第10話 新たな魔導士③
「で、僕たちはこれからどうするの?」
タッグは組んだもののこれからの行く末はまだ何も決まっていない。大きな最終目標として、『アモン』という悪魔から八尋は記憶、由佳莉は魔力を取り戻すことだけは決まっているが。
「まず、今のアンタじゃ魔力を使えない私の足元にも及ばないわ。その状態で『アモン』と戦ったところで結果は見えているわ。だから、ひとまずドラと一緒に戦いましょう」
「その『アモン』って悪魔はどのくらい強いの?」
「そうね、人間に理解できる相応しい言葉がないのだけれど」
「まって、それもはや戦えるレベルを超えてない?」
「だからまずは特訓あるのみなのよ。――、ん、ちょうどいいところに“マーレ”の臭いね。さあ、戦ってきなさい」
下校時ということもあり、八尋たちと同じ学生服を着ている生徒も少なからず見受けられる。そこの女子生徒から“マーレ”の気配がするらしい。
「ちゃんとドラを装備してからいくのよ」
「了解っと。――、バディスタ」
彼女の心に潜入するための詠唱をし、色とりどりであった世界からは灰色の世界――、『アンダーグラウンド』へと足を踏み入れることに成功する。
「やっぱりいつみても不気味な雰囲気だね……」
幽霊や妖怪などひょっこり出てきたとしても何らおかしくはない状況ではある。まあ、この世界に至ってはそのようなオカルト的な存在よりも悍ましいものがいるのであるが。
最初に見た香菜の『アンダーグラウンド』とはほとんど一緒ではあるが、少し違うとすれば今回に至ってはなぜか雨が降り注いでいることであった。
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