいい?あいや、えっとよしよし大丈夫でちゅよー!」


いやぁぁぁぁぁ!!!怖い!イヤ!助けて!おかーさーん!!変な人がいるぅー!!!

多分伝わってないだろうけどこの状況どうにかしてぇぇぇえ!!


まだ泣き止まない私をオロオロしながら慌てている知らないおじいさん。そんなミニ騒ぎを聞きつけたお母さんが


「どうかした?!」


バタバタして戻ってきた。まだ病院から退院できてないからトイレにでも行っていたんだろう。


「あ、あぁ由紀助けてくれ、なかなか泣き止まなくれな」


私をお母さんに渡す。いやー!落とさないでぇぇぇ!!って、お母さんが居るから大丈夫か。


あぁ〜、お母さんの体暖かくて落ち着く〜。もうこのまま離さないで〜


「よしよし、ビックリしちゃったね〜、このおじさんは私のお父さんなんだよ〜」


「おじさんっ?!?!」ガーン


あぁなんだ、おじいちゃんか…ごめんねおじいちゃん変な人とか言って。でも、初対面で顔があんなに近かったら誰でもビックリするから

、辞めてね。


「う〜あぁ〜!!」ニコニコ


取り敢えず離してもらえれば私はそれだけでいいんだ!


「は、ははやっぱり由紀はお母さんだと分かってるんだな。は、はははは」


自分から離れた途端に笑顔になった私にショックを受けてるおじいちゃん。しょうがないよ、だって私はお母さんっ子だもん。(産まれてから数十時間です)

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