第69話 猛反対の波
猛反対の声が津波のように押し寄せる。
けれど、そんなものは何処吹く風。
「女の子に怪我はさせられないよ。紅葉ちゃん、気持ちはありがたいけどここは我慢して欲しい」
「そうですわ。またあなたに何かあったらご両親にどうお詫びをしたらいいのか分かりません。お願いですから危険なことは考えないでください」
「女子は大人しく家で待っていればいいのです!」
梅の言葉は宇宙の揺りかご。
どんな言葉も、みんな温かくて心地良い。
「紅葉なんかが来ても、足手纏いになるだけだ!」
そう邪険にする
「ダメだよ、紅葉。君は特別なんだから」
頬が引き攣る。
残念ながら、
それまでの気分が一気に台無しだ。
どうしてこんなに千弥の言葉に引っかかりを覚えてしまうのだろうか。
が、実際のところはよく分からない。
ただ、いつも何かが引っかかる。
抜けない棘のようにチクチクと嫌な痛みを与えてくるのだ。
気を取り直し、紅葉は背筋を伸ばした。
ぐるりと
「
「バカ! お前なんか邪魔なだけだ!」
廉弥が誰よりも早く猛反対の声をあげた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます