探偵帽とトレンチコートと自転車屋さん
第35話 探偵帽とトレンチコート
僕達は、まず近所のコンビニでお金を引き出した。
そこから少し歩いてバス停に行き、バスに乗って
普段の買い物なら、駅前のスーパーで良いが、衣料品や自転車となると、近くでは揃わない。
しかしここなら、ホームセンターもあるし、ウニクロもあるし、自転車屋さんも、電気屋さんも、スーパーもある。
距離があるから車を持たない僕達は、
「うわあ~、何ここ、おっきいお店が、あっちまで並んでる。」
「
「うーん、ここに来れば、だいたいの物はそろうけど、車が無いと来れないんだ。」
「じゃあ、先にお洋服からね、
「あー、私も。」
「二人共、僕は嬉しいけど、腕を組むと道を塞ぐから、二人は前を歩いて。」
「「ぶぅ~~~っ。」」
「いや、仕方無いから、ウニクロに行こう。」
店に入ると二人は、何かを探し始める。
「ドロシー、ルイーズ、来て。」
「どうしたの。」「何々。」
僕は二人を呼んで、他の人の
「はい、お財布、二人で店の中を好きに回って来て、それとバスの中で教えた通り、買い物が終わったらスマホで連絡して、あっ、500
「じゃあ、はい、500
「お財布落とさない様にしてね。」
「分かった。」
「行こうドロシー。」「待ってルイーズ。」
僕も30分ほど店の中をうろうろして、飽きたので、外に出て日の当たる長椅子に座り、缶コーヒーをちびちび飲んで、次は自転車かなと考える。
買うのは二人の分だけ、つまり二台、と言う事に思い当たる。
「あー、二人は自転車に乗って帰れるかな、あの道を真っすぐ行けばいいはずだけど、帰りはスマホを繋ぎぱなしにしとこう。」
ぶるぶる。ぶるぶる。「おっと、終わったのかな。」
ぴっ。「はい。」
「木下
「間違いないよ、ドロシー、買えた。」
「うん、買えた、着替えさせてもらった。」
「今何処。」
「入って来た所に向かってるとこ、
「そこを出た所の横にある、自販機の
「分かったもう直ぐだから、切るね。」
ヴゥィー。「
「おーーーっ。」
二人は大きな紙袋を一つづつ肩にかけている、帰りは自転車に乗るので、中で着替えて来た。
ウニクロなのに、凄い可愛い、でもやっぱりまずは見た目から入るんだね。
下はデニムのジーンズでドロシーは青で、ルイーズは黒っぽい。
靴も
上はシャツで、ドロシーがグレイ、ルイーズがピンク。
更に上、頭には帽子、紙風船を半分にして、短い
そして、寒くなったとは言え、まだトレンチコートは暑くないかな。
しかし、二人共スタイルが良いし、何を着ても似合うなあ。
「どうかな、
「どおどお、可愛いでしょう。」
「うん、二人共、とっても素敵だ。」「良かった。」
「この後、自転車に乗るから、ドロシーに髪を結ってもらったの、可愛い。」
「ルイーズ、とっても似合ってるよ。」
「私も髪伸ばそうかな。」
「ドロシー、凄く似合ってて、可愛いよ。」
「有難う。」
「私も可愛い。」
「ルイーズ、とっても可愛いよ。」「えへへっ。」
「ドロシー、ルイーズ、スマホの使い方、分かった。」
「「うん。」」
「じゃあ、さっき通り過ぎた自転車屋さんまで戻ろう。」
「「あい。」」
「でさぁ、二人共さすがにまだコートは暑くない。」
「暑い。」「私も。」「それ脱いだら寒い。」
「多分大丈夫だと思う、店員さんに
「袋貸して、僕が持つから、二人はコートを持って。」
「「わぁ~い。」」
「
「ルイーズ、言い過ぎ。」
「ドロシー、僕の目を見て言って欲しいなあ。」
がさがさ。「「はい。」」
「お願いします。」「持ってぇ~。」
「納得いかん。」
お~、二人共体の線がでるなあ~、やっぱりコート着た方が。
う~ん、他の人に見せるの、口惜しいなあ~。
「ドロシー、ルイーズ、やっぱりコート着ない。」
「え~、暑ーい。」
「どうして。」
「うーん、ちょっと。」
「どこか変かな」ドロシーが回って見せる。
「あーっ、ドロシー、
「そう言われれば、ちょっと恥ずかしいかも、
妬いてない、妬いてないぞ。
「ドロシー、暫くこのまま歩こう。」
「そっ、そうね、少しは私達の気持ち解るかも。」
「・・・そうか、じゃあ、行こう、自転車屋さん。」
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