第15話 ビアンキに一目ぼれ

 #15 ビアンキに一目ぼれ


 それは都民の森に行こうとして、強い向かい風と(言い訳)予想外のアップダウン(言い訳)に体力を削られて都民の森を途中でリタイア(現実)しラーメンを食べて(慰め)帰った翌日の事。

 嫁と一緒に買い物に出かけてモスで昼飯を食べている時に「そういえば近くにビアンキストアがあるな」と思い出した。

 せっかくなら行ってみるかと嫁を伴ってビアンキストアへ。

 入ってみるとあのチェレステカラーが前面に展開されている。

 ビアンキと言えばあの青空をモチーフにしたという青とも緑とも言えない鮮やかな色。

 サイクリングロードを走っていると大体見かけるあのチェレステカラー。

 イメージとしては女性やおしゃれさんや荒北が乗っているメーカーだなあというくらいで、自分が乗りたいとは思っていないメーカーだった。

 ところ狭しと並べられたロードバイクを眺めると、カラーもあってかペイントが鮮やかな印象を受ける。

 中でも展示されていた特別なペイントを施されたロードバイクは一目でこれはすごいなと思わせるラメの入った白からグラデーションで金色になるエンブレム。

 さすがイタリアのメーカーはおしゃれさんやねえ等と話ながらそろそろ帰るかなと思った時に「あれもかっこいいね」と嫁が天井を指さす。

 そこには天井からつるされたオレンジ色のフレーム。

 この時、嫁は言ってから「しまった」と思ったらしい。

 なんせ暖色系の色好きな俺。

 そのフレームは鮮やかなオレンジとイエローがグラデーションされたもの。

 チェレステカラーばかりの店内で一つだけ異彩を放っていた。

 青空ならばあれは夕暮れなのだろうか?

 その時はかっこいいねで終わった。

 しかし、家に帰ってからもそのフレームの事が頭から離れない。

 調べてみるとそのフレームの名前は『FENICE』(フェニーチェ)

 スカンジウムというレアメタルを混ぜたアルミフレーム。

 オレンジのフレームはフレームセットのみあるだけらしい。

 調べていくうちにどんどんあのフレームがカッコよく見えてきた。

 しかしフレームセット、ロードバイクはそのうち買うつもりでいたが、完成車のつもりだった。

 しかし、あのフレームの色が頭から離れずに、仕事中もずっと考えてるしまつ。

 つまりこれが一目ぼれなんだろうな。

 もうあのフレームを買うこと前提でこんどお店で色々聞いてみようと思います。

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