お嫁さん達、危機一髪とミーティング?

第31話 お嫁さん達、危機一髪

 僕は、大学の午後の授業2枠を受けて帰る事にした。

 気は進まなかったが、探偵として、下請けではない初めての依頼だ。


 授業に出ては見たものの、落ち着かない。

 顔見知りを見つけて、今度おごる約束で、こっそり授業を動画で撮ってもらう事にした。


 あいつ等結構飲むからな、2万で収まるかな。

 僕もアルコールが入ると口が軽くなるから、ドロシーやルイーズの事を自慢しない様にしないと、それに守秘義務しゅひぎむ厳守げんしゅ

 受けた案件の事を、面白がって聞き出そうとするからなあー、しつこいし。


 ともあれ早く帰って、二人と作戦会議だ。

 がちゃがちゃ、きぃー。どたどたどた。ばたばたばた。

 「いやあぁぁぁぁぁっ。」

 「まあ~てぇ~、ドロシーちゃぁ~ん。」

 「ルイーズ、ルイーズ、早く行ってっ。」

 「嫌よっ、ドロシーが何とかして。」

 「ぎゃっ、ルイーズ、どうして止まるのっ。」

 「向きがかわたあぁぁぁぁぁっ。」

 「ドロシー、早く早く、あっちいてえぇー。」


 何騒いでるんだ。

 「来たあぁぁぁぁぁっ、あっちてっ、来るなあ、来るなあぁ。」

 がらがら。あっ、リビングの片隅にドロシーとルイーズが追い込まれてる。


 「ゆたか助けて、襲われるぅ。」

 「ゆたかゆたかゆたか。」

 ラヴさんが怪しげな手つきで、獲物えものに迫っている。

 「うへへへへへっ、観念かんねんして、おねぇ~様のものになっちゃいなさぁ~い。」

 こん。「あいったっ、誰、つんならぁ~、もぉ~と、強くぅ~。」


 だだだっ、どたどたどた。二人が僕の後ろに隠れる。

 「ゆたか、おそーーーいっ。」

 「遅いよお~、襲われちゃうよう。」

 「ラヴさん、15時で帰るはずでは。」

 「あれぇ~、もう帰って来たのぉ~。」


 「僕のお嫁さんに手を出さないで下さい、18時過ぎてますよ。」

 「えぇ~ん、もう少しだったのにぃ~、明日も来るから待っててねぇ。」

 「もういいです。」「来ないで。」

 「だってぇ~、お金、持って来るからぁ、それとお~、『私を好きにしていい』券も、持って来るから。」


 「そんなの要らない。」

 「要らないです、ねっ、ゆたか。」

 『私を好きにしていい』券、・・・かあー。

 「ゆたか、要らないって言って。」

 「言えないの、ゆたか。」

 「そっ、そんなのは要らないです、ええ要りませんとも、お金だけでいいです。」


 「じゃあ、お金を持って、明日も来ますねぇ~。」

 「「来るなっ。」」

 ラヴさんは帰っていった、まさか二人が襲われているとは想像してなかった。

 実はラヴさんが犯人でした、とか言う落ちじゃないだろうなあ。

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