第11話 ボトルと空港と向かい風
クロスバイクやロードバイクには定番のオプションパーツがいくつかある。
そのなかでももっともメジャーなのはボトルゲージだろう。
文字どおり、ボトルをフレームに固定するための物である。
これが付いてる自転車はそれなりにスポーツライクに使うためにあるのだなと、やりおるマンが乗っているのだなと。
それだけに「本気で乗るぜベイべー」とやる気みなぎる人なら良いが、そうでない人は「いや、そんなには、ほら初心者ですし……」と腰が引ける人も多いだろう。
ちなみに私は購入時に買い忘れたパターンです。
まーともかく初回点検の時についでにボトルゲージも買ってつけてもらい、さらにサイクリング用のボトルも買った。
握るだけで中身が飛び出る便利ボトル。
なれないと飛び出る水の勢いにむせたりするので要注意。
そんなボトルをマイチャリに装備してやりおるマンとなった俺はいつものサイクリングロードに向かった。
最近すっかりなじみとなったコンビニでようかん二つと売り切れていたどら焼きの代わりに菓子パン一個。さらにソルティライチを一本買い、サイクリングロードを今回は下流に向かって走り始めた。
サイクリング用のボトルは走りながら水分補給できるから便利だと聞いていたが、本当に走りながら飲めるのかしら? と思いながらとりあえず走る。
では飲もうかなと思うけど、なかなか手を出せない。
つーか走りながらってペダル回しながら? マジでやんの? 危なくね?
おっかなびっくり、直線の道、前にも後ろにも人はいない。
よし、いまだ。
えいやっとボトルを取り出しギュッと握れば水が飲める。
うわ、便利だ。
走りながら飲めるから水分補給に止まる必要がない。
こりゃ必須になるはずだ。
足を止める必要がないので快調に飛ばし、途中一回休憩を挟んで多摩川サイクイングロードの終点、のちょっと先大鳥居まで一気に走った。
そこで一休みしながら菓子パンを食べる。
流石にサイクリングロードの終点、ロードバイクやクロスバイクが次々にやってくる。
当然やりおるマンなボトルも装備。当然か。
さてどうするか、適当に昼を食べて帰るつもりだったがどこで食べるか決めてない。
そもそも昼にはまだ少し早い。
せっかくここまで来たのだから空港に行ってみるかと羽田空港までちょっと走る。
グラさん(CV安元)を駐輪場にとめて空港へ。
展望デッキで自販機のカフェオレを飲みながら飛行機の離発着をぼんやり眺め、お土産を購入して、どこで飯を食うか悩んだ末に目についた吉野家でサクッと済ませる。
そして帰路。片道40キロも案外楽だったなあと思っていたがこれが間違いだった。
帰りのサイクリングロードは向かい風。
思ったように走らない、風に押され回しても前に進まない感覚。
予想以上の風の抵抗に一気に上がる心拍数。
体力を使っていたのもあってか頻繁に休憩しながらなんとかペダルを回し、行きの1.5倍の時間をかけながらなんとか帰宅しましたとさ。
結果的に走行距離は94キロ、想定外のロングライドにってか、あとすこし100キロだったのに惜しいことをした気もするけど体力も限界でした。
結論、フード付きのウィンドブレーカーで向かい風の中を走ってはいけない。
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