第7話 タイムカプセル的な
同級生と二十歳の何月何日にある場所で会おうと約束した、と語るのは、小学四年生の女子。最近はゲームの話をしなくなったと思ったら、いきなり青春物語の一節を語るかのような事を言ってきた。
映画や漫画の見過ぎだと言いたかったが、漫画を見過ぎているのはむしろ大人の私の方だ。だからと言って私は必殺技を出さないし、変身をしようと思わないし、壁ドンもない。あちらの世界とこちらの世界の線引きはしているつもりだ。さてさて、語るだけで終われば私には何の役目もないのだが、
「先生、来てくれると思う?」
と投げてきた。「来ないと思う」って言ってやりたいところだが、
「そうねー、来てくれたらうれしいよね」
なんて薄っぺらい事しか言えないのです。約束をしたその同級生に一週間後その約束を覚えているのか調査してみたいなんて思いながら、机に向かって勉強する鉛筆を見るのでした。
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