妖精さん?と聞き込み範囲

第33話 妖精さん?

 僕達は、昨日頑張ったので、朝食を済ませたのが10時、洗濯や部屋の掃除を手分けしてやって、ベットのシーツや掛け布団のカバーを洗っている間にプロジェクターを事務所に移動させた。


 ドロシーとルイーズが紅茶を持って入って来る。

 がちゃがちゃ。「はい、ゆたか。」

 「有難う。」

 「そろそろ始めた方が良いんじゃない。」

 「そうだね二人共座って。」

 「ふわぁ~い。」

 「ルイーズ、ふぅぁ~。」

 「ほら、ドロシーだって眠いでしょう、ゆたか容赦ようしゃないしぃ。」

 「ルイサさんもマーガレットさんも楽しみにしてるし。」

 「そうだけど。」

 「ドロシーも座って。」


 今日は僕のパソコンをプロジェクターに繋ぐ、ホワイトボードには青い葉っぱの森公園を中心とした、この辺の地図を表示する。

 「今回の依頼は、レイプ未遂事件の情報収集、探偵が最も得意とする、地味じみな作業、聞き込みが主体だ。」

 「どの辺りに聞きに行けば良いのか見当もつかないわ。」

 「本当に手掛かりなさすぎぃ~。」


 「そうなんだ、ラヴさんからの情報が正しいなら、犯人は男、なのに女子高生に化ける事の出来る、小説の中の怪盗みたいな変装の名人。」

 「他の人に成りすますの、ドロシーも得意よね。」

 「ドロシー、そんな特技があるの。」

 「えー、私そんな事出来ないわ。」


 「何言ってるの、あいつらと合体した後の変な顔。」

 「変じゃないもん。」

 「そうだよルイーズ、あの顔には優れた造形美があるんだ。」

 「ゆたかは優しい。」

 「本当だ、ドロシーは綺麗きれいだよ。」

 「えぇ~、ゆたか、私は私。」

 「勿論もちろん、ルイーズも美しい。」

 「そっ、そうでしょう、えへへへっ。」


 「それでドロシーのあの綺麗きれいな顔に何かあるの。」

 「私、綺麗きれい、ふふっ。」

 「あー、そっか、ゆたか最初さいしょからドロシーを知ってるから分らないんだ。」

 「私は最初、だまされちゃって。」

 「えーっ、私そんな事してないっ。」

 「聞きなさいよう、ドロシー自身、解って無いみたいだから。」

 「御免なさい。」


 「ドロシーがあの顔の時にね、周りの人に自分が見せたい姿に見せる事が出来るの、だから今まで気づかれた事無いでしょう。」

 「言われて見ればそうね、でもあの子達が出て来た時、皆逃げちゃったよ、逃げなかったのはゆたかだけ、それにあの子達が戻った時、ゆたかもルイーズも大笑いした。」


 「だからそこなの、あいつらを全員見た人には通用しないの、だからあの時あいつらがドロシーと合体した後、ゆたかには見えてたの、でもあの後、あいつらを見てない人が、ドロシーを見ても、ドロシーが見せたい姿にしか見えないの。」


 「へぇ~、知らなかった。」

 「自分の事でしょう、気付きなさいよ。」

 「だって、皆通り過ぎるだけだもの。」

 「それカメラとか大丈夫。」

 「多分、大丈夫、だと思う、ごまかす事が出来ないのは、本当のドロシーを知ってる私やゆたかだけ、後あいつ等を見て逃げた人、それからママかな。」


 「ルイーズ、すごーい、私の事大好き。」

 「そんな事ないもん、何時かゆたかを独り占めしてやるぅ。」

 「・・・ルイーズ、一人だと心臓止まっちゃうよ、今だって二人だから大丈夫なんだよ。」

 「えーっ、僕そんな酷い事してないよ。」

 「・・・そうかも、・・・わけわかんなくなっちゃうかも、ドロシー何処にも行かないでね。」

 「うん、任せて。」

 「えっち。」

 「ちちっ違うの、ルイーズのばかぁ。」


 「しかし、ドロシーにそんな事が出来る能力あったとは。」

 「後ね、ママの話だと、あいつ等妖精さんぽいから、何か特別な力を持ってると思うの。」

 「ドロシー、今度、案山子かかし達に聞いてみよう。」

 「私も聞きたぁーい。」

 「うん、じゃあ~、今度。」


 「それで、話し、れちゃったけど、どうするのこの地図。」

 「ああっ、そうだった、見て、ここが僕達の家、でこっちが青い葉っぱの森公園、事件はこの公園の何処かで、多発していると言う事だけど、その総数も場所も分らない。」


 「この公園広いから、木もいっぱいあるし、私達も人目に付かない様にするには都合が良かった、それを3人で探し出すの無理じゃない。」

 「それにゆたかと離れるの怖い。」

 「わたしもうぅ。」


 「今回は公園には入らない、その周辺の家々に、その多発している事件にかかわった人がいないか、聞いて回るんだ、で場所、時間、特徴、そういった事を集めて、犯人の行動原理を知りたい。」

 「適当に聞いて回るの。」

 「う~ん、何かピンとこない。」

 「僕的にはこんな感じだ。」

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