第2話 ありそうでなさそうである話
夏の日焼けがまだこんがりと残る肌に、くるっと丸い瞳が印象的だ。短髪じゃなかったら女にしかみえない。小顔で明らかに足が長い。今日もサッカーがしたいんだと話す。
はいはい、どうぞしてくださいな。時折り止まって何やらぶつぶつ言っている。今夜のアニメの続きが気になるらしい。そんな中学一年男子から「先生好きな人いますか?僕はいるんですけどどうしたらいいと思いますか?」(内緒の話)だと言われた。
私はどこに答えがあるのか探す。着地点はどこだと。安全に飛び降りたい。
「そうかー。私も同じようなことがあったなー」
とジャブを打ってみる。ここで話をしなくなったら、この答えは不正解だったと言えよう。だが
「でどうしたんですか」
と食いついて来た。正解でしたよ。
が、これからどうする。考えるんだ!中一の思考を!!そして適切にピリオドを打てる言葉を。
「友達だったから言えなかったな。嫌われたら嫌だもんね」
これ最適最良教科書通り。
「僕もその子とは友達なんです」
オッケー自分!もうこれ以上話してくれるなと笑顔をふりまく私なのでした。
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