第8話 第二ライド 第三ライド
尻と手の痛み、太ももの筋肉痛に悩んだ前回。
筋肉は鍛えれば良いとして、尻と手の痛みはレーシングパンツとグローブで防げるらしいのでさっそくアマゾンでよさげなものをポチッた。
ピチピチのレーシングパンツはまだ抵抗があるのでインナータイプに伸縮性のあるズボンを合わせて履く感じで。
その二点を装備し、雨の予報だった土曜日晴れていたので急遽サイクリングに出かけることに。
前回の多摩川サイクリングロードを逆方向に行けるだけ行ってみようと走り出す。
ところどころ夜中に降った雨で水たまりが出来ているのを避けながら、サイクリングロードに上がると今回も向かい風、逆方向なのになー。
今回は弱虫ペダルや自転車ブログなんかでみる軽いギアでクルクル回す走り方、高ケイデンスをしてみようと脚をクルクル回すことを意識してみる。
雨の予報が出ていたせいか、前回よりもロードバイクや散歩している人が少なく快調に飛ばす、やはり信号が無く止まることの少ないサイクリングロードは良いモノだ。
暖かい日差しと少し冷たい風が火照った体に気持ち良い。
いったん河原におりて土手に再び上がる坂道でふと思い立ってギアを一枚重くして立ちこぎ、ダンシング。これが良くなかった。
上がった先は少し広くなっていたのでそこで休憩にしようと自転車を止める。
走った時間は30分弱、少し息は上がっているが足もまだまだ違和感なし。
結構いけるかなーと思ったその時、頭がクラーとした。
あ、いかんこれ。
たぶん脳に酸素が足りてない。
呼吸を深いものに切り替えながら、途中のコンビニで買ったソルティライチを飲む。
原因は無理にケイデンスを上げたこと。
そこに最後のダンシングもどきがとどめを刺したのだろう。
慣れないことはするもんじゃない。
長年の運動不足でおっさんの心肺機能は思った以上に弱っていた。
ソルティライチを飲みながらしっかり休憩する。
まだ走り出したばかりで天気も良いからもったいなかったが、この日はもう帰ることにした。
帰りがけに食べたラーメンがうまかったです。
走行距離17キロ。
走り足りない感がある。
そして翌日。
昨日の反省を踏まえて、無理をしない走り方をしようと思いながら昨日は忘れていた空気を入れる。
キャップを外してー、バルブを緩めてーと教わった通りにやったが、空気が入らない、どころか空気が抜ける。
気づくとタイヤがぺちゃんこに、バルブも落ちてしまっている。
やベーとネットで対処法を検索するが、分からない。
30分ほど格闘しても事態は改善されず、タイヤはぺしゃんこのまま。
仕方ない、店に持っていくか。
空気の抜けた後輪を持ち上げるように転がしていたのだが、歩きづらい。
色々試し、自転車を担ぎ上げサドルを肩に引っかけるように支えて歩くのが一番楽だと分かった。
いつもは俺を運んでる自転車を今日は俺が運ぶ、おお、なんだか自転車とより近くなった気がするぜーとか思いながら歩いていたら小学生が「あ、タイヤパンクしてる」とつぶやく。
うん、たぶんパンクじゃないからねー空気の入れ方分からないだけだからねー。
よけいダサいんじゃねえかな?
最悪チューブ交換かなあと店まで運ぶと、チャリを抱えたおっさんに店員さんがすっ飛んでくる。
「どうしました!?」
「いや、空気がうまく入らなくて……」
「歩いて持ってきたんですか!?」
そりゃおどろくよなー。
見てもらったところパンクはなく、単純に空気が入ってないだけ、軽くメンテもしてもらい改めて空気の入れ方をレクチャーしてもらいお店を出た。
ありがとうありがとう。ちゃんとしたお店で買ってよかった。
気を取り直して、今日の目的地は昭和記念公園。
園内のサイクリングロードは走りやすいらしい。
そして目当ては盆栽苑、たまにはわびさびの世界に触れてみようと走り出す。
車の少ない道を選びながら走る。
昭和記念公園に近づくにつれて増えていく人と自転車。
やけに自転車多いなーと思いながらゆっくりと走ると今日は入園無料日と書かれている。
ラッキーと思うのと同時に嫌な予感。
予想通り、園内のサイクリングロードは満員御礼。
家族連れやカップルがゆっくりとサイクリングロードを走っておられる。
うん、問題ないけど道いっぱいの並走はやめてね。
速度を合わせながらお目当ての盆栽苑へ。
予想よりも大きな盆栽がドンドンドンと具合に置かれている。
推定樹齢200年とかざらにある。
いや盆栽は正直よくわからないのだが、小さな木なのに迫力というか風格がある。
これもすごい世界だな。
見学を終えて、近くのレストランで温玉ぶっかけうどんを食す。
当初の予定ではこのまま気のすむまで園内のサイクリングロードを走るつもりだったのだけど、人が多いのでさっさと退散。
立川のこのあたりは再開発で道も広くてきれいだから自転車で走りやすいのではなかろーかと思い、そっちの方にハンドルを向けるとこれが大正解。
片道二車線の道路にきっちり自転車用レーンもあり、車の往来も少ない、緑も多い、走っていて気持ちいい。
そんな感じでクルクル走り回って疲れ切る前に家に帰りましたとさ。
走行距離27キロ
太もももやばくなってないし、尻も手も痛くない。
レーシングパンツとグローブの威力を感じる。
次はもっと遠くに行きたいなあ。
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