Re:Re第1の殺人
俺は死んだ。だれかに殺された。しかし生きている。
今までの事件は何だったのか。
無人島の船着き場にいる。病院にいるわけではない。
そして、一瞬、激しい頭痛と立ち眩みがしてしまった。
どうやら船旅で疲れたのだろう。
ここは小さな島のようだ。
無人島にそびえ立つ館が遠くに見えた。
「早く行けよ!オラァ!」
後ろから声がした。最初に死んだはずの飛車だ。
周りを見渡すと事件で殺された全員が生きて歩いている。
どういうことだ。
俺は見覚えのある船着き場にいた。
今まで体験したのは予知夢か現実か。
今度は「第1の殺人」「RE:第1の殺人」を防ぎながら行動しておこう。
「・・・・・・・・・・・・・」
ナイトはじっとこちらを見つめていた。
出迎えが来たようだ。
船着き場には出迎えてきた2人の姿が見えた。
IT企業の社長であり、この無人島の館の主である王子が挨拶する。
二歩も挨拶をする。王子と二歩の案内で無人島の館にたどり着く。
館に全員で入る。
俺はゲストルームの2号室に入った。
だれかがだれかを恨んでいて殺人事件を引き起こしているのではないかと考える。
つまり、それぞれの人間関係や恨みなど動機を把握していく必要がある。
食堂では二歩と王子の2人が食事の準備をしている。
遊戯室では竜馬、将軍、飛車の3人がポーカーの賭けをしている。
同じ部屋で豚先生、船長の2人は雑談をしている。
金成、銀、ナイト、桂警部の4人はゲストルームで休んだ後、17時半頃から食堂に集まる。
前回は外部犯が潜んでいる可能性を考え、外を歩きまわったが何も手掛かりはなかった。
一部の区間は木々で覆われているため、誰かが隠れるには容易である。
島の中心にある2階建てのこの館から全貌を見渡せば他に船が泊まっていないのが理解できる。
部屋を出て食堂に向かった。食堂で毒物の検査をして、爆発物などもないか入念に探したが見つからなかった。とりあえず無事に食事はできそうだ。
18時から食事が始まり、19時ごろになるとフランス料理のディナーも終わった。王子が立ちあがり、全員の視線を集めてからしゃべり出した。
「料理はいかかデス。ここで私の経営している会社の出資協力をお願いしたいデス。私の会社が開発しているのは特化型のAIデス。AIを犯罪捜査に特化して活用するのデス。今まで探偵や警察が行っていた推理をAIが行うのデス。犯罪の記憶情報から犯人を割り出す画期的なシステムなのデス。詳しい話を聞きたい人は個別に私の部屋に来てくださいデス」
王子の会社はAIの開発をしているようだと分かった。
特に出資する興味は気はない。
話を聞いていると、二歩が追加の飲み物を注いで回っていた。
「どうぞ」
「ありがとう」
俺は二歩にお礼を言ってワインを飲んだ。
しばらくすると、周りの人間のほとんどが悶え苦しみ出した。
「ハメやがったな!!」
誰かが言い出した。視界がぼやけている。
ワインを飲んだ後に意識が混濁した。
ぐにゃっと意識が歪む。
なんだ・・・毒入りか?
「ぐ・・うぐぐ・・・・ぐはぁ!!!!」
今回の犠牲者は俺だったのか・・
噴水の如く血しぶきがまったかに思われた。
これは赤ワインなのか血なのか。
「ハハハハハハデス!」
人々が苦しんでいるところを見ながら王子が高らかに笑っている。
手からワイングラスを落とし、俺は悶え苦しみ倒れた。
周りの人間達も悶え苦しみ倒れた。
そして、意識は途絶えた。
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