第32話 ミーティング?

 二人共相当追い回されたみたいで、ぐったりだ。

 「ドロシー、ルイーズ、大丈夫。」

 「すっごい疲れた。」

 「もう最悪、でも被害に遭った人の気持ちが、少し分かった気がする。」

 「あー、それいえるぅー。」


 「ご苦労さま、ご飯にしよう、ケーキ買って来た。」

 「「わ~い。」」

 「何買って来た。」

 「モンブランと苺ショートとマンゴウのショート」

 「私モンブラン。」

 「ルイーズずるい、もううう、私マンゴウのショート。」

 「今度はモンブラン二つ買って来るから、ドロシー。」


 「うん、約束、あっ、でもご飯できてないよ。」

 「追いかけられてたから、何もしてない。」

 「冷蔵庫は。」

 「里美さとみママが持って来てくれた物が残ってるかな。」

 「後は、昨日のミートソースとパスタかな。」


 「じゃあ、有る物を食べて、お風呂入って、作戦会議。」

 「何処で。」

 「プロジェクターのある所。」

 「ゆたか、本当にミーティングする気あるの。」

 「あっ、あるよ~ぉ。」


 「でもそれなら、事務所の方が良いと思うの。」

 「えー、だってドロシー、プロジェクター動かすの面倒くさいし、それにドロシーもルイーズも、かなり疲れる見たいだから、寝ちゃうかもしれないだろう。」


 「ちゃんとしたお仕事だから、私は大丈夫、誰かがちょっかい出さない限り。」

 「やっ、やだなあ~、ルイーズ、誰がそんな事するのかなあ。」

 「「ゆたかでしょう。」」

 「僕も頑張るよ、正式な依頼だし。」

 ほんと、本当にちゃんとミーティングするから、そんな目で見ないで。

 「ほら、ご飯食べよう。」「「あい。」」


 母さん、ルイサさんやマーガレットさんが、クッキー、りんごパイ、王室御用達チョコレート、煮物やハンバーグにサラダ、食材を持って来てくれるお蔭で、飢えからは解放されている。ありがたや、ありがたや、合掌がっしょう


 今日の晩御飯は、冷蔵庫の余り物だ。

 昨日作り過ぎたミートソーススパ、それに母さんが娘(ドロシー、ルイーズ)の為に持って来た、百貨店で買ったであろう生ハムのサラダ(僕の分はない)、そして、僕の買って来たショートケーキ。

 僕だけお安い赤ワイン、僕だけのはずなんだけど、お酒は百薬の長と言うし、結構早く減る。


 暫くテレビを見てから片付けをして、その間に風呂のお湯を入れる。

 そして眠くなる前に、お風呂へ、ドロシーとルイーズは一緒に入る。

 その後、僕が入って、お風呂掃除をして上がる。

 玄関は通り道なので、戸締りを確認して、不要な電気を消しながら寝室に向かう。


 寝室には最近、物が増えた、42Lのワンドアの冷蔵庫(事務所の備品として計上)、レコーダー(これは以前からある物)、そして今日初めて活躍かつやくしたプロジェクター。がらがら。


 がらがら。「ドロシー、ルイーズ。」やっぱり寝てしまっている。

 どんだけ追い回したんだよ、仕方ない、ミーティングは明日にしよう、まだ入金もされてないし。


 僕もドロシーとルイーズの間に割り込んで早めに休もう。

 ばさぁ。「ゆたかぁ。」

 ばさぁ。「う~ん。」

 二人が抱き付いて離れない。

 ちゅっ。「あん。」

 ちゅっ。「やあん。」

 温かい。


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