いつまでも

勝利だギューちゃん

第1話

高校の文化祭

みんな、忙しく働いている。

普段、会話のない間柄の人間も、この日は会話をしている。


しかし、僕は違った。


誰とも関わる事もなく、ひとりで雑用をしている。

荷物運びに、掃除など、雑用係をしていた・・・


そして、大きな荷物を教室に運んだ時、

クラスメイトの女子が、椅子に腰かけてうたたねをしていた。


僕は、風邪をひいてはいけないと思い、

その子に毛布をかけておいた・・・


そして、その場を静かに去った。


元々、僕は浮いていた。

なので、面倒な事を押し付けられた。


でも、抵抗はしなかった。

「被害は最小限で済ませたい」

そう思っていたからだ。


で、時は流れた・・・


高校の同窓会があった。

のり気ではなかったが、しぶしぶ参加した。

いや、顔を出したというのが、正しいだろう。


「顔だけ出して、すぐに退散しよう。」


そう思っていた・・・


同窓会の準備は、女子たちがしていたようだ。

その疲れからか、ひとりの女子が、椅子に座りうたたねをしていた。

あの時の子だ・・・


僕は、風邪をひかないよう毛布をさがしたが、なかった。

仕方なく、自分の背広を脱いでかけておいた。


そして、退散しようとした。

「ありがとう。2度目だね」

「えっ?」

「高校の文化祭の時も、毛布を掛けてくれたよね。嬉しかった」

「・・・起きてたの?」

「うん」

「ならどうして・・・」


彼女の言おうとしている事はわかった。

でも、信憑性がない。


そして、こう言われた。

「私、待ってるからね。あなたの気持を聞かせてくれるのを・・・

いつまでも」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いつまでも 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る