やがて消えてしまう黒板のメッセージだからこそ、今、伝わる気持ちがあるんだなあ、と思いました。黒板というアイテムをうまく使った演出でしたっ!
短い文章で、こうも奥行きを感じさせてもらえるとは。さらにはこの爽やかさ。甘いけどキレのある、ラムネを飲んだような余韻を感じます。いやはや、脱帽ですな。……もう一杯お代わりを! と言いたくなる小説です。あなたも一杯、いかがです?
果物のような瑞々しさです。味わってみてください。
夏男目線が多い作品中、春子視点で表現された本作品。春子と夏男。爽やかな二人が登場します。同プロットで集まる企画ならではの、「こう、来たか」感が味わえますよ。さらりとした読みやすさが特徴ですが、奥が深いです。言葉ひとつひとつの選び方が上手い。何より最後が素晴らしい。癒されるような、素敵な余韻にうっとりです。
女性側からみた、告白のシーン。しかし、そこには巧妙な駆け引きが隠されていました。優しさと愛に溢れた思い出が、読者の心を綺麗に洗い流してくれるでしょう。人生のパートナーを選ぶ、指南書的な作品です。